歯の形態が単純なことと舌が常に接触するため。

下顎前歯部

日付、時間:2004年6月16日 21:09  氏名:     
所在都道府県:  埼玉  職 業:  その他  年 齢: 20歳      性別:  male  

下顎前歯部 質問:
 歯石が下顎前歯部に多量に沈着しています。カリエスのリスクは高く臼歯部はほとんど ゥ蝕なのに下顎前歯はゥ蝕になりません。そこで質問なのですが、なぜ歯石が付着してい るのにゥ蝕にならないのですか・・・

回答
 下顎前歯部舌側は唾液腺の開口部があるために、唾液成分中のカルシウム沈着物である 歯石が最も大量に沈着します。毎月の歯石除去を行なっていても、その都度大量の歯肉縁上 歯石があります。
 その割にはむし歯が少ないのは確かです。歯槽膿漏で失うことはあってもむし歯で失う 確率の最も少ない特殊な歯と言えるかもしれません。70歳位になってかろうじて歯槽膿漏を 免れた口腔内には、使い古してはいるものの健全な下顎前歯だけが残っているケースを少な からず見ることがあります。その理由を明確に示した報告を見たことはありません。が、 考えられることは、歯の形態が単純なことと舌が常に接触するために歯と歯の隙間に汚れ が停滞し難い環境であるために錆び難い(むし歯になり難い)のだと思います。

 むし歯発生の初期の原因は、プラークとそこに生息するミュータンス菌?が産生する酸 です。歯石があれば表面にはプラークが付着しますが、歯に接する部分には影響しないので むし歯にはなりません。かえって歯石がむし歯をガードしているかもしれません。但し、 歯石は歯槽膿漏の原因にはなりますので除去しておく必要があります。