絶対選択すべきでないのが歯根端切除です。

ビタペックス

日付、時間：2004年6月29日 11:53　氏名：　S・O　　　
所在都道府県：　岡山　職　業：　学生　年　齢： 18歳　　　　性別：　female　　

ビタペックス 質問：
　はじめて質問させていただきます。私は、今から４年前に転倒の際前歯を破損治療を受けました。治療後、何の問題もなく４年間を過ごしてきましたが、受験やそれに伴ないこの春より親元を離れての新たな生活がはじまるという環境の変化もあったのですが、突然、前歯の痛みに襲われ歯科医の先生に診ていただきました。
　治療は、破損した上左１と２の間の歯根部にのう胞ができており、左２抜髄、のう胞を切開し膿を出しました（６／１）。その日から１０日間の間にホルルクレゾールによる治療を４回受け思わしくないために、６／１４よりペリオドンによる治療を同じく１０日間の間に４回受けました。が、これも不調でしたので、６／２６にビタペックス液を注入（左１よりのう胞へ）。昨日（６／２９）に診ていただきましたところ、調子はよさそうとの事で、また少しビタペックスを注入しました。これが上手くいけば、歯根切除の手術は必要ないようですが、ビタペックスが上手くいかなければ、歯根切除しかないように言われています。
　５mmほど歯根を切除されると歯も弱くなるとの事ですし、なるべく手術はしたくないと思っています。抗生剤を飲めば、膿の出が止まりいい調子のように言われるのですが、薬を飲みきってしまうと、また膿が出るの繰り返しです。普通、抗生剤を風邪などで飲めば菌が死に、治癒するのだと思われますが、歯の中にいる菌を抗生剤では完全死滅できないのでしょうか？
また、ビタペックスの効果とそれがだめな場合に切開手術しか方法はないでしょうか？
それから、完全に菌を殺してしまわなければ、体調をくずしたりするとのう胞ができて再度義歯を取り外し、治療を受けるという繰り返しになるのではないかと不安です。先生に診ていただくのが一番なのですが、取り急ぎ先生のお考えを伺いたくメールさせていただきました。よろしくお願いいたします。

　歯根端切除は単に５mm短くなって歯が弱くなるという次元の問題ではありません。95％以上の確率で抜歯に至る通り道です。のう胞を治癒に導く手立ては、抗生物質や根管貼薬ではなく根管内の完璧な機械的清掃と綿密な根管充填だけです。ビタペックスも無用な処置ではありますが、今の治療により回復すればメデタシです。そうでない場合、絶対選択すべきでないのが歯根端切除です。
　根管治療に定評の或る他の医院を探すか、それとも岡山だったら姫路までご足労頂いた方が解決の近道だと思います。

返信:2004年6月30日 8:16
　こんなにも早くお返事いただけ嬉しいと共に、恐縮しております。一昨日ビタペックスの追加注入があり、次回は来週の月曜日（７／５）に行く事になっております。様子を見て、先生にまたご連絡させていただければと思います。直接診ていただく方向でも考えております（大学一年生で授業がまだびっしり（土曜日も）で、どう対応するか思案中です。）その際には、よろしくお願いいたします。

回答:
　(・_・)/ ハーイ

返信:2004年7月7日 22:15
　先月２９日に「ビタペックスを注入し、上手くいかなければ歯根切除」と言われ不安になって先生にご相談させていただいたものです。その際には的確はご返事をいただき「イザとなれば先生にお願いできる」と安心しました。
　で、その後ですが、予約した７月５日を待たずして鼻の下を押さえると痛みがあり、歯茎も少し腫れた感じで先週土曜日（３日）に歯医者に行きました。腫れたところを針のような器具でついて血を出しました。が、膿みのようなものは出ず普通の血でしたので、先生は「ビタペックスとの反応で少し腫れているのであって、こうして膿みも出ないところをみると上手くいっているように思うよ」という診断でした。河田先生が今の治療で回復すればメデタシ！と言われている方向に向いたかと少し希望を持ちました。が、今日は、仮歯がはずれそうだったので再び予約日（今週土曜）を待たずして行ったところ「ビタペックスが上手くいく確率は半々」と言われショックでした。

　それで、先生にまたお聞きしたいのですが、根管内の清掃が完全にできたかどうか、又根管充填の確認は、どのような方法で判断できるのでしょうか？
今回の問題は、根管治療の不完全から問題が発生していると理解してよろしいでしょうか？
先生の機械的清掃というのは、レーザーが何かですか？
先生に診ていただくには２週間待たねばなりませんか？
それから、通院するとすれば何日位と考えればよろしいでしょうか（診ていただいていないのに質問するのも失礼ですが）？
患者としては、完全な治癒を求めますので、根管治療で治るものなら、これに賭けたいと思います。よろしくお願いいたします。

回答:
　「ビタペックスが上手くいく確率は半々」は完全な逃げ。私自身は確率ゼロだと思っております。要はビタペックス云々の効果に関係なく、完璧な根管内の機械的清掃ができているかどうかです。機械的清掃とは薬剤やレーザーでなく、リーマやファイルと呼ばれる針のような根管拡大・清掃の器具による腐敗物の除去です。今回の問題は、根管治療の不完全から問題が発生していると理解してよろしいでしょう。
　もし予約されるのでしたら早や目にお電話ください（℡：0792-88-4682）。そちらの都合とこちらの予約状況を合わせれば、ついつい2週間くらい先になることが多いのは事実です。都合さえ合えば、翌日だって可能な時もありますよ。ちなみに、根管治療に要する日数は原則１日、ビタペックスみたいな余分なものが入っているので、経過次第ではそれをそれを除去しなくてはいけないかもしれないので更に２日ほど必要になることも予想されます。

初診時パノラマ

歯根のう胞

診断:
　原因が｜1だけなのか、｜12２本なのかちょっと不明です。いずれにしても 2本とも治療はしておくべきでしょう。炎症が治まって症状は軽減しているように見受けられますが、これは嚢胞内に注入されたビタペックスよりも根管内が綺麗に清掃されて、曲りなりにもビタペックスで仮封されているためだと思われます。再度根管内のビタペックスを除去して、永久的な根管充填を行えば嚢胞の治癒も十分見込まれます。
　それにしても大量のビタペックスが嚢胞内に注入されたものですね。ビタペックスの主成分はヨードですので、それなりの殺菌作用は期待できます。幸いにもヨードアレルギーがなかったために症状は安定していますが、これだけ大量のヨードを嚢胞内に残すと正常な骨再生を阻害するのではないかという懸念が残ります。とにかく一度根管充填を行って、経過をみた上で嚢胞内に注入された大量のビタペックスをどうするかを判断するべきでしょう。

返信:2004年7月20日 21:53
　先月末よりビタペックス・歯根端切除の件で質問させていただき、先日（先週金曜日）には、診察いただいた者です。その節には、患者さんも沢山おられた中を時間と取っていただきありがとうございました。先生の治療に対する他病院との根本的違いがわかりました。驚いた事は、これまで他医院での歯石除去は痛かったり、血が出たりしましたが、それが無く、又とても丁寧にしていただけ虫歯が沢山見つかったのはショックでしたが、早期発見していただき助かりました。自分で自分の歯を守るには、歯医者さんと二人三脚だと感じました。ただ、距離的問題と、来週・再来週と大学ではじめての試験が待ちうけており迷っているというのが本音です。先生もお疲れの処、大変恐縮ですが質問させて下さい。

現在ビタペックスが異物でありながら、今のところ最初の腫れも落ちついて痛みもなく、この状態で様子をみて、何日・何ヶ月・何年先になるかわかりませんが、悪くなった時に先生に治療してもらうという虫のいい話ですが、それは可能でしょうか？
こんなに沢山の虫歯がある事をこれまで指摘されませんでした。今通院している歯医者さんで治療してもらえればいいですが、先生のところで治療していただくとすれば11本を短日（出来れば1日で）治療していただけるでしょうか？

回答:
　“何ヶ月”はいいけど何年も放っておくと、他の歯も含めてダメになってしまいますよ。試験はともかく、治療するのであれば夏休み中に済ませておくべきです。全部治療するとなると５～６回は必要だと思います。