共存すべき雑菌を上手にコントロール。

自分の使ったスプーン

日付、時間:2004年6月29日 21:07  氏名:  ryosuke   
所在都道府県:  兵庫  職 業:  会社員  年 齢: 37歳      性別:  male  

自分の使ったスプーン 質問:
 河田先生、初めまして。
僕には生後7ヶ月の子供がいます。虫歯菌と歯周病菌がうつると聞いて妻と僕は虫歯にな ったことがあるので、かわいい娘にはキスをしたり同じスプーン等を娘には使わないよう にしています。
この間、僕の実家に帰ったときのことですが、僕の父親は虫歯になったことはありません ので、虫歯菌は持っていないと思いますが、近年、歯槽膿漏になりました。その父親が、 自分の使ったスプーンで娘にスイカの汁をあげてしまいました。これで、歯周病菌がうつ ってしまうのではないかと妻が大変心配しています。
やはり、赤ちゃんは抵抗力があまりないからうつりやすいのでしょうか?
宜しくお願いいたします。

回答
 赤ちゃんは子宮の中にいるときは無菌状態だということになっています。これが厳密に 真実であるかどうかは別にして、私もそのように理解しております。ところが、産道を通る 時、そして生れ落ちて産声を上げた瞬間に下界のあらゆる微生物と接触することになります。 それら下界の微生物と共存できない子供はおそらくまっとうな生涯を送ることができない でしょう。

 虫歯菌や歯周病菌と称される特定の菌がいるかどうかについては私自身大きな疑問を持っ ております。それらの原因菌とされるものはおそらく不特定多数の雑菌に過ぎないと私は 思っております。その不特定多数の雑菌を子供の口腔内に入れないということは現実問題 絶対不可能なことだと確信しております。キスをしたり同じスプーン等を娘には使わない ようにしても防ぎきることはできないはずです。むし歯になったことがないというお父さん は立派ですが、それでも虫歯菌と称される雑菌は必ず保有されています。勿論、歯周病菌 と称される雑菌も保有されているはずです。その意味では当然娘さんに移ったということに なると思いますが、間違いなくそれ以前に何らかの機会にとっくに移っていると思いますよ。

 そのような無意味な行為に神経質になるよりも、共存すべき雑菌を上手にコントロール してむし歯や歯槽膿漏にならないようなケアを心がけた方がはるかに有益ではないでしょう か。子供のころから歯医者に行って歯石や汚れを取る一方で、初期のむし歯を発見した場合 に速やかに治療する。これが80歳を健康な歯で生き抜くための最善の方法であることを助言 させていただきます。詳しくは、4000ページにおよぶこのホームページの随所に説明させて いただいております。

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返信:2004年6月30日 10:06
 さっそくの答えありがとうございます。遅く生まれた子供でもあり、妻も僕も神経質にな りすぎていたと思います。これからは、河田先生のホームページを参考に、予防処置をして いきたいと思います。
こんなに早く回答がくるとは思いませんでした。忙しい中本当にありがとうございました。