日付、時間:2004年6月30日 0:57
氏名: ひゆ
所在都道府県: アジア
職 業: 会社員
年 齢: 33歳
性別: female
質問:
香港に住むものです。以前(96年頃)日本で作った右上3番の抜髄済みの犬歯の差し歯が
今年3月に取れてしまいました。こちらの歯医者さんに行くと「中のポストが途中で折れてい
るし、虫歯と後歯根の先に炎症があるので、抜くか一時的につけるかのどちらかしかない」
と言われたのでとりあえずつけてもらったのですがその後1ヶ月後には取れてしまうし、で
も抜きたくないから、違う歯医者さんで見てもらいました。
そこの先生に「使えるかどうか保障できないが、代わりにEndodonticsの先生を紹介するか
ら」と言われたので、専門医の方がいいかと思いそちらに見てもらいました。そこの先生は
「中のポストを取るのに4万5千円ぐらい、炎症の治療が6万円、差し歯が9万円ぐらい」だと
治療前に伺いました(こちらは基本的に治療前に費用等の説明があります)。とりあえず虫
歯もあるのでとても臭うしとポストだけ取ってもらって、今までの差し歯をつけてもらった
のですが、仮付けだったのでそれも3日後には取れてしまいました。明8月には日本に一週間
帰るつもりでいましたので、時期を早めて7月半ばに歯根の治療を受けに帰ろうと思っていま
す。
そこで先生に質問なのですが、
日本で歯根治療(炎症の)はいくらぐらいかかりますか?
1.2回の治療で炎症は治まりますか?
香港のこの金額は妥当なのでしょうか?
教えてください。よろしくお願いします。
トータルで約20万円。アメリカ・カナダ・オーストラリア……など歯科保険の効かない
先進国ではだいたいそんな金額になっているみたいですね。日本だと金属ポストの除去が
500円、根管治療が約5000円、さし歯が5000円程度(3割負担だとその1/3)同じ歯医者とし
てはかなり惨めな金額です。まっとうな治療を敬遠したがる日本の歯医者の気持ちも分から
ないでもありません。根管治療が1200円程度のもっと極端なドイツでは、絶対に金属ポスト
をはずしての治療をしないという事情も変に納得してしまう今日この頃です。香港での治療
費が高すぎるかどうかはこんなところで判断してみてください。
さてさて日本の根管治療ですが、3割負担で1500円程度。初診料その他を含めても1万円
以内でできることにはなっています。また、腕のたつ歯科医であれば1.2回の治療で炎症は
治まることになるので絶対日本がお得と言いたいところですが、このホームページの随所に
投稿されているようにそんな歯科医を探し当てることは並大抵のことではなさそうです。
腕が立つとの評判があっても保険外診療の歯科医であれば、根管治療だけでも5万円以上
は請求されるでしょう。私の医院に来てもらっても新幹線代が…ということになります。
香港のEndodonticsの先生がどの程度のものかを存じませんが、専門医ということです
のでアメリカ同様相応の腕があるのではないかと推測いたします。個人的な腕前は分かり
ませんが、平均的な腕前は日本より香港の方が上なような気がします。
感想:
すぐに御回答いただけるとは思っていませんでした。お忙しいところ本当にありがとう
ございました。
回答:
大阪からだったら交通費も苦になりませんね。実際の治療は20日から4日間ということに
なりますね。今の所20日は空いていますので、お早や目に予約を入れておいて下さい。
пF0792-88-4682
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他の歯に転じて診査をしてみると、今回の犬歯と同様に二次カリエスが著しく進んで
いる左上4番と6番が早急な処置を必要としています。大半が抜髄済みという口腔環境
にあって、根尖病巣の数が少ないことは幸いです。右下7番、左下6番のようにレント
ゲン的根尖病巣が確認される歯については、症状のない今治療を行なう必要はありませ
ん。将来的に何か治療を要するような機会が生じた時に根管治療を行なう心積りだけも
っておかれたら良いでしょう。
一方歯槽膿漏の進行程度は、ほぼ年相応です。一度徹底した歯石除去をおこなって、
以後メンテナンスに励むよう心がけてください。