日付、時間:2004年6月30日 19:00
氏名: はれるこ
所在都道府県: 大阪
職 業: 会社員
年 齢: 24歳
性別: female
質問:
6月2日の根管治療を熟読して、自分の歯にも疑問が出てきた
ので質問させていただきます。
私は5年ほど前に前歯2本に神経を抜くほどの虫歯をして、義歯(オールセラミック)を
かぶせました。その時の治療のおかげか、歯根にも炎症を起こさず快適に過ごしています。
当時通っていた医院の先生が亡くなり、医院を変えて定期健診に行ったところ、前歯のレ
ントゲンを見た先生は「左側の歯は、何を芯にしているかわからないけど、根の治療をし
直さないといけないよ」こうおっしゃいました。
確かにレントゲンを見ると、右は、根の付け根まで白い芯が通っているのに対して、左
側は、右よりも芯の長さが短くなっています。質問なのですが、根管治療というものは根
の清掃、薬を充填させて、密封するのが良いとされていますが、芯の性質や、長さも根管
治療の成功、失敗に関係してくるのですか。素人考えで5年膿みが出ないのだから大成功、
などと考えております。また、ファイバーコアに芯を置き換えるというという選択肢もあ
るそうですが、根自体の5年前の治療が上手くいっているのなら、炎症を起こしていない
歯を、急いでまた開けることもないのかなあという気もします。それは根の治療をおまか
せしきれるほど信頼できる歯医者さんにまだ出会ってないということで、心配が先に立つ
からですが。
左の義歯にはひびが入ってしまっているので、早めに変えるのもいいかとは思います。
ファイバーコアへの移行や、義歯を変えるという目的で通院しても、やはり再度根の治療
は必須ですか。治療というものの範囲がわかりません。症状が出てからでは遅いとは思う
のですが、なかなか踏み切れずにいます。
感想:
ていねいな解答を読むだけで、とても心がすっきりします。私は一人で悩んでしまうので、
先生のように意見を公開していただくのは嬉しいです。
レントゲン的に綿密な根管充填が為されており、なお根尖病巣像が認められないことが
理想ではありますが、そうでない場合も結果オーライ的に病巣ができていないこともあり
ます。また、例え小さな病巣があったとしても臨床症状がない場合には治療を見送る方が
ベストなことが多いと思います。基本的に根尖病巣は大きさに関係なく、的確な治療がで
きた場合に治癒します。その的確な治療ができるかどうかは、今すぐであっても数年後で
あってもほとんど変りません。
不適当な根管治療である限り、何時かどこかで治療の必然性を迫られることになると
思いますが、何も必然性のない今治療するのはどうかと思います。手をつけたが最後、
寝た子を覚ますような結果を招くリスクの方が心配です。上部構造の作り替え→不適切な
コア→それなら根管治療もついでに治療しておこうという経緯のようですので、余程根管
治療に勝算がある場合もありますので一概に決め付けるわけにはいかないけれど考え直す
余地は十分ありそうですね。
回答:
昔はメタルコアの方がより丁寧な治療と評価されていましたが、最近はちょっと様相が
変ったみたいですね。今でも残存歯質の量や形態によっては選択の余地がない場合もあ
りますが、できることであればレジンコアの方が良いケースを多く見かけます。そこで
ファイバーコアはとなると、使った事がないので分かりません。保険適応になっていない
ので高額な治療費になると思いますので、そこまで自信のもてる根管治療って何処に存在
するの?って言うのが私の気持ちです。歯の長持ちは、適切な根管治療であったり、熱心
なケアだと思います。