日付、時間:2004年7月13日 19:06
氏名: MSI
所在都道府県: 東京
職 業: 会社員
年 齢: 34歳
性別: female
質問:
宜しくお願い致します。現在、感染根管治療中の上顎第一大臼歯と、抜髄した下顎第二小
臼歯についてご相談なのですが、おおまかに経緯です。
第一大臼歯は、約2年前に感染根管治療をし、その後、多少の噛むと痛み、違和感がありま
したが、かみ合わせ調整などで1年を経過しました。が、また歯茎が頻繁に腫れ始めたので
受診し、レントゲンを撮ったときには骨が大きく溶け手遅れ(根管治療不可で抜歯)と言わ
れました。
その後、転医をへて、現在の歯科病院で、とても熱心に保存のため治療してくださいました。
根の状態は、股の部分に穿孔がありました(こちらは、根充の時セメント?で埋めたようです)。
感染根管治療を初めて約5ヶ月経ちましたが、時々ですけど、頬骨の下の付近が、じりじりと
痛みます。根充しましたが、痛みがあるので、毎回、洗浄したり薬を詰めているようです。
もしかしたら、今は根充を取ってあるかも知れません。最近、体調を崩したせいか、歯茎が腫
れてくるような痛み(少し腫れたようです)と、頬骨下付近のじりじりした痛みが毎日続きま
した。
また、下顎第二小臼歯は、同じ病院にて、虫歯再発で、2月に抜髄しました。こちらも、い
まだに痛みが取れていないのです。一度、根充しましたが、その後、再治療しました。抜髄・
再治療の際も、針のようなもので、くるくる回したりするたびにズキンという痛みがいつも伴
っています。顎のラインの重たい痛みが、強くなったり軽くなったり消えかかったりしながら
ですが、日々続き、歯の痛みもたまに出たりして現在に至ります。また、最近体調を崩した時
は、症状がひどくなりました。今は、第一大臼歯と同じく、薬を詰めたりして、また歯茎に注
射器のようなもので、何か注入したりして様子を見ているようです。
このまま治療を続けて、どうなるのかと、半年が経過しようとし、少しでも解決したいと思
っています。他の方と同じ様な質問ですみません。宜しくお願い致します。
感想:
いつも興味深く読んでおります。歯に感心を持てるようになったのも、このホームペ
ージのお陰です。
とにかく今のまま治療を続けていても期待はできないでしょう。6番の経過不良はともかく
として、抜髄した5番が長引くようだととてもじゃないけど的確な治療とは思えません。
特に5番に関しては一度麻酔をして上で、リーマやファイルによる根管内の完璧な機械的清掃
を行なえば速やかに回復するはずです。6番も適切な閉鎖ができれば一定水準の回復は見込める
ように思います。
的確な根管治療は、1回か2回で結果がでます。それ以上長引く治療は手技に何らかの問題
があると思って転医を決断すべきです。噂だけで根管治療の腕を見極めることは難しいことで
すが、1/10以上の確率で的確な治療をしてくれる歯科医が絶対いるはずですので、是非探して
見て下さい。
回答:
“治るモノは治る”程度の違いに関係なく、炎症を起こすべき原因が特定され、それが排除で
きれば治ります。無論1か月放置している間に生じるかもしれない炎症はやむを得ないことだし、
その間に進んだ破壊の回復に多少の時間が余分に必要だとは思いますが、根本的治癒を左右する
までには至らないものと思います。
一方左上6番には複数の起炎要素が存在しました。不完全な根管充填とそれを完全
に取り除かないまま貼薬が行なわれていた遠心頬側根と口蓋根。そして問題山積みの
近心頬側根。この近心頬側根には、上下2箇所の穿孔があってそれぞれが炎症を起こ
すべき原因だったと思います。また穿孔した部分より根尖部寄りの根管治療について
は治療の可否を確認することができない状態でした。
1つの根管に疑わしき起炎要素が3箇所も存在するためにヘミセクションを選択す
べき症例ではありますが、ご希望によりできるだけの保存的治療を試みました。問題
の少ない2根管については通常の根管治療。疑わしき起炎要素3箇所のうち上部穿孔
については、歯肉切除と穿孔部の開放を行ないました。一時的な歯肉の痛みはともか
く、これについては将来問題を起こすことはないでしょう。次に下部の穿孔もどうに
か閉鎖ができたものと思いますが結果は経過次第ということになります。また、この
穿孔があったためにそこより根尖部寄りの根管治療は全く治療できない状態でしたの
で、ここに起炎要素が存在した場合にはお手上げ状態です。完全治癒は望めないにし
ても、どうにか使える状態に回復すれば良しとして下さい。始めから逃げ腰の発言で
すが、1か月程度経過をみてどうしても思わしくないようでしたら近心頬側根につい
てはヘミセクションを決断するようお勧めいたします。
報告:2004年8月20日 0:40
昨日と本日、お世話になりました、東京のMSIです。お忙しい中、長い時間を割い
ていただき、どうもありがとうございました。無理を言いまして、虫歯の治療までして
いただき、すみませんでした。歯の事で毎日悩む日々から開放され、気持ちも落ち着き
ました。本当に感謝しております。本当にどうもありがとうございました。
報告:2004年8月24日 18:56
先週お世話になりました東京のMSIです(タイトル:感染根管治療中)。
丁寧に歯石取りしていただき、口臭も気にならなくなりました!口臭の原因も歯石だっ
たのですね、どうもありがとうございました。左上6番は、痛み止めも要らず痛みが増
す感じもなく経過しております、左下5番は、時々痛みがあり、物を噛んだりすると痛
みますが、1日目にいただいた抗生物質と消炎剤は5日分飲みきりました、2日目にい
ただいた分も全部飲みきった方が良いでしょうか?
回答:
抗生物質の服用は止めていただいて結構です。1か月くらい経過をみて、問題がないよ
うならそちらの方で最終的な補綴処置を行って下さい。
回答:
左下5番と6番の間には思い当たるものはありません。むし歯はそう簡単にできるもの
ではありませんので汚れのせいだと思います。特に5番と6番の間はコンタクトがゆるく
なっているので、どうしても汚れが貯留し易い条件が整っているのだと思います。汚れが
直接臭うのではなく、汚れが貯留していることにより歯肉が炎症を起こして膿みを排出し
ているのだと思います。汚れの貯留を食い止める何らかの対処が必要そうに思いますが、
その辺の記憶がないので分かりません。小山先生に相談してみて下さい。