日付、時間:2004年7月20日 23:09
氏名: みき
所在都道府県: 東京
職 業: 主婦
年 齢: 31歳
性別: female
質問:
6歳のときに左の1番ををぶつけて15歳のときに大きな膿胞になり大病院で取り出す手術
をしました。そして2年半前に新しい差し歯に変えたのですが3日前から1番の上に1センチ
ほどの歯茎の腫れを見つけ歯医者に行ったところ1番と2番の間にパチンコ玉大ののう胞が
できてるとのことでした。その場で切開して排膿し薬をいただいたのですがこの先どうし
たらいいのか悩んでます。
今日、見ていただいた先生は最悪の場合、根端切除と言われたのですがこのホームペー
ジを見た今、悩んでます。また1番はしっかり差し歯が入っておりはずすのは難しい、2番
はきれいだから触りたくないとのことでした。ですが15歳のときの手術がつらかったのと
それでもまた再発するのなら手術はなるべくならやりたくありません。もし可能性がある
のなら先生のところに8月にでも行ってみていただきたいです。1番は根が切除されてるの
でかなり難しいのでしょうか?
わかりにくい文章ですがよろしくお願いします。
“1番はしっかり差し歯が入っておりはずすのは難しい、2番はきれいだから触りたくない”
のは私も同じ思いです。だけど、根本的な治癒のためには的確な根管治療しかないと
いう確信を持っている者にとっては、除去する手間やリスクはやむを得ないことに写ります。
そこまでしても成功率90%…再治療すれば更に数%アップ。一方歯根端切除は成功率数%。
これは比較の対照にならない数字です。一度歯根端切除を行なった歯の治療は確かに難しい
ことは事実です。だけどそれに代わる方法がなければ、難しくても挑戦するしかないでしょう。
宜しければ、日程を受付と相談してみて下さい。пF0792-88-4682.
回答:
1回で済む可能性は高いと思うけど、あまりプレッシャーをかけないで下さい。詳しい状況
が分からない上に、経過によっては考え直さないといけない場合もあります。例えば、普通
(近所)の患者さんだったら、コイツが原因と思われる1本だけを治療して、経過を見まし
ょうということになって、必要とあらば2本目も治療するとか、根尖
部掻爬術を行なうかどうかを判断します。それを何が何でも一日ということにこだわる
ならば、想定される懸念を全て一日で対処してしまおうということになります。そんなに先
が見通せるものなら、普段の診療で「様子を見ましょう」という言葉は一切不要になってし
まいます。確実に言えることは、過去にこの手の治療でお見えになった遠来の患者さんの9割
くらいが1日で治療を終了したという事実だけです。
エーと、治療の時期ですが、それこそ様子をみて経過が良いようならそのまま治療を先延ば
しにして、再発するようだと治療ということで結構です。但し、あんまりパンパンに腫れ上が
った状態での治療は支障をきたしますので、あらかじめ抗生物質等で消炎を計って症状の安定
した時期が適切かと思われます。
回答:
痛みのある歯を抜いてスッキリしたという状況という状況を想像できると思います。
これは炎症を起こすべき原因を秘めた歯を全て除去したために、炎症が急激に回復に
向かうためです。勿論、抜歯という外傷による痛みは多少あるけれども差ほど痛みを
感じないということです。つまり炎症を起こすべき原因が完璧になくなれば痛みは
感じないということです。
過去に行なった根管治療や歯根端切除や切開。これにより仮に原因が完璧になくな
っていたならばおそらく痛みを感じることは無かったでしょう。反対に過去の記憶と
して痛みを想像されているようですが、それらは早い話的確な治療ではなかったとい
うことです。
それでは河田歯科医院の根管治療は?と言うと、納得のいく治療ができたとき、す
なわち原因が完全に排除されたときには最小限の痛みで済みます。根管治療は抜歯と
違って、原因の除去がどうしても完璧ではないので多少の許容は必要です。原因の
除去が不完全な場合はその不完全さに比例して痛みも増幅していきます。成功率90%
ということは、失敗する10%についてはその不完全さに比例して痛みが残ることに
なります。さて、あなたの治療結果がどのような経過をたどるかは、治療してみないと
分からない…治療したあとも経過をみないと分からない。でも今までの治療に比べれば
間違いなく完成度が高いので、それに比べれば痛みは少ないでしょう。
通常は、根管治療が不備であるにも関わらず歯根端切除を行なって症状を悪化させてしま
います。今回のケースは、比較的完成度の高い根管治療を行なってそのままにしておけば治癒
した可能性があったにもかかわらず、無意味なのう胞摘出と歯根カットを行なったために根尖
部の閉鎖が破壊されたと考えられます。その結果不完全な根管充填となり炎症の火種を作って
しまったようです。炎症は縮小するが完治に至らないという程度の比較的完成度の高い根管
充填であったと考えられます。従って、このまま放置したとしても、病巣の成長は緩慢で激
しい炎症を起こし難いと考えられますので、今後10年・15年と小さな炎症を繰り返しながら
も一時しのぎの抗生物質投与などでごまかしながら機能し続ける可能性も高いと思います。
一方、ここであえて治療したならば、過度に根管拡大されて薄くなった歯根破折リスクが
最初のネックになってしまいます。また新たな根管充填を行うにしても余りにも太く拡大さ
れた根管を完全に封鎖するためのガッタパーチャーポイントがないために不完全な閉鎖に
なってしまう可能性が高すぎます。
結局、過度な拡大やカットをまぬがれた治療し易い、しかも病巣が大きく炎症の主原因と
考えられる|2のみの治療に留めることにしました。この治療後の経過を踏まえて、
将来|1をどう対処するかを宿題として残す形です。
報告:2004年8月17日 13:13
河田先生、こんにちは。11日は大変お世話になりありがとうございました。あれからほん
の少しはれと赤みがありますが痛みも違和感もないです。途中で治療を断念しかけましたが
先生のおかげで無事終えられてほっとした気分でお盆をすごせました。しばらく様子を見な
がら過ごしていこうと思います。またなにかありましたらよろしくお願いします。