「きちんと処置」

日付、時間：2004年8月10日 0:18　 氏名： 　 ori　　　
所在都道府県： 　東京　 職　業： 　会社員　 年　齢： 32歳　　　 　 性別： 　 female　　

質問：
　ネットで「根の治療」を検索していたところ、こちらのホームページにたどり着きまし た。お恥ずかしいことですが、歯の治療に疎い私には大変参考になるコメントが多く感謝 しております。早速ですが、急ぎで相談に乗っていただきたいことがあり投稿させていた だきます。

　6月中旬からクリニックに通っています。もともと歯がしみることが多かったのですが、 それが少しひどくなったような気がして、神経が見えたところに塗り薬をしていただこう という安易な気持ちで訪れました（以前に別の歯科医で同じような処置をしていただいた 記憶がありました）。が、レントゲンを取っていただいたところ、そのしみている歯は、 右上奥歯で、虫歯がかなり進行していることがわかりました。そのためすぐに治療した方 がよいと言われ、根の治療をすることになりました（長年していた被せ物の下から虫歯に なっていたようです）。その他、右下、左上の奥歯についても、自覚症状はまだありませ んでしたが、レントゲンでは右上と同じ状態とのこと。根の治療はやむえませんとのこと で、結局今回までの12回の治療で3本の神経を取ってしまいました（親知らずは7〜8年前 にすべて抜歯済みです）。

　また、唯一残っている左下奥歯ですが、これは二年ほど前に別の歯科医で神経を取った 経緯があります。ただ、今回、レントゲンに写ったその歯は、素人の私が見ても、あまり よい状態でないことがわかり、この歯については、今回再治療（？）として、中を掃除し 薬を詰めなおす治療をされました。上記4本の歯は終了後にすべてレントゲンを取り、中に きちんと薬が入っていることを見せていただきました。現在は仮詰め(?)の状態のようです。 　そして、先週木曜日、クリニックを訪れた際、今後の治療について担当の医師（クリニ ックの医院長）が説明してくださいました。この4本の歯はどれも同じ状態で、削ってしま った歯が、歯茎の下まで下がってしまっています、つまり自分の歯の先端が歯茎の中に埋 もれています、と。そのため、前回と同じような治療をした場合、歯の強度が弱くなって いるため、歯が割れる可能性があるとのこと（あくまで可能性です）。また、割れた場合 は、抜かざるを得なくなるということ（これは確実だそうです）。それを考えると、今回 はきちんと処置をした方がいいのではないかと思うと。そして、先生のおっしゃる「きち んと処置」とは自費治療を差していました。

今後の治療としては・・・
�@歯茎を下げる（歯を少しでも上に出す）
�Aグラスファイバーを入れる
�B樹脂で固める
�C蓋を被せる、の順番だそうです。
蓋の種類によって値段が変わるそうです。純セラミックの場合で1本20万円弱、セラミック と樹脂の合成で1本16万円弱。これには、�@〜�Cの費用全部を含みます（ただし、薬代と診 療費は別にかかります）。歯は5年保証であるため、損傷があった場合はなおすことができ ます。残念ながら一生は持ちませんが、手入れを続ければ15年くらいは大丈夫なはずです。 蓋に関してはセラミックを使わない方法もあるけれど、この治療方法を選択するのであれば （せっかくするのであれば）、セラミックを使うことをオススメします。純セラミックであ る必要はないと（つまり16万円の方でもよいと）。また、この治療はオプションなので、 保険の範囲内の治療ももちろん可能です。その場合は、その範囲内でできる限りのことをす ることになります。

以上が、わからないなりに、担当の先生にしつこく質問して得た情報となります。ここ数年 通っていなかった歯科医で、生まれて初めて自費治療をすすめられ、しかもそれがかなりの 高額であることがわかり、今とても動揺しています。また、こちらのホームページを拝見し、 根の治療の重さを実感して、本当に3本もの神経を抜いてしまってよかったのだろうか・・・ と今さらながら不安になったりしています。一度別の歯医者さんに状況を見ていただいて、 どうするのがよいかお聞きしてみた方がいいのかな、と思ったり・・・堂々めぐりです。 　先生でしたら、今後どのような治療をされますか。やはり上述のような治療が必要になり ますでしょうか。また、私の場合は対象となる歯が4本ありますが、下2本だけを自費治療、 上2本は保険内で、ということも一つの案として考えてもいいものでしょうか（負担額を減 らすため。また、4本中2本は頑張れば15年持つのだという自己満足のため？）。 大変長い投稿で恐縮ですがアドバイスいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。

　河田歯科医院には上記のオプションは全くありません。最善を尽くせば保険内も保険外も 何らの差がないというのが私の信念です。表面が銀色になるか、金またはセラミックの違い だけです。
　本当の差が出るのは、根管治療とあとあとのメンテナンス。根管治療を熱心にしたとすれ ば全く不採算ですので、上部構造を保険外で埋め合わせというのが本音です。世の中には、 根管治療を手抜きして無責任な保険外治療というパターンもありますので要注意。

　お金の賭けどころは、毎月のケアです。これにより歯の寿命が驚くほど左右されます。保 険外治療で唯一トータル的な寿命を左右するのはインプラントです。それ以外のものについ ては、本来ほとんど差がないものと認識しております。

　推測するに、抜髄はやむを得ない状況だったと思います。それこそ「きちんとケア」して いれば避けることのできた処置です。32歳で12本の無髄歯は多すぎます。今後ケアを改めな い限り同じ過ちを間違いなく繰り返して取り返しのつかない事態を招くことが容易に想定さ れます。条件の悪くなった歯に無駄なお金を賭けるより、未だ健全な歯を永遠に機能させる ために手間と努力を払ってください。「きちんとケア」とは、毎月の歯石除去を刺します。

　さて、再度の質問で大変申し訳ありませんが、やはり不安が拭い去れませんのでもう一度 お尋ねさせてください。実際の歯をご覧になっていないので、ご判断が難しいかと思います が・・・。今回の3本の抜髄がきちんと行なわれているのかどうかは、どのように判断したら よいのでしょうか。今のところ痛みはありません。終了後のレントゲンでも、素人目にはき ちんと薬が先まで入っているような気がしました。
　先生のお話では、保険内も保険外も大差はないとのことでしたので、今の気持ちとしては 保険内で治療をしてもらおうと考えているのですが、その際、もし抜髄がきちんとされてい ないまま蓋をしてしまったら、今後どのような支障が出てくるでしょうか。今、この状態で 蓋をしてしまって問題ないものでしょうか。

　また、これは各クリニックの方針（？）であり、仕方のないことなのかもしれませんが、 今通っているクリニックで保険外を勧められたことにより、このままここで治療を続けて いいのだろうか、という不安があります。私は現在5本抜髄された歯がありますが、そのう ち4本の保険外治療を勧められました（リーズナブルな方を選択しても、60万を越えます）。 そのような方針のところに通い続けることへの不安、そして、ここで保険内治療を希望した 場合に先生が気分を害され治療をおろそかにされる可能性はないだろうか・・・とか・・・ （このようなことを申し上げて大変申し訳ありません）。
　ただ、河田先生のホームページに投稿されている多くの方がおっしゃっているように、 適切な歯医者さんを見つけることは本当に難しいことですよね。探し出せる自信はないの ですが・・・先生のご判断によっては、一生おつきあいできる歯医者さんにめぐり合える ようまずは頑張りたいと思っています。アドバイスよろしくお願いいたします。

回答:
　何よりも痛みがないとのことですので、抜髄は一応上手くいっているように思います。 また、保険外を勧める程に自信もあるのかなという憶測も成立するようにも思います。 保険外で５年保証するというほどの腕なら、保険内でも同様の技術で同じくらいのモノ ができるであろうことも推測できます。保険内だからと余程悪意をもって手抜きしない 限り、治療効果に差はでないでしょう。
　ただ、保険内を希望されると気分を害すというかガッカリされるだろうなとは思いま す。保険外を勧めるために技術を磨くという実態が歯医者にはあるからです。あまり如 実に不快感をアラワニされるようだったら、他の歯医者に頼めば良いでしょう。面倒な 根管治療がキチンとされていたら、あとの補綴処置は誰がしても大きな差がでないと 思います。

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