最終的には的確な根管治療が必ず必要だということを認識して下さい。

「根尖病巣」について

日付、時間:2004年8月10日 12:53  氏名:   ひよこ   
所在都道府県:  東京  職 業:  会社員  年 齢: 28歳      性別:   female  

「根尖病巣」について 質問:
 先生、こんにちは。はじめまして。「根尖病巣」についてご質問があります。
左上の第1大臼歯なのですが、数年前に抜髄し、現在、銀色のかぶせ物をしてあります。 その歯が、3日位前にうずくような感じがして、食べ物を噛むと圧迫感があり、痛みま した。以前に違う歯で、同じような症状が起きて、歯科医に診て頂いたところ、歯の根 っこに膿が溜まって炎症を起こしたとの事でした。その際は、膿を取り除く処置をして 頂きました。今回も、同じ症状なので「根尖病巣」だと思うのですが、これは治療をせ ずに治る事があるのでしょうか?

 行きつけの歯科医に行こうと思ったのですが、夏期休暇中で、基本的に休診との事。 急患であれば対応してくれるみたいなのですが、予約外なので、受診に時間がかかる様子。 仕事の都合上、なかなか時間も取れません。気のせいか、前日よりは痛みが引いてきて いるようなので、このまま様子を見ようかと思っているのですが、逆に症状が酷くなる のは怖いし…。
例えば、体調などにより、良くなる事もあるのでしょうか?
膿が溜まったら、処置をしないと治らないものなのでしょうか?
お忙しいとは存じますが、ご回答いただければ幸いです。

回答
 医学の原点は原因の除去です。人が意図的に原因を除去しなくても生体が自らの力で 原因を除去することもありますが、それができない、もしくは困難である場合に人為的に 原因を排除するのが医学です。ですから完全に除去できなくてもある程度除去してやれば、 あとは生体が残りを完全に除去してくれるという側面もあるわけです。
 一方炎症を起こすべき原因が存在し続けても、それに抵抗する力というものも生体は持 ち合わせております。体調が良い、すなわち抵抗力が強いと炎症を押さえ込んでしまいま すが、体調が悪いと抑えきれなくなってしまいます。この二つの側面を明確に区別できる のが、(本来)医者であり区別できないのが素人という図式だと一応(例外が多すぎる! !)考えて下さい。

 そこでお答えいたします。
体調が良くなれば炎症を抑えてくれます。切開や抗生物質内服などの手助けがあれば、より 速やかに炎症を抑制してくれるでしょう。でもこれは原因を除去したわけではないので、 いつか必ず再発してきます。根本的な治癒は的確な原因除去によってのみもたらされます。 抜歯は勿論最も的確な原因除去になります。当然歯は残したい所ですので、歯を残して真 の原因だけを取り除いてやれば、抜歯同様に根本的な治癒をもたらすでしょう。根尖病巣 の場合、的確な根管治療がこれに該当します。
 盆休みということですので、とりあえずは切開や投薬という一時抑えで対処したとして も、最終的には的確な根管治療が必ず必要だということを認識して下さい。