診て・聞いて・触ってみないことには糸口がつかめません。

重苦しい不快感

日付、時間:2004年8月10日 16:51  氏名:   K・O   
所在都道府県:  大阪  職 業:  会社員  年 齢: 53歳      性別:   male  

重苦しい不快感 質問:
 今月18日、朝9時に予約させていただきました大阪のK・Oです。無髄歯(左下7番、 第2大臼歯、約30年前に抜髄しています。)の何ともいえない違和感、ずきずきではあ りませんが痛み、重苦しい不快感に、ここ1年半ほど悩まされ続けています。実はこの歯、 左下7番は、ここ1年半くらい前まで左下5番−7番のブリッジ(6番は若いときの不摂 生がたたり約30年前に抜歯、今から思えば当時を本当に後悔しています。)の支台歯と していましたが、1年半ほど前にもう一方の左下5番が破折すると同時にこの7番の根っ こが痛み出し(かみあわせるとずきんずきんと痛かった。)会社の近くの歯科医に根の治 療をしてもらい、その時のするどい痛みは、よほどの固いものを噛まないかぎり今は無く、 食事も普通に出来るのですが、重苦しい違和感、不快感はいまだ消えず現在に至っていま す。左上下7番を噛み合せると右側の噛み合わせとは違いミシッという音がするような感 じがします。ちなみにずっと歯の治療は続けており、破折した左下5番は抜歯してインプ ラント、歯の無かった左下6番にもインプラントを植立しました(またとなりの左下4番 も以前に歯槽膿漏と診断され激痛が続いたので抜歯してインプラントをしており左下顎に は3本のインプラントを入れています。他にも全体に若いときに抜髄した歯が何本かあり ます。右下6番に最近インプラントも入れました。親知らずは4本ともすでに抜歯、右側 上下7番はありません)。現在も左下7番の根の治療、インプラントを植立してもらった 同じ歯科医に通院しており、何度もレントゲンを撮ってもらい,咬合調整もしてもらって いますが、歯科医はこの左下7番の根にはレントゲン上何の異常もなくまた歯が破折して いる様子もなく問題ない、この原因は歯茎にあるとしか考えられないということで、毎日 のようにハンドスケーラーにより清潔にし、時々は超音波スケーラーによるスケーリング を行っていますが一向に症状が改善しそうにありません(歯の周りが腫れているというこ ともありませんが歯科医はかなり使い込んだ歯だと言っていたことはありました。歯自体 はポストが入っており歯質はあまりありませんがレントゲン上この歯のまわりの骨の状態 は年相応であまりひどいものではない、そしてあまり動揺もない、とのことで、歯科医に は抜歯は反対されています)。

 もう今、手の打ちようが無い状態なのですが、あとどんなことが原因と考えられるので しょうか。このホームページで無髄歯の寿命は30年、という内容のご説明がありました が私の歯もちょうどその時期にあたります。神経を抜いた歯の末期にはこのような症状は やむをえないのでしょうか。正確なご回答はには診断をうけてから、ということになると は思いますが、ご意見があればご教示ください。

回答
 まーず痛みがある限り炎症が存在しますし、その炎症を起こすべき原因が存在するはず です。歯槽膿漏もひどくはない、歯根破折・亀裂・穿孔がないとすれば一番考えられるのは 根管治療の不備です。例え不備があったとしても見つけ出すことができるか、見つけたとし て治療できる状態にあるかどうかという問題が立ちはだかってくるでしょうね。

 “手の打ちようが無い状態”を打開するほどの真弾力があるかどうか自信はないけど、 とにかく診て・聞いて・触ってみないことには糸口がつかめません。

初診時パノラマ
重苦しい不快感
|4-7インプラント固定の為に結紮
重苦しい不快感
診断:
 |7の不快感ということですが、 根尖病巣も若干ありました。しかし、原因はどうも手前のインプラントを固定する為に 結紮されたワイヤーとそれを保護するために盛り上げられたレジンだったように思いま す。
 著明な炎症症状こそ認められないもののインプラント自体も周囲骨をかなり失い、決 して良好な状態ではないところに、大量の汚れが貯留したために起こした炎症症状があり ました。特に主訴である|7にはむ し歯も存在して汚れも貯留はより深刻でした。そこに古くから沈着していた歯肉縁下歯石 も加わったための炎症と思われます。

 処置としては、|7クラウン除去 の上、カリエス罹患部分を除去しました。念の為に根管治療も行なっておりますが、 不快感の本質ではなかったように思いました。