日付、時間:2004年8月24日 10:20
氏名: S.T.
所在都道府県: 奈良
職 業: 主婦
年 齢: 30歳
性別: female
質問:
今年2月に出産、3月末に左上2番、右下8番が腫れ受診。結果は2番は親指大の
歯根のう胞、8番は膿が溜まっていました。現在母乳育児の旨を伝え、医師からはの
う胞は根の掃除をし、8番に関しては抗生剤(ジスロマック)を服用し1週間だけ母乳
を中断しました。8番はその後何の症状もない為、母乳育児を終えたら抜歯すること
にしました。
根の掃除をし、薬を入れ4月半ばでふたをしました。7月に歯茎表面に膿の水ぶく
れのようなものが出来、再度根の掃除、ひと月ほど開放し今月初めに2度目のふたを
しました。しかし、のう胞発覚後から常に感じる不快感、食べ物が思いっきり噛めな
いなどで毎日が憂鬱です。ただ母乳を優先したい一心で我慢してきました。でももう
思い切って歯根端切除をしようと決意した矢先に先生のHPを拝見し、手術すれば完
治すると思っていたので迷いが出てきました。
やはり私の場合も根管治療が不完全なんでしょうか?
今の歯科医院で歯根端切除はせず、のう胞だけを取り出す手術をしても意味はないで
すか?
あと抜歯に関しては抵抗はありません。虫歯になってますし、それですっきりのう胞
とおさらば出来るのならそうしたいとも思っています。奈良在住なので何とかして貴
院に行く事も可能です。どの方法がよいのか混乱しています。よろしくお願い致します。
原因が根管治療の不備である以上、根本的な解決は的確な根管治療によってのみもた
らされます。的確な根管治療を前提に、速やかな回復を計るために嚢胞摘出が有効な事
もありますが、歯根端切除は全く余分な処置です。
歯根端切除こそが根本的な解決方法だという誤った認識であっても、根管治療がたま
たま的確であれば一見手術が成功したかのような錯覚に陥ることもあります。しかし、
通常は根管治療が手抜きだったり(重要視していないので)、折角根尖部が的確に閉鎖
されていても根尖部を切除することにより不完全な根管充填となり失敗する例が多いよ
うです。痛みが治まっていないということは根管治療が不完全であるということを意味
します。結論を申せば、姫路まで来た方が確率が高いと思いますよ。
回答:
基本的には根管治療→根管充填を一日で行い、あとは経過と状況をみて追加処置(
嚢胞摘出)を行なう必要があるかどうかを判断します。が、状況がわからない状態で
お約束できるものではありません。また大阪歯科大学で「的確な根管治療」が行なわ
れる可能性がないわけでもないけれど、何日も治療回数か必要であろうことと、あの
忌まわしい歯根端切除も強引に進めれれる可能性が高いものと思われます。
世間一般には大学病院での治療が最高権威であるように思われておりますので、ご
家族がそちらを勧められるのは分かりますし、あえて姫路まで来いとは申しません。
ただし、根尖部の手術の欄に投稿されていることをよくよく
検討してからにして下さい。大阪歯科大学を始め、全国の大学病院で無茶苦茶にされ
て条件の悪くなった症例の後始末はできるだけしたくありません。できれば、無茶苦
茶にされる前に来ていただきたいものです。
回答:
“再発する可能性は大・・”は困った話ですが、現実を語っていますね。それでも
歯根端切除をした方が良いという神経が理解できません。“太い穴”もほどほどなら
何とかなるけど、余りにも太すぎると綿密な封鎖ができなくなってしまいます。要す
るに的確な根管治療ができれば必ず治ります。どこまで的確な根管治療ができるかが
問題であって、的確でなければ再発はあります。但し、90%以上失敗の可能性がある
手術と10%以下の再発が起こり得る根管治療を同等に比較することはできません。
回答:
台風は行ってしまいましたね。交通機関は大丈夫でしょう。治る可能性はあくまでも
90%程度です。
2番にはカルシペックスと思われる糊剤が根尖病巣内にも押し込まれた状態で、排膿が
著しく充填には多少苦労しました。根管治療自体納得のできる治療ができましたが、病巣
内に大量注入された糊剤が今後どのように影響しているかも観察しなくてはならないでし
ょう。術後数日の腫れや痛みはやむを得ないものとして、それ以降どの程度の症状が残る
かが焦点です。いずれにしても約1ヵ月間このまま経過をみて、あとの処置を考えれば良
いと思います。
報告:2004年9月14日 8:28
8月24日に質問した者です。9月8日に貴院で治療をして頂き、ありがとうございま
した。その後なんですが、腫れや痛みは全くありませんが、たまに歯茎を指で押さえると
排膿が少し見られます。透明の液体が多く出ます。入ってる薬でしょうか?
再度診ていただいたほうがよいでしょうか?
回答:
大量のカルシペックスと排膿がありましたので回復には相応の時間を要すると思われます。
余りにも腫れた場合には切開・排膿(というよりはカルシペックスの除去)も考えますが、
そうでなければそのままゆっくり経過をみておかれた方が良いでしょう。