“歯根デブライドメント”の手法が確立されない限り何をしてもほとんど効果なし。
人工歯肉

日付、時間:Tue Sep 7 0:08:10 Japan 1999    氏名: K   
所在都道府県:埼玉   職 業:その他   年 齢:33歳      性別: female  

質問:
歯肉退縮といわれました。原因は不明(電動歯ブラシの使用経験はありません)ですが、 「コツ」が薄いと言われました。
治療方法として、昨年厚生省の認可を受けたアメリカ生まれの?ものを勧められました。退縮部分 の骨に、豚から生成した骨の代わりになるものをまず張り付けて、その上に上顎の内側の歯肉を 剥離して張り付けるのだそうです。 また、この歯肉剥離の方法は、歯肉を削り取るのではなくて、(写真を見た限りでは)カッターのよう なものを刺して、内部の組織を採ってくる方法だそうです。時間は、1時間程度とのことでした。 この治療名は、KとMもイニシャルがついていたと思いますが、覚えていません。 この方法は、専門家から見るとベストな治療方法なのでしょうか。また、通常の費用はどのくらい なのでしょうか。全く、予期していなかったことを言われた(今日)ので、落ち着いて質問をすることが できませんでした。丈夫な歯茎になりたいのはもちろんですが、先端技術故に不安な面も大きい のです。
ちなみに、通っている歯科医院はドクターが大勢います。3年ほど前に治療に行ったときも 歯肉退縮はあったのですが、その時のドクターには歯茎をしっかり磨きなさいと言われました。 今回のドクターは、柔らかい歯ブラシを使って、歯茎はなでる程度にしなさいと言われました。 歯の治療は、風邪などと違って、治療のすべてが将来に大きく関わってくるので、このように ドクターにより指導が違うのはとても不安です。
長くなりましたが、質問は次の2点です。よろしくお願いします。
1 この最先端の治療法の効果と評価について
2 費用の概算について

先 端 技 術
FOp
例;GTR:
歯肉の侵入を防いで骨組織の回復
回答  聞いたことがあるような、無いような…?
造骨性の“BMP”、歯根膜再生の“エムドゲイン”、 骨誘導の“GTR”それと人工骨“HAP” など保険に認められていない先端技術というのが存在しています。 その中の一つ、もしくは類似の技術のようですね。また、退縮した歯肉の回復ということであれば、 豚の皮を使った“人工歯肉”みたいなものもあります。

 私の使用経験は、“エムドゲイン”と“HAP”です。この2つを含めて全ての手法にはそれなりの 効果を期待しますが、現実はそれほどの効果が得られていないように思います。
歯周疾患に対して行う基本的な手術としての“Fop”には疾患進行 抑制効果があります。しかし歯周疾患に罹患した根面の処理:“歯根 デブライドメント”の手法が確立されない限り何をしてもほとんど効果なしと認識しています。

 ただこれは、私の理論と経験に基づく認識であって世間の評価とは異なります。 私自身、“HAP”の臨床ではおそらく日本一の症例数(約1000例)を経験していますが、10数年 を経過した現在「ほとんど効果なし」と思っています。ではあの時の治療が無意味だったかとNO! それまで治療不可能とされていた症例を、「骨が出来る」という期待から手術を行いました。 その結果、“HAP”そのものは有効性の“?”が付きましたが、一連の処置が歯牙延命に大きく 貢献することが分かりました。

 新しい物にチャレンジする人は、何か次の難問にぶつかっても器用にこなす才能があると思います。 今回の治療方法を評価することはできませんが、きっと何か明るい希望を与えてくれると思います。 費用は全く自由設定ですのでいくらであってっも全く不思議のない世界です。歯周疾患の手術は 一般的に、1回もしくは1歯あたり10万円という設定が多いように認識しています。

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