日付、時間:2004年8月24日 11:14
氏名: N.H.
所在都道府県: 千葉
職 業: 会社員
年 齢: 33歳
性別: female
質問:
大学病院で7月15日に右下の親知らずを1泊2日入院して抜歯しました。完全水平埋伏
智歯で手前の歯の根の部分を押すような生え方でした。歯が深い位置、また神経を越え
てあるから抜歯後の麻痺はかなりの確率ででるでしょうとの事だったのですが幸いにも
麻痺はでませんでした。今は週2回近所の歯医者で消毒しています。
ここからがお尋ねしたい事なのですが、2週間位前から親知らずの手前の歯がしみる
ようになったのです。最初は冷たい飲料水にしみていたのが、甘いものにもしみるよう
になりました。甘いものは砂糖(黒糖とかコーンフレークとか)に対してしみています。
その前まではまったくしみたりしていず、いきなりある日を境にしみだしたので不安に
なり消毒の際歯医者に見てもらったら、「虫歯は確認できません。一見きれいに治って
るかに見えるけど手前の歯根と親知らずを抜いた後の肉がまだしっかり盛り上がってい
ず、くっついてないから、その歯肉の中は穴になってる。いってみれば手前の歯根が外
にさらし出し状態。それが冷たい物や甘いものに反応してしみてしまっている」と言わ
れました。現にその穴に食べかすがつまるので消毒してるわけですが、このしみる感覚
は日に日に増していて、今はたまに硬い物をつい噛んだら痛い症状です。その部分にあ
たらないように飲んだり食べたりすれば平気だし、歯磨きも平気で、平常時はまったく
平気なのです。子供の頃から虫歯での痛みとか経験がないのでズキュンとしみる痛みに
対してびっくりしてとても不安でおります。
あんまり痛みが増した場合は神経をとる事もありうると言われて、今回特に痛みがあ
ったからとか虫歯だからとかで親知らず抜歯に至ったわけではないので、こんなことな
ら抜かなければよかったと思ってしまうくらいです。また9月下旬に反対側の同じ症状の
親知らず抜歯も控えております。この症状は時間の経過と共に治るのでしょうか?
それとも親知らずを抜いた事によって目に見えない虫歯ができてしまったのでしょうか?
反対側の親知らずは延期して今の状態を治癒させる方を優先した方がよいですか?
よろしくご回答をお願いします。
親知らずをあまり長く放置しておくと、手前の歯を巻き添えにしてしまうのでなるべく
早や目に抜きましょうというのが基本的な姿勢です。そして、“手前の歯を巻き添えにして”
という一つのパターンが今回の症状だと思います。
“目に見えない虫歯”が急激に進むということではありません。親知らず周辺の炎症と
骨破壊によって、手前の歯の神経を殺してしまうことは稀なことではありません。今回の
抜歯以前にすでに手前の歯の神経が死んでいた可能性すらあります。また、その一歩手前
だった可能性は十分あったものと推測されます。それが抜歯の刺激によりトドメを刺した
という状況ではないでしょうか。
可能性とすれば、手前の神経も回復する可能性もありますので今しばらく経過をみてい
ても良いとは思いますが、知覚過敏症状が何時までも消退しない、もしくはヒドクなって
いくようであれば神経をとる事もありうるということになります。
その際、願わくば抜髄の上手な先生に手がけていただくことです。いずれにしても、
今の状態が解決しない限り反対側の抜歯は延期すべきですが、解決した場合には速やか
に抜歯すべきでしょう。時期が遅れれば遅れる程、同じような経過を辿る可能性が高く
なるからです。ちなみに完全水平埋伏智歯ということで、本当に完全埋伏状態で臨床症
状やレントゲン的異常の全く認められない歯ということであれば抜歯の対象から除外す
ることもあります。
回答:
3か月も経過して治らない抜歯というものはありません。何か原因があるはずですが、
最も疑わしいのは手前の歯です。知覚過敏があったということは少なからず歯髄の炎症
があったということです。それが治まったからといって歯髄炎症が回復したとは限りま
せん。神経が死に絶えて感じなくなっただけの可能性が高いように思います。レントゲ
ンでは確認し難い状況のようですが、最も疑わしいのは7番の歯髄壊死です。処置をす
るとすれば、抜髄同様、感染根管治療ということになります。