間違った理論に基づく治療方法だと思っております。

かなりの咬合拳上

日付、時間:2004年9月7日 11:05  氏名:   ME   
所在都道府県:  東京  職 業:  会社員  年 齢: 35歳      性別:   female  

かなりの咬合拳上 質問:
 はじめまして。早速ですが質問があります。以前に差し歯を入れた後、歯があたるど うも口が歪む等不具合があり、とある歯医者に年齢や治療を重ねる事で磨り減った噛み 合わせを元に上げれば直ると言われ、精々元に戻す程度かとお願いしてみたところ、実 は上右の4-7及び上左と下左右5-7をかなりの咬合拳上となりました。

 問題は、治療終了後暫くしてからあちこちの歯の奥に矯正のような痛みが出て訴えた ところ、本歯をかなり削られ、
1)見た目も明らかに平ら、
2)食事もすり合わせるように意識しなければ不便、
3)平らな歯がすりあう感覚が気持ち悪い
  4)就寝時に顎が定まらず
姿勢によって変なところで噛んでいたりし朝起きると、顎も疲れるし歯も痛む状態になっ てしまいました。
 勿論これらの症状についても訴えたところ、痛みについては、調整で何とかすると言 うものの、歯が平らになった事については、あなたが痛いと言ったから削ったのだ。こ れは平らではない十分に山谷ある、気のせいだ。痛みはあなたが歯が食いしばるからだ。 枕を工夫しろ。口を開けて寝ろ。と言うばかり。
 痛みがあれば言ってくれと言う一方、訴えるとそれはありえない。噛んだ赤紙を見て、 問題ないと言い、挙句はあなたが自分に判るように、訴えないから悪いと。相変わらず 調整はするから何回でも来て構わないとは言いますが、更に削れば更に平らになるので はないかと一時間以上かかって詳しく追求すると、確かにロングセントリックにはなる が、ロングセントリックとは医学的に意味があり、異常ではない。調整を続ければ顎も 落ち着くと言います。
現在も不快な感覚も痛みも変わず、市販のマウスガードをつけて寝ていますが、今度は 顎の付け根が痛むような気がします。歯科医として、口が悪くともその内容と治療が正 しければ、患者としては救われるわけですが、実際のところこの歯科医の言うことはど うなのでしょうか?
特にロングセントリックについて、本当にこの歯医者の言う通りなのでしょうか?

感想:
 これだけの歯科の悩みについて情報量のあるHP、素晴らしいです。こちらのQ&Aを読 むだけでも、情報に加えて、これだけ歯の悩みを抱えている皆さんがいらして、先生が 受け止めていらっしゃる事に、心から救われる思いがします。ありがとうございます。

回答
 正直な所、私は歯医者の馬鹿さ加減にはあきれはてております。歯槽膿漏・根管治療、 そして顎関節症に関する考え方にはとてもついていけないというか、間違った理論に基 づく治療方法だと思っております。ただし“世の中の歯医者は全員間違っている”と言 う私は、他の歯医者からみれば理解できないというかキチガイだと思われていることで しょう。
 その私が10数年前に決断したことは、顎関節症の部門からは撤退しようということで した。根管治療や歯槽膿漏で困っている人の方が圧倒的に多いことに加えて、そちら方面 に対する知識は十分もっていたからです。反対に顎関節症方面は、補綴的な専門知識を 必要とされているにも関わらず私には太刀打ちできるだけの基礎知識が不足していたから です。そしてこのホームページを通して皆様に常々申し上げていることは、泥沼にはまり 込む可能性の高い顎関節症治療は極力避けるようにしましょう。そしてそのような事態に ならないよう咬合関係を崩さないためにケアに励んで下さいという願いを込めた主張です。

 さあ、そのひょっとして泥沼にはまり込んだあなたの状態をどのようにすれば良いかと いうことですが、少なくとも言えることは今の歯医者の知識と技術では救い様がないとい うことです。咬合挙上は私も時々(本日も)やりますが、これは長年奥歯を失ってとんで もなく咬合が低くなってしまった場合です。想像するに35歳で擦り減ったくらいで咬合低 位と診断すること自体方針を間違っていると思います。
 ちょっとだけならまだしもそこまでズルズル削ったらズンベラボンコの元の高さになって しまうでしょうね。イカやタコが噛み切れないなんてね。でもそこは一時我慢して、納得の できる高さに調節してもらってから形態の整った被せにやり返る…つまり元の状態?
 ただそれを治療してもらうにはそこら辺の歯医者じゃダメ。顎関節症の神様みたいに奉ら れている1級の先生じゃなきゃダメでしょ。インターネットで検索したり、本を出している 名物先生を探すくらいじゃなきゃダメかもしれません。幸いにも東京には結構いらっしゃ ると思いますよ。


返信:2004年9月8日 17:56
 早速のお返事をありがとうございます。ばっさりはっきり私の口の中の現実を述べていた だき、ありがとうございます。
ずっと頭の中が疑問符で埋まりながらも、自分では断定出来なかった一言を断定していただ き・・・目の前が晴れました。といいましても現実の方はこれからどうしよう・・・とお先 真っ暗なのですが・・・・。

今更ですが、治療開始当時、顎関節症という言葉さえ知らず、ましてや咬合を変える治療が あるなど、つゆとも知らずに、噛み合せがよくなるなら良いだろう程度の認識だった、自分 の無知が心から悔やまれます。
はぁぁ・・・ですが、他に良い先生を探すか何かをしてどうにか道が見つかりましたら、ま た先生にメールで報告いたします。今回は、お忙しい中素早いコメントをいただき、どうも ありがとうございました。