日付、時間:2004年9月14日 2:02
氏名: c
所在都道府県: 三重
職 業: 会社員
年 齢: 27歳
性別: female
質問:
インレーが被せてあった右下6番の歯が少し疼くようになったので歯医者さんに行っ
たら「もう神経を抜いちゃった方が良いかも」と言われ「この歯はまだそんなにダメー
ジは受けてないはずだけど」と思いつつ、先生に従い抜髄する事にしました。
インレーを外し、まず(今時珍しいそうですが)亜ヒ酸で神経を殺し、リーマーできれい
にして薬を詰めてもらう治療を4回受けて「日を追う毎に痛みが増すなぁ」と不安に思
い始めていたら「炎症を起こして腫れてきているから、歯を半分だけ抜歯した方が良い」
(このHPで調べさせて頂いたところ「ヘミセクション」というものでしょうか?)と言われ
ました。外したインレーもそんなに大きくなかったので抜髄すら抵抗があったのに、治
療半ばでいきなり半抜歯と言われたのがかなりショックで「それは出来る限り避けたい」
と言ったら、「じゃあ一回抗生剤を使ってみますか」と言われて抗生剤を処方されました。
「もし腫れがひいたら抜かなくて済む」ような事も言っていた気がしますが、先生の口
調から察するにその可能性は低そうでした。
このHPを見させて頂いたところ、抜髄治療中に腫れたからという理由で抜歯に切り替
えた例はあまり見かけませんでしたが、私の右下6番は半抜歯の道しか残されていないの
でしょうか?
今の先生に半抜歯のような高度な治療をしてもらう事に抵抗を感じるので、セカンドオピ
ニオンや転院も頭をよぎりましたが、今診て頂いている先生に失礼な気がしてなかなか実
行に移せません。抜髄で済んでくれたらいいのですが・・・。
感想:
動揺しながら書き込みさせて頂いてますので、文章が分かり辛くて申し訳ありません。
帰宅後、藁をもつかむ思いで思いつく限りの語句で検索していたらこのHPに辿り着きまし
た。ご多忙中申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。
抗生剤の効果は一時的なものですので、根本的な治療…つまり炎症が起こっている原因
を特定して除去…をしない限り良くなることは期待できません。抜髄は必ず成功するもの
という誤った認識が広まっていることも大きな社会問題だと痛感しています。特に大臼歯
の場合は、根管が狭くなったり曲がっていたりしますので誰が治療しても絶対無理という
歯があることも知っておくべきでしょう(5%程度)。
とはいえ現実問題として、的確な根管治療ができていないために経過が悪いことが圧倒的
に多いことも事実です。まずは抜歯(ヘミセクション)の理由を聞い
てみましょう。「炎症が治まらないから」ではなく「何故炎症が起こって、それが治まらな
いか」です。正当な理由があれば納得のいく説明もできるはずです。それができないという
ことは、何か疑わしい事実が隠されていることになります。おそらく、今のまま治療を続け
ても良い結果が得られるとは思いません。少なくとも転院はすべきです。的確な治療さえ施さ
れれば1回か2回で治るはずです。もしくは、抜歯すべき納得のいく説明が得られるかも知れ
ません。
的確な根管治療を行なってくれる歯医者が極端に少ないことは歯科界の大問題です。1/10
以上の確率で存在すると思いますので根気良く探すしかないかもしれません。“抜髄治療中
に腫れたからという理由で抜歯に切り替えた例”は非常に多い(10%程度?)と思いますよ。
こんな現実ですので、神経をとるような事態にならないよう自己防衛を徹底しなくてはいけ
ません。“歯が少し疼くようになったので歯医者さんに行ったら”抜髄になってしまうこと
を教訓に、そうならないよう定期的に通ってメンテナンスを行なうのが最善の策だというこ
とを強調しておきます。
また、治療半ばで転院する場合はどのようにしたら良いのでしょうか。今診て頂いている
先生に「転院するからもう結構です」と言うだけで良いのでしょうか。それとも何かレント
ゲンやカルテ・紹介状等を出してもらうのでしょうか?
転院はかなり抵抗感がありますが、今の先生にこれ以上診ていただくのはそれ以上の抵抗感
があるので、決断すべきかなあと思い始めています。
感想:
遠方からの患者さんもたくさんいらして多忙の事と思います。プロの方のご意見が伺えて、
とても有り難いです。心から感謝します。治療の時にヘミセクションの話が出た時点で「何
故腫れてしまったか」の疑問がわいたのですが、質問する事は出来ずにヘミセクションをし
ない事を望むのが精一杯でした。次の治療で「消炎不可能」と言われたら「何故腫れてしま
ったか」聞いてみたいと思います。
回答:
リーマを使って根管内の機械的清掃をしたということにはなっていますが、そこに炎症が
存在するということは“細菌云々”ではなく腐敗した神経が残っているということです。
それを完璧に取り除かない限り根本的な治癒は望めません。それを無視して抗生物質はとも
かく抜歯と言う時点で治療方針が不適切だと思います。
転院は黙って次を探しましょう。レントゲンやカルテの請求は険悪なムードを作ってしま
います。皆が“オラが天下”ですので、同じ開業医の間で紹介すべき歯医者はいないのが普
通です。