日付、時間:2004年9月22日 17:50
氏名: ぴょん
所在都道府県: 高知
職 業: その他
年 齢: 26歳
性別: female
質問:
上顎左2番の口唇側歯茎部の詰め物(CR)が変色しているとのことで新しく詰め直しました。
その後、その歯の表面が水うがいや風をあてるとしみだし、しみ止め塗布(計3回)で10日
程様子を見ました。結局、改善されないため抜髄することを進められ神経を取りました。
この歯ですが少し捻転しているので、歯を削って金属の土台を作り差し歯にしましょうと言わ
れました。私は差し歯にはせず自分の歯のままで残したいと伝えたら、その方向で治療を進め
ることもできるということでしたので、差し歯にはせずに自分の歯のまま残す方向で現在、治
療中です。
“詰めなおした歯がしみ出した”というのは医療不信の一つですが、これについては患者さ
んの認識を改めていただく必要があります。それだけ深くむし歯が進行していて今にも痛みだ
す直前の状況にあったということです。それが治療による刺激が最後のトドメとなってしみだ
したということですので抜髄はやむを得ないこと、つまりすでに手遅れ状態であったという
認識が必要です。同じ治療を過去にされていたようですが、その時はまだそこまで進行してい
なかったので、詰めることにより数年間抜髄を延長することができたわけです。もし、数年前
の治療をしていなかったら、数ヵ月後には抜髄になっていたでしょう。今回も、もう少し早い
時期に治療されていたならば、また数年抜髄を延期できただろうと思います。でも治療して延
命できる深さか、今回のように抜髄の時期を早めてしまう(数か月のことだと思います)かど
うかを事前に見極めることは不可能ですし、患者さんが訪れた時期に治療するしかできないわ
けです。「もっと早く治療に来いよ」というのが歯医者の言い分です。
確かに抜髄した歯は脆くなって変色もしますので、何時かはさし歯にしなくてはいけなくな
るでしょう。でも、さし歯にしてからの歯の破壊は歯根が真っ二つに割れてしまうなど致命的
な損傷を歯に与えてしまいます。ですからそのリスクを先送りするために、できることであれ
ばレジンを詰めるような治療に留めておくのが理想的です。
最後に抜髄→根管治療についてですが、これくらい信頼できな歯科治療はない。私から言わ
せてもらえば“間違いだらけの歯科治療”の最たるものです。取るべき神経を完全に取らない
で、毒薬みたいな薬を詰めるわけですから治るモノも治らないのが平均的な歯科医療レベルで
す。的確な根管治療が為されたならば、もっと確率高く治療が上手くいくようになるでしょう。
今現在の状況を打開するには、その的確な治療をしてくれる歯科医を探して転院するのが最善の
策。長い将来を考えれば、そのような抜髄になるような歯医者の利用方法を改めて常日頃から
メンテナンスに励む習慣がのぞまれます。抜髄になった歯がどれほど惨めな結果をもたらしてい
るかを、このホームページでよくよく理解して対策して下さい。