それ以外の根っこの治療如何によって十分回復は可能。

器具(?)の破片

日付、時間:2004年9月28日 16:26  氏名:   O.S   
所在都道府県:  茨城  職 業:  会社員  年 齢: 36歳      性別:   male  

器具(?)の破片 質問:
 初めて質問致します。誰に聞けば良いかわからず、いろいろ調べているうちにここに 辿り着きました。どうかよろしくお願い致します。
 左下第2大臼歯の外側の歯茎に歯と同じくらいの大きさの瘤を見つけ、街の歯科で診て もらいました。レントゲンを撮ったところ、根尖病巣ということでした。そのまま近くの 大学病院に紹介されたのですが、そちらで詳しく診てもらったところ、左下第1,2大臼 歯に病巣がありました。これらは20年ほど前に抜髄したもので、医者が言うには抜髄後 の充填がうまくいっていないとのことでした。レントゲンで見ると、確かに薬剤が奥まで 充填されていません。

 第2が特にひどく、抜歯するしかないと言われました。第2を抜歯する前に、生き残る 第1を先に治療しようということになりました。第1大臼歯を詳しく調べてみたところ、 以前の治療時のものと思われるミスが見つかりました。抜髄後の充填剤の中に抜髄のため の器具(?)の破片が残っていました。場所は歯根の先端付近で、長さは2mmほどだと思います。 担当医はそれが原因だと言い、取り除く治療を始めたのですが、担当医が2,3度試しま したが取れません。前回は、仮の詰め物をとって、穴にバキュームを押し当てておしまい というものでした。
毎回のことなのですが、治療上の選択肢を示さずに「どうしますか?」と聞かれ、何の知 識もないこちらとしては答えようがありません。この破片についても、「どうしますか?」 と聞かれました。どういう選択肢があるのか聞いてみると、抜くしかないと言われました。 担当医は非常に若いだけでなく、毎回「悪いのはどこでしたっけ?」と聞くわ、器具を喉 まで落とすわ、コテをあちこちの歯にぶつけるわで、正直信用出来ません。
充填剤の奥に詰まった破片を取り除くことは本当にできないのでしょうか?
この破片が見つかる前は、「充填し直せば大丈夫」と太鼓判を押していただけにがっかり です。他の病院で診てもらうべきでしょうか。なお、20年前にこの歯を治療した医師は 現在行方がわかりません。

回答
 病巣が大きいから抜歯。金属片が取れないから抜歯。現状の歯科治療レベルはこの程度 ですからやむを得ないのかも知れませんが、望みはあります。
 根尖病巣の原因はあくまでも根管内に貯留した汚物です。その汚物を完全に取り除いて、 二度と汚れが貯留しないように完全密封することができれば、病巣の大きさに関係なく治 ります。また、完璧ではないにしても、その完成度に比例して治癒は期待できます。と、 まぁこの事実をほとんどの歯科医が知らないところが一番の問題で、そこまでしてくれる 歯医者を探すのが一苦労だと思います。

 それはともかく(おそらく)リーマの破折があれば、完全密封が不完全ですので完全治癒 は望めません。現実問題除去することもほとんど不可能だと思います。ところが、不完全と はいえ、それ以外の根管が全く?密封されていないことを思えば、一番完成度の高い根管充 填の施された根管だということもできます。それだけ大きな根尖病巣があるくらいですから、 それ以外の根管を綺麗に治療してやれば、ほぼ完全に治癒する可能性があります。
 次に、他が良くなったにもかかわらずどうしても問題の根っこだけが症状を残すとなった 場合の対処を考えてみましょう。不完全とはいえ、そこそこ閉鎖されているとなると、たま には痛むかもしれないけれど普段の使用には差障りが無いという状態だとそのまま使うこと も可能です。どうしても痛くてしょうがないとなれば、その根っこだけを部分的に抜く (ヘミセクション)も可能でしょう。要はリーマの折れた根っこは 治療不可能にしても、それ以外の根っこの治療如何によって十分回復は可能だと言うことで す。