ブリッジを選択した場合、新たな火種を作ってしまいます。

痛みにおびえる日々

日付、時間:2004年10月19日 21:39  氏名:   chiharu   
所在都道府県:  神奈川  職 業:  医療関連  年 齢: 39歳      性別:   female  

痛みにおびえる日々 質問:
 左の1番、2番が差し歯なのですが、それぞれ根の先の膿の袋が大きくなり、だいぶ骨を 吸収してしまっているので、2番は破折も疑われ、救う事ができない、つまり抜歯対象だと 言われました。1番のほうは根の治療をして様子を見て、歯根端切除が可能かもと言われま した。
 近くの歯科医には2本とも根治すると言われましたが、どうも今一つ奥歯にもののはさま った言い様でいかにもやりたくないということがわかりましたので、大学病院の保存科出身 の歯科医をたずねてみたのです。抜歯は全く頭になかったので、驚きました。もうこの歯は インプラントは無理だとも言われました。急性症状の時に抗生剤と鎮痛剤を服用することを もう2ヶ月間続けています。でも、上あごの裏に膿の出口と思われる腫れ物や、常に歯は浮 いたような感じ、痛みにおびえる日々にはそろそろ終止符を打ちたいです。

 私としては、抜歯前の手を尽くしました、的な無駄と思われる根治をして、再発を繰り返 すよりは、抜歯もやむを得ないかと思うのですが、ブリッジにも不安がありますし、この2ヶ 月で相当痛みとの戦いに疲れ、仕事なども休養させてもらうことにしました。このまま2番を 抜歯してしまってもよいものか、決断できないでいます。こんな例もあるのでしょうか?

回答
 “こんな例もあるのでしょうか?”どころか日本中いたるところで同じような悩みを お持ちの方がいらっしゃいます。これが歯科医療の実態だと思っていただいても間違い ないでしょう。つまり神経をとれば確率1/2で根尖病巣ができるし、もっと長い年月で 考えればほとんどのケースで根尖病巣や歯根破折が起こり得るという認識をもってくだ さい。そして、歯根破折については基本的に回復不能であることと、根管治療を行なっ ても自信がないのが普通です。だから抜髄なんかしなくて済むように、また将来必ず 訪れる歯槽膿漏末期を阻止するためのケアに目覚めるべきなのです。

 さてそのような状況で、すでに病巣を抱え込んだ歯をどうするかという問題です。 炎症を確実に消滅させる方法は抜歯です。しかし、そのあとの処置としてブリッジ を選択した場合、新たな火種を作ってしまいます。問題を先送りするだけでなく、 更なる破壊を誘致するようなものです。現状ではインプラントが最も不安の少ない 選択ですが、高額な上に成功率は100%ではない(95%高確率ですが)。
 歯を残そうとした場合も、あなたが不安に思われているように満足すべき成功率では ありません。保存科出身ということですので、そこに望みを託して根管治療を行なうか 抜歯を選ぶかは、これらの状況を踏まえてあなた自身が決断することだと思います。 ちなみに歯根端切除だけは除外すべきです。