日付、時間:2004年10月20日 0:18
氏名: E.K
所在都道府県: 埼玉
職 業: 学生
年 齢: 22歳
性別: female
質問:
上の親知らずについてお伺いしたいことがあり、メールをさせていただきます。現在、
上の親知らずは左右とも完全に埋まっている状態です。右下の親知らずは3年前に近くの
開業医で切開して抜歯し、左下の親知らずは根が曲がっているということで、2週間ほど
前に大学病院の口腔外科で切開して骨を削り抜歯していただきました。一般的に下顎に
比べ上顎の方が抜歯は簡単であるとのことですが、抜歯中の操作により、上顎洞の中や
“翼口蓋か”に歯根が迷入してしまった場合、全身麻酔での摘出手術になるという情報
を耳にし、とても不安です。埋まっている親知らずの位置にもよるとは思いますが、上
顎洞の親知らずを抜歯する際のリスクなどはどうようなことが考えられますでしょうか。
将来、いずれ抜歯する可能性や歯並びが悪くなる可能性があるのであれば、比較的時
間のある学生のうちに抜いておいた方がいいのかとも迷っております。ちなみに現在の
ところ、腫れたり痛みなどは全くありません。先日、左下の親知らずを抜歯してくださ
った口腔外科の先生は若い先生(肩書きは専攻生)でしたが、執刀はお上手でとても信
頼のできる温かな方でした。できれば同じ先生に執刀をお願いしたいと思っています。
ただ、上顎の完全埋伏歯の場合、根が深かったり、上顎洞に近いような場合には、抜歯
にはかなりの熟練した技術が要求されるのでしょうか(その場合やはり口腔外科学会の
専門医のようなもう少し年齢が上の先生に抜歯をお願いした方がよろしいのでしょうか)。
お忙しいなか恐縮ですが、どうぞよろしくお願い致します。
感想:
下顎よりも上顎の親知らずの方が抜歯が簡単とはいえ、ネットや本などでリスク等を
目にすると、あえて抜歯するかどうか迷ってしまいます(切開での抜歯は小手術ですの
で当然リスクはつきものであると頭では認識しておりますが・・・)。
「親知らずは早や目に抜いて、それ以外の歯は1本も抜かないようにケア」というのが
原則ですが、その中に例外があります。それは、完全に骨の中に埋まって、全く症状のな
い歯です。将来萌出してくれば、また痛みなどの症状がでれば、その時点では抜歯の対象
となる場合もありますが、同じ抜くにしてもその時の方がはるかに簡単に抜けます。反対
に生涯何事もなく埋まったまんまという可能性も十分あるように思います。
普通に生えた上顎親知らずは一般に下顎親知らずに比べて簡単にぬけますが、埋伏した
状態によっては視野が悪く操作し難いだけにとんでもなく難しいケースもあります。リス
クについては、神経損傷の可能性がない反面上顎洞迷入の可能性もありますので決して簡
単な抜歯とは言えません。私は今抜くべきではないと思います。位置にもよりますので、
このことを踏まえてもう一度相談されなおしてみたらいかがでしょうか。