日付、時間:2004年11月4日 0:24
氏名: ck
所在都道府県: 西ヨーロッパ
職 業: 学生
年 齢: 33歳
性別: female
質問:
こんにちは。現在ドイツに住んでいて、こちらで歯医者さんに行っています。
先日、以前に日本で根管治療をしたところ(右下M2)が痛み、こちらのお医者さんに
相談したところ、薬の入れ替えでは直らない可能性が高く、オペ(歯茎を切って下顎
に穴をあけて・・・というものらしい)か、それが上手くいかなかったら抜いてイン
プラントかブリッジということになると言われました。
症状は、鈍痛で、先生のサイトの「根管治療」No137によく似ているのではないかと
思います。レントゲンでは薬が根の途中までしか入っておらず、根の先のほうに暗く病
巣が見え、また金属のクラウンとコア(ねじのように見えるもの)が入っています。歯
の治療を行った時期は、恐らく10年位は前かと思います。
できれば根管の再充填で直ってほしいと思っています。もちろん河田先生にはレントゲ
ンをお見せしていないので答えていただくのは難しいかと思いますが、根管の再充填で
うまくいかないケースというのはどういう場合があるのでしょうか?
もし、うまくいくのであれば来月に帰国しますので、それまで何とか待とうかとも思っ
ています。それでは、長々と失礼いたしました。もしお時間がございましたらアドバイ
スいただけますと有難いです。
感想:
こちらのホームページの情報とても参考になりました。
アメリカで根管治療が約10万円、日本では1万円(3割負担で3000円)。それでも
不採算だと日本の歯医者は嘆いていますが、ドイツだと1000円??くらいだそうですね。
消費者にとっては安いことは良いことのように思えるかもしれませんが、あまりのバカ
バカしさ故にドイツでは誰も根管治療なんかしないと聞いています。
成功率は低くてもお金になる手術に走る傾向が強く、町中顔を腫らした人が一杯だと
か。ちょっと大げさかもしれませんが、そのように聞いています。歯科事情に詳しい
ドイツ人は「アッサリ抜きなさい」とアドバイスしてくれるとか。
まず日本の根管治療の成功率が50%だという認識をもってくださいね。それも平均
1か月を費やして。今後そんな怪しげな治療を受けなくて済むように、もっともっと
ケアに励むべきだよというのが私のアドバイスです。その上で申し上げますが、私の
成功率は90〜95%です。1本の根管治療に要する日数は原則一日です。
金属ポスト除去時の歯根破折リスク、歯根弯曲や根管閉鎖による根管拡大不能の可
能性が1%未満。それに血液流入などによる不完全閉鎖が数%。その他あわせて5〜
10%程度は、不満足な結果になってしまいます。他でダメと言われるモノを90%以上
治す自信はありますが、それ以上過度な期待はしないで下さい。
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幸いにも金属ポストも短く、複雑な根管形態ではありましたが根管清掃や根管充填もできま
したので回復の可能性は十分あると思います。結果は一か月以上たたないと判定できませんが、
できるだけのことをしましたので、しばらく我慢して経過をみておいてください。
問題の右下7番の経過も気になるところですが、33歳で11本抜髄はいくら何でも多すぎます。
既に抜髄してしまった歯は仕方ないとしても、今後定期的なメンテナンスを継続してこれ以上
抜髄しなくて済むように心がけてください。