日付、時間:2004年11月24日 8:23
氏名: n.s
所在都道府県:山口
職 業: 会社員
年 齢: 45歳
性別: female
質問:
3年くらい前に、右上5番が化膿し顔も腫れたので切開により膿を排出及び根管治療をし
ましたが、その1年後再び同様の症状があらわれたためまた同じような治療をしました。
今年もまた同じように同じ歯の部分が悪化したため、大学病院でCT検査を受けたところ7
65根尖部に境界が比較的明瞭な嚢胞様病変が認められるということでした。上顎洞前壁部
は一部欠損、右側上顎洞底部は上方に押し上げられているという状況です。
このため大学病院からは、3本の歯の根治(根管治療?)を改めて行った後、嚢胞の摘出
手術を受けるようすすめられています。根管治療をきちんと行えば、このような嚢胞でも、
歯根嚢胞の手術はしなくてもいずれ消えると思ってよいのでしょうか。なお、根管治療にあ
る程度時間がかかるため手術の詳細は後日改めて説明を受けることになっていますが、嚢胞
摘出の際、状況によっては歯の一部も切らざるを得ないかもしれないというような話もあっ
たので、嚢胞摘出が中心の手術なのか、歯根端切除が前提の手術なのかはわかりません。
また、今回のCTで前歯11の箇所にも小さな嚢胞様病変があるので、一緒に除去したらと
いわれています。前歯は、以前物がぶつかった際治療し、自分の歯を土台にし義歯をかぶせ
ていますが、現在特にこれといった症状はありませんが、この際嚢胞だけ除去したほうがよ
いのでしょうか、それともこの歯も改めて根管治療をすれば嚢胞も消えるのでしょうか。
的確な根管治療さえできれば嚢胞は治ります。治療しても治らないのは、根管治療に不備
があるためです。その状態で手術すれば、一層悪くなってしまいます。ましてや
歯根端切除なんかしたら治るモノも治らなくなってしまいます。一般に
根管治療の成功率が50%程度だということを念頭に対処してください。
前歯部の病巣は小さく症状もないようですので、当分の間治療は見送ってください。症状が出
てからでも遅くはありません。その場合も摘出や歯根端切除ではなく、あくまでも適切な根管治
療。「ついでに…」なんて乗ってしまうと、経過不良の問題歯の数を増やすだけです。
回答:
基本的に嚢胞の摘出は不要です。が、嚢胞を摘出することもあります。
それは根管治療を行った際、もしくはそれ以前の治療によって嚢胞内に大量のゴミ(根充材や
汚物)が入り込んでいる場合です。根管充填がしっかりしているのに経過が悪い場合です。
嚢胞内に大量のゴミがあってそれ自体が炎症の原因になっている場合に、そのゴミを除去する
目的で根尖部の掻爬を行ないます。その際、ゴミだけを取るわけ
にはいかないので嚢胞ごと綺麗に掻爬することになります。