存続に固執することはマイナス要素が大きいと思います。

親知らずの処遇

日付、時間:2004年12月7日 11:14  氏名:  J.K.   
所在都道府県: 富山   職 業:  主婦  年 齢: 36歳      性別:   female  

親知らずの処遇 質問:
 2ヶ月半ほど前から歯科治療に通っています。長文になりそうですがお読みいただけ れば幸いです。現状は以下のようになっています。あまりにひどくて恥ずかしいのです が・・・。
<右上> 4・5=インレー、6=ヘミセクション(虫歯治療後破折のため)・クラウン、7=抜歯(虫歯のため・欠損)
<右下> 5→乳歯・レジンで虫歯治療済、6・7→インレー、
8→水平埋没(歯は見えていませんが7のすぐそばまで来ていて、7を押しているような状態だということです)
<左上> 1→差し歯(事故による破折のため)、2→生まれつき欠損、5→抜髄・クラウン、6→インレー、7→抜髄・クラウン、 8→インレー(まっすぐ下向きに生えていますが周辺の歯肉が痛みます・また虫歯治療後2ヶ月以上たった今もしみます)
<左下> 5→乳歯・レジンで虫歯治療済、6・7→抜髄・クラウン、8→レジンで虫歯治療済(舌側に向かって生えている)
今回ご相談したいのは、左下8の抜歯と歯茎の痛みについてです。

左下の親知らずは、若い頃、歯が少しだけ見えていた頃は腫れやすかったのですが、数年前にほ とんど(4分の3くらい?)見えてきてからはめったに腫れませんでした。ですが、1ヶ月ほど前に したSRPが刺激になったのか、最近なんだか痛む感じがします。かかりつけの先生に抜歯すべきか どうか相談したところ、レントゲンを見ながら「普通の人なら即抜歯を勧めるところだが、あな たの場合、その前の6・7が神経がないし、5は乳歯で、いずれもあまり長持ちはしない可能性 があるので、保険として残しておいたほうがいいかもしれない。最悪全部抜歯になった場合、8 があればブリッジにできる。ただ、この歯の抜歯そのものはそれほど大変ではないと思うので、 あまりに痛むようなら抜きます。」という感じで説明していただきました。

河田先生のページを見ていると、基本的に親知らずは抜歯したほうがいいということですし、私 自身も覚悟はしているのですが、こういう話をされるとやはりちょっとくらいの痛みは我慢して、 将来に備えた方がいいのかな、と悩んでいます。ただ、8番の腫れや痛みが7番に悪影響を及ぼさ ないかということと、歯茎にもぐっているところが虫歯になりやすいのではということが心配で す。河田先生なら、このような親知らずはどうされますか?

 また、歯茎の痛みに関してなのですが、以前から歯磨きをしていると何箇所か痛む部分があり ました。前歯は痛みもほとんどありませんが、奥歯は痛む部分が多いし、ポケットも深いようで す。下奥歯の深いポケットは、左右とも親知らずのせいだろうと言われています。ここ1ヶ月ほ どで、毎回2本ずつ、ほぼ全部の歯にSRPをしてもらったのですが(歯茎が痛いところは出血もひ どかった)、以前から痛いところは、現在でも歯磨き時に痛みます。SRPをしてもすぐには歯茎 の痛みは治まらないものなのでしょうか?
ちなみに、現在やってもらっているSRPは麻酔なしです。どうしても痛かったら麻酔しますとは 言われますが、我慢できないほどの痛みというわけではないので、何度か表面麻酔をしてもらっ ただけです。衛生士さんがスケーリングをした後は必ず先生がチェックしてくれているのですが、 やはり深い部分の歯石がとりきれていない可能性があるのでしょうか?

現在の歯科医院の先生は、同世代の女性で歯の保存にも熱心ですし、いろいろ相談もしやすいの で、ずっとここに通い続けたいと思っています。まだ今後のメンテナンスについては話がでてい ないのですが、なんとか月1度のスケーリングをお願いしてみようと思っています。このペース でメンテナンスを続けていけば、親知らずの腫れや痛み、虫歯はある程度抑制できるのでしょう か?
また、歯茎の痛みも徐々に引いてくるものなのでしょうか?
お忙しい中お手数ですが、ご意見を伺えたらと思います。よろしくお願いいたします。

感想:
 もっと早くきちんと歯科治療や検診をしていればと後悔しきりの毎日です。でも、今からで もがんばれば将来は違うはずと自分に言い聞かせて、自宅でのケアもがんばっています。ケア が面倒に感じるときは、こちらのページをみて自分を奮い立たせています。私と同じような人 も多いのではないかと思います。大変だと思いますが、これからもぜひがんばってください。

回答
 基本的な方針としては、親知らずはできるだけ早や目に抜いてそれ以外の歯を一本足りとも 抜かなくて済むようにケアすることです。36歳ということですのでおそらく、毎月の歯石除去 により歯槽膿漏の進行はコントロールできる範疇だと思います。すでに抜髄してしまった大臼 歯については、今後的確なケアと根管治療により相当年月延命は可能と考えます。また、乳歯 については、永久歯より7年ほど早く生えただけで基本的な耐用年数は永久歯と変わらずケア 次第という見方をします。
 その上で、何ら障害もなく咬合に関与している親知らずであれば保存の方向で検討しますが、 お伺いした状況から(抜髄してブリッジは無理)存続に固執することはマイナス要素が大きい と思います。

 SRPについてはやはり麻酔はすべきだと思います。麻酔なしでもしないよりは良いとも言えま すが、どうしても徹底的に除去すべしという観点からは不十分です。まずは細かいむし歯を含 めて、一度過去を精算しなおした上でメンテナンスを継続するのが最善ではないでしょうか。 1回・1回のメンテナンスはそれ程成果がみえませんが、それを長年継続すれば必ず大きな成果 が見えてくるものです。歯茎の痛みも消失するでしょう。この年齢でそのことに目覚めていただ ければ、将来必ず大きな違いが生じると思いますよ。