治療に踏み切れません

日付、時間：2004年12月8日 9:45　 氏名： 　Ｔ.Ｋ　　　
所在都道府県： 石川 　 職　業： 　主婦　 年　齢： 35歳　　　 　 性別： 　 female　　

質問：
　半年ほど前から左上部のあたりで冷たいものがしみるようになりました。硬いものをかんだ りすると少し傷みも走るので、ずっと左側でかむのはなんとなく避けていました。最近になっ て歯磨き中に血が出て、やっと歯医者に行きました。
歯石の除去としみる歯（第１大臼歯でした）と第２大臼歯にあった小さな虫歯の治療をしてい ます。しみる歯はかれこれ２０年程前に治療し、詰めてあった歯が、さらに中で深く虫歯にな っていたのが原因でしみているようです。詰め物をとったところ、出血もしていました。その 際、神経を抜く治療を提案されました。
今薬を入れて神経を落ち着かせて詰め直しすることも可能だけれど、次にまた痛くなるのが、 ３週間後か半年後か３年後かなんて保証はできないよ。とも言われました。担当医のおっしゃ ることはもっともだと思います。しかし、周りの人に聞くと、神経を抜く時には頭にキーンと した痛みが走る。といわれ、小心者の私は治療に踏み切れません。
そして、現在不妊治療中で、麻酔やその他薬を使う事に少々抵抗があります。また、先生のＨ Ｐや他の人の質問を見ていると神経を抜いた歯は１０年程でダメになるとのこと。ならばいっ そ、今抜いてしまってはいけないのでしょうか？
今痛い思いをして神経を抜き、１０年後にまた歯を抜く治療をするのは嫌な気がします。 歯を持たせようという努力もしないで、いっそ抜いてしまえというのは乱暴ですね…でも、 治療の痛みに怯える患者の気持ち、お察しください。

　“少し傷みも走る”という状況で、薬を入れて神経を落ち着かせて詰め直しはもう不可能で す。抜髄は決定的です。不妊治療中と麻酔などの薬剤は基本的に無関係ですが、抜髄が避けら れない状況である以上、気になるのであれば不妊治療を先送りするしかないでしょう。

　現状の歯科医療レベルを考えれば抜髄を必ずしもお勧めできるものではありませんが、抜歯 すれば更なる問題が浮上してくることを考えて下さい。抜いたまま放置すれば、後ろの歯が 倒れこんできます。それを阻止する為に入れ歯を入れるか、場合によってはインプラント （上顎だとそれも無理かも）としても高額な費用と手術が必要です。保険でブリッジも可能 ですが、大切な前後の歯を削るだけでなく、最終的にその臨在歯も抜髄しなくてはなりません。 問題を先送りするだけでなく、より大きな苦痛が待ち受けています。
　過去に振り返って言うならば、常日頃からメンテナンスを継続しておけばもっと早い段階で むし歯を見つけ出して抜髄に至る前に治療が可能だったと思います。それを怠ったばかりに今 抜髄に直面してパニック状態のようですが、周囲をみわたせば今なら助けられるむし歯もある のではないでしょうか。手遅れになった歯に自虐的な気持ちになるのは分かりますが、同じ 過ちを繰り返すことがどれほどの損失を招くかを理性をもって考えて下さい。