残存骨の状態が事前に読みきれないところに難しさがあります。

前歯のインプラント

(アメリカ)

日付、時間:2004年12月9日 4:46  氏名:  Lisa   
所在都道府県: アメリカ   職 業:  その他  年 齢: 28歳      性別:   female  

前歯のインプラント 質問:
 以前に(去年の9月頃)にアメリカでの治療(クリーニング)につ いて質問させていただいた者です。あの時は丁寧にお答えくださってありがとうございまし た。
あれから1年、高額治療にもめげず、3カ月おきにクリーニングに通っています。ですが、い よいよインプラントをしようかと思い、相談させていただきたいと思ってメールしました。 インプラントを考えているのは、左上1と左上5です。左上1に関しては5年ほど前から外側に 倒れぎみで、動揺があります。左上5は乳歯のままで、動揺していたのですが、つい最近、抜 けてしまいました。乳歯だったためか、根といえるようなものはほとんどなく、これでよくく っついてたなぁ、という印象でした(これって、私の歯だから、ってことでしょうか?)。
 アメリカでのインプラントは1200ドルから1500ドルくらいが相場なので(保険ナシで)、日 本よりはわりと安いかもしれませんね。私が通っているドクターは、歯周病・インプラント専 門という看板を掲げているのですが、実はそこでディープクリーニングの時に処方してもらっ た2種類の薬(たしか感染を防ぐためとかなんとか・・・)がひどく体に合わなかったらしく、 下痢と嘔吐でひどい目にあってしまいました(内科の先生に診てもらったとき、どうしてこん な薬を飲んだのか?心臓病でも?と聞かれたくらいです)。薬は飲むべきものなのですか?
それに、麻酔をしてもらったとき、私が怖がってるせいなのか、麻酔のせいなのか、ひどく寒 気がして、震えがなかなか止まりませんでした。これは、麻酔が悪かったのでしょうか?
ちなみに左上1のディープクリーニングの時の麻酔があまり効いていなくて、すっごく痛かった のも印象的です。前歯の麻酔は効きづらいものなのでしょうか?
また、前歯のインプラントというのは、難しいものなのでしょうか?
腹を決めた割には、またビビリな私が出てきていて。やはりインプラント専門の先生にかかっ た方がいいような気もするし、アメリカの歯科医院はインプラントの技術もそれなりに持って いると聞くので、新しく先生を探した方がいいような気もするし・・・。どうしたらいいのか 分からなくなってしまっています。不安でとりとめのない文章になってしまいましたが、先生 にご教示いただきたく、よろしくお願いします。

回答
 炎症を起こすべき原因を除去すれば、所詮常在菌如き何も薬の力を借りなくても治るはずです。 ところが、除去すべき原因を取りきらないで治らないのを耐性菌のせいにして、より強力な薬剤 を使う傾向にあるのはアメリカも同じみたいですね。もっとも治りきらなくって悪化した場合、 何の薬剤も出していなければ裁判に負けるので、せめて薬だけでも出しておいた方が安心という 風潮も災いしているのかもしれません。

 上顎前歯部のインプラントは、残存骨の状態が事前に読みきれないところに難しさがあります。 術前のレントゲンでは大丈夫と思われても、いざ歯肉を切り開いてみると植えるべき骨量がない とか、骨量の関係で思惑の方向に植立できないなどのトラブルが発生しやすい場所です。植える べき骨量さえあれば、手術そのものの難易度は同じような物です。

 上顎前歯部の麻酔は痛いけれど、本来麻酔が効きやすい場所です。左上1が痛かったのは、それ だけ炎症がきつかったためと思われます。前歯部に限らず炎症が存在する場所では「腫れ物に触る 」という言葉があるように、触っただけでも痛いのに針なんか刺そうものなら痛いのは当たり前で す。おまけにいくら打っても炎症部位では麻酔が効き難いので極力炎症を抑えてから処置するのが 基本です。

 インプラントが1200ドルから1500ドルは安いみたいですね。日本では上部構造を含めて1本 30万円程度が相場です。それをどこでするのが妥当なのかは、アメリカの事情を知らない私に 判断することはできません。