抜歯窩の治癒不全があるのかどうか、あるとするならば何が原因か。

下唇も痺れてきました

日付、時間:2004年12月15日 23:02  氏名:  K   
所在都道府県: 埼玉   職 業:  学生  年 齢: 22歳      性別:   female  

下唇も痺れてきました 質問:
 2点ほどお伺いしたいことがあり、メールを送らせていただきます。10月1日に大学病院の 口腔外科にて左下の親知らずを抜歯しました。歯茎から少しだけ見えている状態でしたので、 切開して周辺の骨を削っての抜歯でした。麻酔の際に下顎孔伝達麻酔を併用したため、伝達 麻酔の後遺症として現在でも舌の左側奥の側面が痺れているような感覚です(ラーメンや熱 いスープなどで舌を火傷したときのようなヒリヒリ、じんじんしたような感じです)。現在 でも1ヶ月に1度ほど経過観察ということで受診しておりまして、年末になってまだ痺れを感 じるようであればビタミン剤(ATP?)を処方していただけるとのことです(自分でもビタミ ン剤を飲むようにはしていますが・・・)。解剖学的な位置関係より痺れはある程度仕方のな いことで、やがては治るのだと思っています。ただ12月6日より下唇も痺れてきました(麻酔の ときほどの強い痺れではありませんが・・・)。抜歯直後は唇には異変はありませんでしたし、 2ヶ月も経ってから下唇が痺れたわけですが、抜歯と何か関係があるのでしょうか。ただ下唇 は感覚はきちんとあります。また味覚も大丈夫です。

 2点目として、よく口内炎ができます。舌や歯茎にできるのではなく、下(左右とも)の奥 歯の延長線上の粘膜(?)にできます。また左下の親知らずの抜歯あとにもよくできます。 3ミリから5ミリほどの大きさで、血豆のようなときもあれば透明の水泡のようなもののときも あります。口内炎ができては自然につぶれてその繰り返しといった感じです。ちなみに下の親 知らずは左右とも抜歯済みです。現在も左下親知らずの抜歯あとに3ミリぐらいの水泡が2つほ どできていて違和感があります。これは今回(10月1日)の抜歯と何か関係があるのでしょうか。 中で炎症が起きている可能性などありますか。それとも単なる体質ということでしょうか。
以上、下唇の痺れ、抜歯あとの口内炎の2点についてお伺いしたいと思います。お忙しいなか 恐縮ですが、どうぞよろしくお願い致します。

感想:
 先生のホームページはとても勉強になります。これからも日々の臨床を通じて先生がお感じ になられたことなどを載せていただけると嬉しいです。

回答
 上の親知らずが残っていれば、それが下顎親知らず部分の粘膜に当たって傷つけている可能性 があります。また、上顎の親知らずがなくても手前の7番が同様に粘膜を傷つけている可能性も ありますので、今度口腔外科に行った時に診査してもらって下さい。口内炎については、確かに 体質的なものもありますので必ず原因が分かるとは限りません。

 ただやはり気になるのは、2か月経ってしびれが拡大したことです。抜歯窩の治癒が順調でな いために健全な粘膜になりきっていないがための傷。その傷から発展した口内炎という可能性も 否定できません。口内炎・しびれ伴に直接有効な対処方法がない中で、抜歯窩の治癒不全がある とするならば、それを特定して対処することが総合的な解決に結びつく可能性があります。

 抜歯窩の治癒不全があるのかどうか、あるとするならば何が原因かを調べることが重要だと 思います。


返信:2004年12月21日 1:14
 12月15日に下唇の痺れと口内炎について質問をさせていただいた者です。お忙しいなか早々 のご回答をどうもありがとうございました。上顎の親知らずは左右ともにレントゲン上には写 っていますが、肉眼では見えていません。また舌の左奥の痺れの経過観察で口腔外科を毎月受 診した際に、担当の先生は抜歯あとはきれいで器物的な異常も見当たらないとおっしゃってい るのですが、もし仮に何かしらの治癒不全がある場合にも視診で分かるものですか。それとも 念のためにレントゲン撮影をお願いした方が良いのでしょうか。下唇の痺れは12月6日の頃に 比べたらあんまり感じなくなりましたが(日によって多少の差はありますが)、口内炎は抜歯 あとにできたままの状態です。

回答:
 “器物的な異常も見当たらない”と言われていますし、下唇の痺れも小康状態のようですの であせらずしばらく経過をみられてはいかがでしょうか。神経に損傷が起きること自体、相応 の傷があったと推測されますので通常より回復が遅いことは仕方のないことです。神経の回復 には更に長期間を要するものと思われますが、新たな炎症症状がなければ収束に向かうものと 期待できます。