唾液の性状を変えることが再発予防に繋がるかも?

石を作りやすい体質

日付、時間:2005年1月4日 13:24  氏名:  けんじ   
所在都道府県: 山形   職 業:  会社員  年 齢: 25歳      性別:   male  

石を作りやすい体質 質問:
 私は唾石症を持ってます。頻度は半年に一度詰まる程度なんですが、多いときには一日に 3つも石が出てくることがあります。場所も決まって左側です。以前、石が取れなく、医者 に行ったところ、「あなたは体内で石を作りやすい体質なんですね。」と言われました。
 石ができやすいのは諦めますが、普段の生活で気を付ければ頻度は少なくなるといったこ とはありませんか?
例えば食べ物で避けた方がいいものとか。教えてください。お願いします。

回答
 左側顎下腺の唾石症のようですね。唾液腺にはそれぞれ特徴があります。
耳下腺:耳の下にあり、粘り気の低いサラサラした唾液を分泌します。唾液腺分泌量の 約30%弱を占めるといわれています。
顎下腺:あごの後方にあって、粘り気の高いネバネバした唾液と、粘り気の低いサラサ ラした唾液の両方を分泌します。唾液腺分泌量の約60%弱を占めるといわれています。
舌下腺:舌のすぐ下にあるのが舌下腺です。粘り気の高いネバネバした唾液を分泌しま す。
このほかにも、口の天井部分である口蓋(こうがい)の粘膜にある口蓋腺、くちびるの内側の 粘膜にある口唇(こうしん)腺、頬の内側の粘膜にある頬(きょう)腺などの小唾液腺があり ます。これら全ての唾液腺を合わせると、1日に1,500ml もの唾液が分泌されるといわれてい ます。

 唾石の成分はリン酸カルシウムや炭酸カルシウムなどですので、これらを多く含む食材を避け るという方法も考えられますが、それらが不足したときにより重大な疾患を招くリスクもありま すのでお勧めできるものではありません。確立された予防法というのは残念ながらないのでは ないでしょうか。

 これはあくまでも個人的な経験に基づくアドバイスとして聞いて置いてください。唾石症は、 唾液分泌量が多いことと、粘り気の高いネバネバした唾液を分泌することから顎下腺での発生 が最も多いという事実。更に唾液の分泌量の多いこどもに唾石症が少ないという臨床事実があ ります。
 一方歯周病の進行傾向の強い患者さんは唾液分泌量が少なく、ネバネバして糸を引くような 状態です。唾液の性状が歯周疾患の進行に関与していると一般に言われていますが、私はその 逆だと考えています。なぜならば、唾液分泌量が少なく、ネバネバして糸を引くような患者さ んも長年(1年以上)毎月の歯石除去を継続していると、分泌量が増えてサラサラに変化して いくからです。私は毎月の歯石除去を歯周疾患進行抑制のために長年推奨しつづけてきました が、その効果としてむし歯抑制にも効果があることを確信するに至りました。考えてみると、 メンテナンスを継続されている患者さんのなかに唾石症を訴える患者さんが皆無なように思い ます。また初診時に唾石症を訴えた患者さんも、その後再発した例もありません。ひょっとし たら、唾石症についても特効的な効果があるのかもしれません。