努力が報われないで二度手間になる可能性がある。
最善を尽くす

日付、時間:Fri Oct 1 20:05:33 Japan 1999    氏名: m、s   
所在都道府県:埼玉   職 業:学生   年 齢:22歳      性別: male  

質問:
はじめまして、こんにちは。現在歯科医院にて治療中です。歯の根の部分の治療に ついて質問があります。
左下第一大臼歯の小臼歯側に穴が空いているらしく、そこに大きな炎症があり、噛むと痛いです。 私はブリッジは嫌なので、穴を金属で埋める治療をしたいと思ったのですが、先生は「穴を埋めた としても歯肉が以前のようにくっつかないし、確実に炎症が治まるとは限らない。そのような危険 な根を残したままにしておくより、穴の空いている根を切り取り、その根と手前の小臼歯をブリッジ でつなげる治療を行なう方が患者にとって総合的にリスクが少ない」と言っています。
しかし、前者の方法はそこの医院の院長先生が著書で書かれていたものです。一体どちらを してもらえば良いのでしょうか。また、両方の治療について具体的なリスクを教えて下さい。 アドバイスお願いします。失礼します。

ご意見・ご感想:
現在の歯科医師の腐敗の原因を制度だけのせいにしてはいけないと 思います。現に先生のように良心的な診療を貫いている方も少なからずいらっしゃいます。 組織の批判にさらされながらも頑張っている本当の歯科職人の先生を心から応援したいです。 将来、医療ジャーナリストを目指している学生より

メールアドレス: d9607731@kokugakuin.ac.jp   ホームページURL: http://

回答  穴の位置と大きさ、それと第一大臼歯近心根(小臼歯側の根)の根管治療の状態によって 選択が異なると思います。“穴”だけでもリスクがあるのに根管治療の不備が重なった状態では “穴の空いている根を切り取り、その根と手前の小臼歯をブリッジでつなげる”方法が良いでしょうね。

 根管治療に問題のない場合ですと、多少痛みを伴いますが歯肉を切ったりして何とか大きな 穴を塞いで例え数年でも使えるよう最善を尽くす方向で治療を進めて欲しいと願います。 “最善を尽くす”という言葉は美しいのですが、ここで患者さんの側にも是非理解していただきたい ことがあります。痛い思いをして、時間とお金をかけて折角治療しても結果が思わしくなく結局抜歯 となった場合でも決して恨み言をいわないで欲しいですね。

 “制度だけのせいにしてはいけない”と釘をさされて言うのも何ですが、素直に ヘミセクションしてBridgeにするのは保険が効きます。ところが製造者責任というか“一度作った ものは2年間そこに関わる治療は無償で治す”という規則がありますので、最善を尽くして思わしくない 結果だった場合歯科医院は無償(最診療等は別)で治さなくてはならないことになっています。 今回のケースでは、1本分の費用を頂いて3本分を治すことになりますので歯科医院としては 全く割の合わない治療であることを理解して頂きたいと思います。

 それぞれのリスクというご質問ですが、根を残した場合には努力が報われないで二度手間になる 可能性があるということです。ブリッジにした場合には健全な歯を削ることになりますので 小臼歯の寿命を縮めることになります。いずれにしても最終的な判断は、状況を一番把握されている 担当医とよく相談されて決めていただきたいと思います。

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