日付、時間:Mon Oct 18 15:16:40 Japan 1999
氏名: HM
所在都道府県:大阪
職 業:歯科大学生
年 齢:25歳
性別: male
質問:
根管充填後にレジン充填をする場合、ベースセメントにて裏装しますが、その理由を
教えて下さい。
日常臨床でベースセメントを使っていないので、正しい使用目的は分かりません。
かつて、生活歯に対してレジン充填を行う際、裏装材は欠かせぬ存在でした。レジンの構成
成分であるモノマーが歯髄に対して為害作用を及ぼすからです。知覚過敏のある楔状欠損は
勿論、ほんのわずかな楔状欠損であっても、レジン充填を行うと術後の知覚過敏が起こったもの
でした。今から15-6年以上前のことです。1級の簡単な充填すら敬遠するありさまでした。
最近のレジンおよびボンディング材は生体親和性に優れほとんどの症例が裏装材なしで充填
可能です。その頃の裏装材の使用目的はレジン中の有害物質の遮断と歯髄賦活が目的だった
と思います。根管充填後のベースセメントもレジンの有害物質が根尖に作用しないような目的が
あるのでしょうか。
それともう一つ、実際に大臼歯の根管充填後のレジン(CR)充填の際にベースセメントとか
コアー用のレジンを裏装?することがあります。これは明らかにコスト削減の意味で行っています。
保険療養規則で定められた費用は、生活歯の充填を基準としています。従ってCRレジンの標準
使用量は比較的小さな窩洞を想定しているはずです。
根管充填後の大臼歯窩洞はとてつもなくおおきな窩洞ですので、莫大な量を使用します。この
大きな窩洞を高価なCRレジンで全て埋め尽くしたらおそらく大赤字間違いなしだと思います。
コアー用レジンもそれ程安いとは思えませんが、“気持ちの問題”として使っています。
それとレジンですと、色調が歯牙と区別し難いので、事あって再び掘り起こす時にものすごく
気を使います。表面は審美性と強度が要求されますのでCRレジンを使いますが、中は本来の
歯と区別する方が治療しやすいので“上げ底”要素と含めて使っています。
教育レベルの解答としては不適切かもしれません。あしからず (^o^)y-~~゜゜゜