炎症の根底には、アレルギー反応の存在があります。
古傷が痛む

日付、時間:Fri Oct 29 1:03:45 Japan 1999    氏名: 中島   
所在都道府県:千葉   職 業:その他   年 齢:歳      性別: female  

質問:
以前に、左上6番コアの歯ぐきがちょうどパチンコの玉の半球のように、盛り上がって 腫れている件でアドバイス頂いたものです。その節はありがとうござ いました。
連休中であった為、休日診療所で、薬を入れる応急処置をしてもらい、やや腫れが収まりました。 そこの先生も、今回腫れた事、何年も前に根管治療した事、特に大きなコアが入っている事等、 いずれにしても「これは、コアはずして、再治療ですね、リスクはありますが...」との 診断でした。

私は事前にこちらのページで、河田先生からも同じアドバイスを頂いておりましたので、根管治療 不必要とする現在の医師から転院を決め、最後の診察に行きました(その奥7番の金クラウンの 印象済みで、そのまま行かないという訳にいきませんでしたので...)。
しかし、その7番クラウンを仮付けした後、456(欠損、コア、コア)の連結の仮歯の調整を、 (特に噛み合わせに力を入れておられますので)、少しずつ何度も調節しながら長い時間かけ てやって下さり、何だか申し訳なくなってきて、私としてはその先生に、根管治療さえやって 頂ければ...という思いで、腫れている6番の根っこについて再度、聞いてみると、「骨も太 いし、私はこれはいけると思っている。」と、強くおっしゃられ、やはり再治療をして頂く事は できませんでした。

とはいえ、この面倒な根管治療をお願いできる先生のあてもなく、又、残業なども続き、さがす 時間がとれず、1週間が過ぎ、10日が過ぎ、気づくと痛みが無くなって(押さえても)、腫れもひい ているのです。歯ぐきも、真っ赤から少し、ピンクがかってきたので、もう1度かかり付けの先生の 所で診て頂いたところ、「よし、よし、やっと固まってきたな。」と、満足そうにしておられました。 確かに、押してみると、ぶよぶよしていたのが、固くなってきています。
根底に根管治療不備という原因を残している場合でも、表面上の症状が、出たり、治ったりする 可能性がありますか?
それとも、今回、私は幸運にも歯ぐきの腫れだけ済み、それが治ってきたと考えてもいいのでしょうか?
でも、緊急診療の先生も、ちゃんとレントゲンを診てくださいましたし、第一あんなに大きい 腫れと、一晩続いた痛みは何だったのか?と、考えてみても、どうも心配です。
どうか宜しく、お願いします。

回答  “古傷が痛む”という表現がありますね。
例えば、爆弾のかけらが突き刺さったまま摘出しきれないで放置していたと想定して下さい。 普段は痛みを感じることなく生活を送っていても、何かの拍子に痛み出すものです。 “雨が降ったら”とか“季節の変わり目”にという表現を耳にしますが、要は体調が崩れて 体力が低下した時に痛みを感じます。

 痛みの直接の原因は炎症(細菌の関与)ですが、その根底には異物(爆弾のかけら)に 対するアレルギー反応があります。アレルギー反応の元(アレルゲン)がある周囲では常に 炎症を起こそうとしています。ところが体調が良いとき(抵抗力の強い時)は、その炎症を 押さえ込んでいます。
 ところが生体の抵抗力が低下すると炎症が激しくなって痛みを感じるようになります。場合に よっては膿を持って大きく腫れることもあります。しかし、考えてみて下さい。アレルゲンの存在 しない場所は、いくら抵抗力が低下しても炎症を起こすことはありません。

 根尖病巣(もしくは歯根破折)等のアレルゲンを残したままでもすぐに腫れるとは限りませんが、 ジワジワと進行しながら時には今回のような腫れを繰り返す可能性は十分あります。
 「リスクをおかして根本的な治療をするよりは、痛みをこらえて末永くお付き合い」みたいな 選択肢もありますので、どちらを選ばれても自由です。ただし、保険外の高いクラウンは止めて おいた方が無難ですね。


日付、時間:Sun Oct 31 19:02:55 Japan 1999    氏名: 中島   
所在都道府県:東京   職 業:その他   年 齢:歳      性別: female  

質問:
河田先生、いつも早速のお返事ありがとうございます。
このまま、今の先生にお任せすると、おそらく根管治療をしないで(爆弾抱えたまま)クラウンを かぶせることになります。私は金属アレルギーで、金かセラミックしか使えず、どうしても自費に なります。
以前の相談で確か、治療箇所について問題がおきた場合、治療後2年間(もう少し、短かったで しょうか)は、再治療の保証が有るというようなことを読んだように思いますが、保険外でもそうで しょうか?
それとも、2年以内に根管治療の必要となるような問題がおきた場合、又、金のクラウン代を払わ ないといけないんでしょうか?
宜しくお願いします。

回答:
 “治療後2年間は、再治療の保証が有る”のは保険診療の規則です(全ての医院が採用している とは限りません)。
 保険外治療については何らの制約も規則もありませんので、全く各医院によって対応が異なります。 しかし、信用問題もありますのでほとんどの医院が数年間(2〜3年?)程度の保証期間みたいな ものがあります。状況といきさつによって個別対応的な要素もありますので、そこのところは事前に しっかりと確認しておく必要があります。
 保険外治療に力を入れていらっしゃる医院ほど、保証もしっかりしているはずです。根管治療の問題 についても確認しておいた方が良いでしょうね。

 ちなみに私の医院では、保険外に力を入れていない分だけ?きっちりした規則はありません。壊れた り再治療になった経緯によって、また、再治療の方法によって無料だったり1/3程度の費用を頂いたり まちまちです。“可及的善意の治療”という曖昧な対応で納得していただいています。

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