日付、時間:Fri Nov 19 1:21:20 Japan 1999
氏名: kon
所在都道府県:大阪
職 業:会社員
年 齢:30歳
性別: female
根管治療の問題は本当に多いですね。基本的な認識として、
「抜髄および根管治療は必ず成功するものではない」という認識が必要です。
かつて(戦前)「神経を取らなくてはならないようなムシ歯は抜歯」が歯科の常識?でした。
今でも発展途上国の多くが抜歯しているように思います。それが、抜髄という術式を行えば
かなりの確率でもうしばらく使うことが出来るという認識に変わってきました。
1度抜髄して結果の悪い歯も、再度の根管治療によって、もう一度再生するチャンスがあります。
その後も何度でもチャンスはありますが、成功率は極端に下がってしまいます。
現状では、“抜髄=抜歯”よりは、少し余裕ができた程度という認識が必要です。従って、
自己防衛的な手段として、極力抜髄になるような状況にしない努力が大切です。早めの治療は
勿論、1度詰めたものも二次カリエスができだしたら早めに治療し直す。1本抜歯すれば隣在歯
を抜髄(必ずではない)してBridgeにしなくてはなりませんので、ボロボロになるまで極力治療して
使うことも必要です。
レントゲンを見て根尖病巣があっても、「すぐ治療」にはなりません。炎症が慢性化して痛みが
ない状態では何も“寝た子を覚ます”必要がないからです。通常痛みがでてからでも同じ確率で
治療が可能です。痛みがある場合は勿論ですが、他の歯に迷惑を及ぼす危険性がある場合や、
歯冠崩壊の可能性がある場合、またBridgeなどの支台にする必要がある場合には、痛みが
なくっても根管治療の対象となります。
私の医院では、根管治療の成功率が約90%程度だと思っていますが、10%が即座に抜歯と
いうわけではなく時々腫れたりしながらも数年間は使えるケースが多いように思います。
(世間一般ではもう少し成功率が低いように認識しています)