抜歯の基準は、診る先生の経験と価値観、それに技術により全く異なります!!
抜歯の基準 U

日付、時間:Tue Nov 30 3:02:07 Japan 1999    氏名: tomoko   
所在都道府県:東京   職 業:学生   年 齢:18歳      性別: female  

質問:
私は子どものころからずっと虫歯に悩まされ、治療を繰り返してきました。奥歯はほ とんど銀歯になってしまい、神経をとった歯も9本もあります。
先日、すでに神経を取った下の左側の歯67の調子が良くなかったので歯医者に行くと、抜歯を しなくてはいけないと言われました。ずっと通っている歯医者なのですが、ほかの先生にも見て もらって、抜歯は決断したほうがいいのでしょうか。
その歯を抜歯するとなるとブリッジには出来ないといわれ、何とか抜かないで処置できないかと 思っています。だけど、先生の説明を聞く限りでは、抜歯は免れないと思いました。それに、その 2本の歯は何度も繰り返し治療をしたので仕方がないのかとも思います抜歯後の治療方針につ いては聞かなかったのですが、どういう風になると思われますか。
また、先生にこのまま歯の管理を怠ると二十歳代で総入歯に、なってしまうといわれました。自分 としては、歯磨きとかもきちんとやってるつもりなんですが、私のように銀歯が多い人は、本当に 若くして入れ歯になるものなのでしょうか。
後、もう少ししたら、ロンドンに留学しようと思っているのですが、少し笑っただけでも目立つ銀歯 のことを、すごく気にしています。今でも、笑うときは必ず手を当てて笑っていますが、これは外国 ではやらないほうがいいと聞いたのですが、とても抵抗があります。ロンドンでは、そんなに銀歯 の人はいないのでしょうか。わかったら教えてください。

ご意見・ご感想:
だらだらと、いろいろ質問してすいません。

回答  抜歯の基準は、診る先生の経験と価値観、それに技術により全く異な ります!! 「下手すれば1年ももたないが、ひょっとすると10年以上保つ可能性のある歯」ってよくあります。 こんな歯は、えてして抜くのは簡単だけど、治療するのは相当な手間を必要とします。

 手間暇をおしまず、残る方の可能性に賭けて治療して、(極端な話)一度でも10年以上機能 させることに成功した先生は、今後同じような症例は保存しようとするでしょう。そこには技術的な 問題と保存に対する熱意の差がでてきます。実際には1度や2度の経験ではなく8割以上 の成功率になるはずです。

 「手間暇かけて、患者さんには痛い思いをさせて、1年も保たないのだったら抜いた方が患者さん のため」という考え方もあります。どちらにも一理ありますし、決断する先生の過去の経験や価値観 の違いが如実に現れます。歯根破折や歯槽膿漏末期のように、誰が診てもダメなものもありますが、 患者さんご自身があきらめ切れない歯は勿論、あきらめている歯だって保存の可能性は 十分あります。
 ご質問の歯も実物を見ていないので確信はありませんが、丁寧に根管治療をしてやればまだ まだ使えるのではないかと思います。

 “銀歯が”というよりも、神経を取った歯は何かとトラブルも多く、永く機能する可能性は低い と思います。最終的な補綴は、抜いてしまったら入れ歯…もしくは保険外でインプラントです。 出来れば1本でも残して連結冠やBridgeにしてもらいたいですね。

 ロンドンの歯科事情は知りませんが、イギリスでは今でも「嫁に行って、歯で苦労しないように 前もって総入れ歯にする」って何かで読んだことがあります。「今でも?」と疑いたくなる話ですが、 10年程前に読んだ本です。
 その辺のことは、ロンドンに行って分かったことがあれば教えて下さい。


日付、時間:Fri Dec 3 1:54:35 Japan 1999    氏名: tomoko   
所在都道府県:東京   職 業:学生   年 齢:18歳      性別: female  

質問:
アドバイスありがとうございました。友達の紹介で別の歯医者に行き、問題の歯を 見ていただきました。その先生は、「7はだめになってしまうかもしれないけど何とか残せそう で、「6は抜歯が必要というご意見でした。 年齢的にも部分入れ歯はかわいそうだと言い、何とか頑張ってみてくださるとのことでした。
また粗悪な治療が多いと言われ、かぶせたものをとってやり直しした方が良い歯や、 かぶせた銀とのかみ合わせが悪いものも何本かあるといわれました。
かなりきつい口調で、このまま放っておけば大変なことになるとか、この年でこんなに悪くしてし まったと反省するなら、しっかり治療を受けることと言われ、次の予約も入れてきました。
しかし、自分では何ともないと思っているかぶせた歯を治療し直したり、これ以上 銀歯が増えるのではという恐怖があり、とても気が重いです。だめだと思っていた「6と「7は何と か7だけ助かるとのことですが、ブリッジも「CD6Fとするとのことで、こんなに銀だらけになる のなら、入れ歯ののほうが白くていいような気さえしてしまいます。 すっかり鬱な私によきアドバイスを下さい。 

ご意見・ご感想:
10代でこんなにぼろぼろにしてしまった患者さんっていますか?いたとし たら、どの位の割合で定期検診に来るよう言いますか?

回答  やっぱり居るでしょ。贅沢言えば「6も残してくれる歯医者が居れば「67連結冠で、「45が 削らずに済めばBestなんですが…「6番の状況が把握できませんので何とも言えません。
 「6番が抜歯だとして、4番は削らずに「D6FBridgeにできないものでしょうかねぇ。 「7番が怪しいので「4番を使う」ということのようですが、「ダメになるものは何れダメ」→ 「保つものなら同じように保つでしょう」と考えると、「D6FBridgeにしておいて、「7がダメに なった時点で「67インプラントって方法もあります。

 “粗悪な治療が多い”というのは想像がつきます。“銀歯が悪いのではなく、粗悪な治療が悪い” ということですので、徹底的に治してもらって下さい。一連の言動をお聞きして、信頼できそうな 先生だと思いますよ。

 “銀だらけになる”ことに関して、全てを保険外ですれば満足な美観になるでしょうがいくらお金 がかかるか問題ですね。前歯部は保険の 硬質レジン、大臼歯 と下顎の小臼歯は保険の銀歯、上顎の小臼歯部分だけを保険外の メタルボンドにすれば随分感じが良くなりますよ。勿論、“粗悪な治療→根管治療をキッチリ やり直して”を前提とします。

 “10代でぼろぼろ”は少なからず居ます。おそらくもっとヒドイのもあるでしょう。そんな人にも 他と同じように、「毎月おいで」と言いますがほとんど来ません。数年経って、もっとぼろぼろに なって仕方なしに来るのが普通です。
 間隔としては、やはり1か月ごとくらいが適当でしょうね。

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