一般に感染根管治療のレベルが低い!!
歯根端切除術を選択

日付、時間:Sun Dec 5 4:25:39 Japan 1999    氏名: M.I   
所在都道府県:茨城   職 業:会社員   年 齢:31歳      性別: female  

歯根端切除術
基本は徹底した根管治療!
歯根端切除術
歯根をカットして下から
根管を閉鎖します
質問:
初めまして。先日、風邪をひいた時、体の抵抗力が下がっていた為か、下顎の 親知らず(第3大臼歯)が痛み出し、近くの歯科医院に初めて行きました(引越しの為)。
レントゲンを撮った結果、まっすぐ上に生えているし、上の第2大臼歯と一部かみ合っており、 虫歯でもないとのことでしたが、歯茎が押されて変形している上、また何時、歯茎が膿んで 腫れ痛み出すか解らないし、抜歯しようと考えています(現在は、腫れも治まりました)。 その方がいいですよね?

ところで、この時撮ったレントゲンで、前歯(上顎中切歯)に膿みが溜まっていることが判明し ました。7年位前に神経を殺し、保険外(メタルボンド)で差し歯にした歯です。差し歯にした時、 体の抵抗力が下がっていたのが原因では?と言われました(ちなみに、もう1本の前歯も、 自分の歯にメタルボンドでかぶせてありますが、神経は生きている為、大丈夫でした)。
 現在、痛みはまったく無いのですが、かなり大きいらしく(鼻まであと1cm位)、先生はいず れ蓄のう症にもなりかねないので、膿みを取り出す必要があるとおしゃっています。
治療の方法としては、

  1. 差し歯を抜き、膿みをだし(薬で)、その後ゴムのようなものを詰める(感染根管治療)。
    治療中は、週2日のペースで通院しなければならない。但し、完治する可能性は、切開に 比べ少ない。再発した場合、同様の治療をするか切開に踏み切る。
    現在の差し歯は、留め具(ボルト)が異常に長いため、抜く時点で割れてしまうか うまく抜けたとしても、現在薬が歯根の中に1/4位しか詰まっていないので、作り直しが必要 との事でした。保険外(メタルボンド)で作った歯だったので、ちょっとショックです。しかも、 治療後、またメタルボンドで差し歯を作ったとしても、再発していたら、再治療でその差し歯も 駄目になるので、再作成は保険内で作った方が良いのではとも言われました。 でも、前歯なので色とか強度の問題が気になります。
  2. 歯茎を切開し、膿みを取り出す(歯根端切除術)。
    完治する可能性は高いが、傷跡が残る。術後、数日は顔が腫れる。
    完治する可能性は高いし、現在の差し歯はそのままで良いとのことです。ただ、傷が残ること、 あと、もし歯根の一番外側の部分が膿みに汚染されていたら、歯根の先端を切除しなければ ならないとの事です。
の二通りがあると説明されました。 やはり、早く完全に治りたいので、実は2.の切開を選び、近くの大学病院の口腔外科を紹介され ているのですが、この選択が果たして良かったのか、今更ながら不安です。同じようなケースを ホームページで拝見させていただきましたが、
1.の治療の方が一般的なのでしょうか?
2.の場合は、傷跡はかなり目立つのでしょうか? また、歯根も汚染されている場合、切除は仕方ないのでしょうか?
切除による後々の弊害(例えば、歯茎の後退?)も気になります。

また、最初に戻りますが、親知らずの抜歯、その時見つかった虫歯の治療もしなければならない のですが、膿みの治療と同時にはできないとの事でした。膿みの方は、痛みが無いのですが、 やはり先にするべきでしょうか?それとも、その間虫歯が進行してしまう事を考えると、虫歯と 抜歯を先にするべきでしょうか?
アドバイス頂けたら幸いです。大学病院には7日(火)に行く予定で、この時、手術の説明や日程 を決めることになりそうです。  

ご意見・ご感想:
親知らずで行ったつもりの初めての歯科医院で、突然、大学病院で切開 手術が必要と言われ、事故も大病もしたことが無い私は、すごい不安に駈られました。
とにかく、自分の病状の情報を集めようと、はじめたばかりのインターネットで、このホームページ を見つけた時には、本当に救われた思いでした。同じような症状の方がたくさんいる事を知り、 また、1人1人に対する河田先生の的確で良心的なアドバイスを拝見して、現実には無理ですが 、河田先生の所に通院したくなった位です。また、ちょくちょく訪問させていただきます。 実は、投稿するまでに、すでに何度もお邪魔していまして、バックに流れるピアノの曲覚えちゃい ました。心が和むメロディーですね。

メールアドレス: mayurin@postpet6.so-net.ne.jp   ホームページURL: http://

感染根管治療
リーマ
基本はリーマやファイルによる機械的清掃!
回答  “体の抵抗力が下がっていた為”に親知らずが炎症を起こしたのはご指摘の通りだと思います。 炎症を起こすような原因(この場合親知らず周辺に蓄積した歯石など)があるから、抵抗力の低下 と伴に炎症が起こったもので、原因となる親知らずを抜歯するのが正解です。

 一方、上顎中切歯の根尖病巣は“抵抗力の低下”よりむしろ根管治療に何らかの不備があった ものと思われます。
原因は、根管内に貯留した汚物ですから、この汚物を何らかの形で処理してやるのが 根本的な治療方法です。

  1. 感染根管治療:折角装着した高価な補綴物ですが、除去しなければなりません。 それと、根管内に挿入された金属ポストを除去しなければなりません。多大な労力が必要ですし、 運が悪ければポスト除去時に歯根が破折して全く使い物にならなくなる可能性もあります (術者側から言わしていただけば、リスクと労力が異常に高く、反面対価が安すぎて全くの不採算 です)。
     ただし上顎前歯ですので、上記の処置およびあとの感染根管治療も比較的ヤリ易いとは思います。 一般に感染根管治療のレベルが低いので、ここでも難航が予想されま すが、この方法が最善です!!
  2. 歯根端切除術:上記の完璧な感染根管処置→根管充填が行われたのちに、あまり にも根尖病巣が大きすぎるために正常な治癒が得られ難い場合には 根尖部掻爬術が有効です。術後に残る傷なんて、どうせ見えないところですので全く問題 ありません。
     ところが、今あなたが選択しようとしている術式は、肝心の根管内の汚物を除去していない 訳ですから、掻爬だけですと絶対失敗します!
     そこで必然的に根尖部を切除して下から封鎖(臭いものに蓋)する 歯根端切除術が必要となってきます。今時は顕微鏡下で行わ れるmicrosurgeryもかなりの信頼性が確保されていますので大学病院レベル(それと ほんの一部の開業医)だとひょっとすると成功するかもしれません。
 上顎中切歯には緊急的な症状がない訳ですから、今更あせって治療する必要はありません。 まず、親知らずやムシ歯の治療を済ませてから感染根管処置をじっくり行ってください。

返信:
早速、ご回答頂きありがとうございます。 膿みの原因が、根管内の汚物だとは思わなかったので、根尖部掻爬さえすれば完治するものだと 思っていました。原因を基から絶つべく、まず感染根管治療をして、それで思わしくなかったら、 根尖部掻爬をやろうと思います。
そこで、質問なのですが、

  1. 上記の手順で治療した場合、歯根端切除術は必要なくなりますか?
  2. 運が悪ければポスト除去時に歯根が破折して全く使い物にならなくなる可能性もあります。   とのことですが、歯根が破切するとどうなるのでしょうか?(その時の処置は?)
  3. 根管内に挿入された金属ポストを除去することはリスクと労力が異常に高い、また一般に感染 根管治療のレベルが低いとのことですが、根尖部掻爬で紹介された大学病院で感染根管治療が 受けられるなら、そちらで受けた方が良いのでしょうか?
  詳細を記しますと、筑波大学附属病院 口腔外科です。再度、アドバイスお願いします。

回答:
 基本的な操作が的確に行われていれば、歯根端切除術は必要ありません。但し、根尖病巣 が大きすぎて正常な治癒が妨げられる場合には根尖部の掻爬が必要な場合もあります。  “歯根が破折して全く使い物にならなくなる”ということは、抜歯です。従って両サイドの歯を 使って、Bridgeにするか、インプラントを植えるか、部分入れ歯にすることになります。勿論それ程 高い危険率ではありませんし、確実に?ダメになる歯根端切除よりははるかに優位な選択だと 思います。

   “感染根管治療”のレベルは全国的に低いというのは事実ですが、何処が高くて何処が低いか までは知るすべもありません。私自信医学部の口腔外科に所属しておりましたので、その後も折りに 触れ医学部口腔外科の根管治療の結果を見ていますが、あまりお勧めできる状況とは思えません。
 歯科大学の歯内療法科(本職)なら問題はないのですが、口腔外科の専門はではありません。 評判の良い開業医を探す方が無難なような気がします。

返信:********1999.12.09******************
こんばんわ。再度のアドバイスありがとうございました。 先生に言われた通り、評判の開業医を探して、根管治療をしようと思っていた私です。 しかし、既に、紹介された大学病院に診察予約を入れてしまっていたので、とりあえず病状を診て もらうだけのつもりで行ったところ、担当になった先生から、レントゲンを見たり、歯をたたいたりし た診察の後、次のように言われました。
************************************ ***********

「やはり、差し歯を抜いて、根管治療するのが一番良いでしょう。但し、容易に差し歯が抜ければ の話です。あなたの差し歯の金属ポストは、根管のかなり深くギリギリまで挿入されており、残って いる根管はわずか1〜2mmです。ここまで長いポストだと、破折する可能性がかなり高く、抜くと したら抜歯覚悟ですね。もっとも、抜歯すれば確実に治癒できますがね。
でも、そういう場合、自分の歯を残すことを優先し、根尖部の掻爬、歯根端切除をします。その時、 金属で根管にふたをするのが通常ですが、それには、残っている根管が短すぎます。たぶん金属 ポストが、ふたからつき出てしまって、うまく封鎖できず、逆にその金属ポストの細菌に感染してしま い、今より悪い状態になる可能性が高いでしょう。 また、一連の手術をして、治癒した人の割合は 全体の70%位です。残り30%の人は成功しなかったということです。
どちらにしても、難しいケースです。現在痛みが無いのに、治療をすることによって、抜歯になったり、 痛い思いをして手術をしても思わしい結果は得にくいでしょう。治療による、デメリットが多いので、 痛みも無いんだし、このまま様子を見たらどうでしょう。やっぱり、少しでも長く自分の歯で物が噛め た方がいいでしょう?もし痛み出したら、その時点で治療を検討してみては・・・。
とりあえず、3ヶ月後にもう一度レントゲンを撮って、現在の膿みの大きさと比べ治療するかそのまま にするか考えましょう。大病でもしない限り、悪さをするものでもないし、昔の感染後が残っているだ けかも知れません。」
************************************ *************

前向きに根管治療を考えていたのですが、現状維持の方が良いと言われ、迷っています。 差し歯を抜くなら、抜歯覚悟でと言われたのも、後ずさりの要因です(破切する可能性の方が 高いらしい)。痛みが無い今、抜歯覚悟でも、根管治療するべきですか?
それとも、痛み出さなければ、膿みをそのままにしておいても問題ないですか?
膿みがあるのに、一生痛み出さない、大きさも変わらないなんて都合の良い事はあるのでしょうか?
やはり何もしないと、病巣は大きくなってしまい、いずれ痛みだすのでしょうか?

再度、レントゲンを撮った結果、現在の病巣はそれほど大きなものではないとの事でした。 (最初の歯科医院の先生は、いずれ蓄のう症になってしまうかもと言っていましたが・・・?) お手数をかけすみませんが、再々アドバイスいただければ幸いです。

回答:
 基本的には大学の先生が言われた意見に賛成です。
“いずれ蓄のう症になってしまう”かも知れませんが(そこまでいくかなぁ?)、それから対応しても 結果は同じです。ポストが深く、除去することが本当に不可能な状況こそ“歯根端切除術”の本当の 適応症です。開業医の言う、“苦しい時の神頼み”的な歯根端切除は危険度一杯ですが、そのような 状況の元で下された診断であるならば、私も同じ結論を出すと思います。

 “一生痛み出さない、大きさも変わらないなんて都合の良い事”はないでしょうが、痛みが出てから でも同じ処置が可能です。但しその時に、安易な歯根端切除を選択しないで、予知性の高い 顕微鏡下でのmicrosurgeryを選択するように心がけてください。
 それと、相当な難航が予想される問題の歯よりも、今現在何ともないと思っている他の歯を 現状のまま保存する努力を忘れないで下さい

返信:********1999.12.10******************
幾度にも渡るアドバイス、本当にありがとうございます。今すぐ、治療するのではなく、痛みだした 時点で歯根端切除(予知性の高い顕微鏡下でのmicrosurgeryを選択)に踏み切ろうと思います。
 膿みの件がとりあえずは、一段落?したので早速、見つかっている虫歯の治療に入ろうと思って います。

ここで、またまた質問なのですが、上顎の第1小臼歯と第2小臼歯の間、それに第2小臼歯と 第1大臼歯の間に虫歯があると言われました。同様に4と5の間、5と6の間もです。
 審美性と強度を考えると、第1、第2、第4、第5小臼歯は、保険外のハイブリットインレー (フィラーとマトリックスとの複合素材)を入れるのが良いとの事です。
 保険内のレジン?は割れやすく、あまり勧められないとのことでした。但し、第1、第6大臼歯は、 奥歯で力がかなりかかる為、とても割れやすいので金属の方が適しているとのこと。 その際、保険内のパラジウムでも良いのだが、歯の形になじみ、後々虫歯を再発させにくい ゴールドインレー(20K)の方が良いのではと勧められています

お金のことで恐縮なのですが、パラジウムは@¥1000位に対し、ゴールドインレーは @¥35,000もします。しかも2本だから、さらに倍の¥70,000。
歯になじむことや、再発が少ないことを考えると、やはりゴールドはいいのですか?
パラジウムよりかなり高額な金額を支払っても余るメリットはありますか?
ちなみにハイブリットインレーは@¥18,000で、4本治療で¥72,000。全てのトータルに消費税 含めると¥150,000もかかります。

他の方々に比べると大した金額では無いかもしれませんが、今のところ、全然痛みがない 虫歯達の為か、急な出費に感じられてしまって・・・。 でも価値があるなら、考えないこともないなと思い質問しました。ご意見、お聞かせください。

回答:
 第1小臼歯の近心(手前の犬歯との間)にムシ歯はないんでしょ?
だったら、全部保険の インレーにしたらいかがですか。小臼歯部分が どうしても気になるようでしたらハイブリットインレーでも良いかも知れませんが、強度的には どうしても信頼おけません。

 臼歯部は腕さえ確かなら保険のインレーで十分です。私には、「歯の形になじみ、後々虫歯を 再発させにくいゴールドインレー(20K)の方が良い」という感覚がどうしても理解できません。 金属の値段が¥1500→¥3000(1本分約1500円+αの違い)高い分だけは良いとは思いまが、 それよりも、毎月のメインテナンス!!

歯根端 切除術 歯根端 切除術 歯根端 切除術 歯根端 切除術 歯根端 切除術 歯根端 切除術 歯根端 切除術