日付、時間:Mon Dec 6 9:50:30 Japan 1999
氏名: A.K.
所在都道府県:東京
職 業:会社員
年 齢:25歳
性別: female
質問:
12月4日に「妊娠中の歯痛について」送信をさせていただいたA.Kです。
すぐに回答をのせてくださり、ありがとうございました。 歯のことは当事者にとってとても
切迫した問題なので、本当にうれしかったです。
さて、その後ですが、金曜日・土曜日と2日間眠れない夜を過ごし、日曜の朝に耐え切れず
産婦人科に電話をしました。「バファリン」を飲んでもよいということだったので2錠服用し、
昼になっても効果がないのでまた電話をしました。「もう2錠飲んでもいい」という回答しか
得られなかったので、「歯医者にいってよいか」ときくと「まだ週が早い(つわりがひどい)の
で治療はできないかもしれないが鎮痛剤をもらってくるように」というお話をいただきました。
鼻も痛く、鼻の下がひどく腫れてしまっていたので日曜診療の歯科に行ったのですが、
「(主治医でないので)レントゲンもないし、妊娠11週では不安なので薬も出せない」といわれ
ました。
痛みによるストレスで疲労が深まり、医師の見解もそれぞれ違うので困っています。昨夜は
夜中に耐え切れずに「バファリン」を服用し、それは少し効いたので、3時間ほど眠ることがで
きましたがまた今朝は強い痛みがあります。
このまま我慢していれば痛みはやわらぐのでしょうか。 妊娠前にかかっていた歯科医に行く
べきでしょうか。 「バファリン」を少しなら服用してもよい、という少しとはどのくらいの間なので
しょぅか?
医療は常に「有効性と副作用」「メリットとディメリット」を天秤にかけて、相対的な判断の元に
治療方針を決定していきます。薬の効能書きには必ず「妊娠中の投与に関する安全性は
確立していないので、妊娠又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険
性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。」と書かれています。
サリドマイドのような特殊な事例を除いて因果関係の証明されるような事例は全くないのです。
でも妊娠って何が起こるか分からないので、誰も責任を取りたくないのです。“触らぬ神にタタリ
なし”ではないですが、「何もしないで、何かが起こる」ことよりも「何かして、何
かが起こる」ことを恐れています。
医薬メーカーもですら、過去に何ら障害も起こっていないのに防御線を張っています。それを
いくらまでなら大丈夫なんて言えるドクターがいるはずもありません。基本はあくまでも、過去に
事例はないけれども、“触らぬ神にタタリなし”です。見解が違うのは当然だと思います。
最後は自己責任の元に決定するしかないでしょうね。
前回にも指摘した通り、“痛みによるストレスで疲労が深まり”よりはあっさり麻酔をして神経を
取った方がリスクが少ないと思います。これは、私の技術と過去の経験から導かれた結論であって、
技術と経験の異なる全てのケースにあてはまる結論ではありません。