強烈なアレルギー反応さえなければ、炎症は成立しません。
喫煙と歯周病

日付、時間:Sun Sep 6 21:26:36 Japan 1998    アクセスポイント:kobe9ds76.hyg.mesh.ad.jp
氏名: 芝田忠始    所在都道府県: 兵庫   職 業: 会社員   年 齢: 32歳     
   性別: male  

質問:
喫煙と歯周病との関係について先生のお考えをお聞かせください。

メールアドレス: vega@muj.biglobe.ne.jp   ホームページURL: http://

タバコ 回答  医学的にタバコが、「百害あって一利なし」であることはいうまでもありません。 ただ、ここでは“喫煙と歯周病との関係について”に限って回答させていただきます。

 喫煙と歯周病との関係について世界中の学者が歯周病のリスクファクターとして 指示しているのが現状です。私もその意見は間違っていないと思います。しかし、 その程度というか関与する割合に対する見解に大きな開きがあります。

 歯槽骨の破壊を主とする歯周病の直接の原因は“炎症”です。炎症の成立には、細菌 の存在とそれに対抗する生体の免疫力が関わっていて、その均衡が破れた時に炎症が 起こります。タバコの害は、間接的に免疫力の低下につながりますので、できることなら 喫煙は遠慮した方が無難でしょう。ところが、無尽蔵ともいえる細菌の数を目に見えるほど 減少させることが不可能であるのと同じで、禁煙したからといっても目に見えるほどの 強靱な抵抗力を獲得することも不可能ではないでしょうか。

 炎症の成立過程において忘れてはならない(世界的に忘れられているように思いますが…)のが アレルギー反応です。生体にとって致命的ともいえる歯石に対する 強烈なアレルギー反応さえなければ、細菌が存在しても…少々抵抗力が低下しても 炎症は成立しません。

 「結核には静養が第一、静養しかない」と言われた時代もありました。静養の重要性は 今も昔も変わりませんが、原因が結核菌と確定して、特効薬が開発されたとたんに静養の 重要性は低下しました。“喫煙と歯周病との関係”も同様ではないかと認識しています。 医学の原点は、「原因の除去」です。トゲ(異物)が刺さって炎症を起こせば、細菌を 排除するよりもトゲを完全に除去する事を優先すべきではないでしょうか。

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