Bridgeの支台となる歯は、骨植堅固な歯に限る。
ブリッジの設計

日付、時間:Fri Dec 10 14:19:08 Japan 1999    氏名: T.I   
所在都道府県:兵庫   職 業:会社員   年 齢:33歳      性別: male  

質問:
 ブリッジの設計を力学的にしないと、歯が早くだめになってしまうと人から聞きま したが具体的には、どう言うことなんでしょうか?教えてください。
また、汚れの溜まりにくいブリッジとは、どんなものなんでしょうか?教えてください。

回答  例えば上顎の1番(中切歯)や3番(犬歯)の歯は、歯根も長く咬む力も結構強い歯です。 それに比べて、2番(側切歯)の歯は、歯根が細くて短い分だけ咬む力が弱く、Bridgeの 支台にした時の負担能力も低いと言われています。

 力の弱い2番欠損で、|@2BBridgeは力学的に安定しています。ところが力の 強い3番が欠損した場合、|A3CBridgeだと2番に能力以上の負担がかかって 早期に破折したりする可能性があります。ですから、|@A3Cという設計にしなくては いけないということになります。
 また、Bridgeは両方に支台歯があってこそ強い咬合圧に耐えることが出来ますが、 |@A3Bridgeのような設計では|@Aにテコの原理による過剰な咬合圧 がかかってしまいます。このように保険規則では、歯1本1本に咬合負担能力の数値を当 てはめて、複雑な計算方法でBridgeの設計を行っています。

 「実際の運用にあたって、このような規則が患者さんのためになっているか」というとかなりの 疑問が浮上してきます。|A3Cでも大丈夫なケースが多い(10年前までは保険でも可) のに、健全な1番まで削らないと保険は通りません。どうしても1番を削りたくなければ高い費用 をだして設計上問題のある|A3CBridgeにしなくてはなりません。
 それとこの規則を厳密にみつめると、「骨植堅固な歯に限る」という恐ろしい文言が 記載されています。「骨植堅固」…つまり歯槽膿漏に犯されていない、ムシ歯の程度もほとんど ない歯しか支台歯として利用できないことになっています。
 周囲の歯がしっかりしていて、Bridgeの支台となる歯が健全であった方が、誰が考えても長持ち するに決まっています。40・50歳になって歯槽膿漏も進行して少々ぐらつき気味の歯は、厳密には 保険のBridgeはできないことになります。「長持ちする可能性が少ないからBridgeはできません。 入れ歯にしましょう。」というのが親切で患者思いの設計なのか…。

 “汚れの溜まりにくいブリッジ”も案外不評のようですね。歯のない部分には汚れが溜まり易く 歯肉炎の温床になりがちです。この解消方法として、“汚れの溜まりにくいブリッジ”というか 溜まっても清掃しやすいBridgeを設計します。
 具体的には、歯のない部分にはダミー(ポンティック)がはいります。このダミーが大きくて 隙間を全て埋め尽くしてしまうようなものですと装着感は良いのですが、わずかな隙間に汚れが 入り込んで清掃不能状態になってしまいます。
 反対に、粘膜に接する部分を極力(場合によっては全く)接しないようにしてやれば汚れが 貯留しにくく、また例え汚れが付着しても大きな空洞になっていますので清掃が容易です。 言葉では理解しにくいと思いますが、実際にはこの両者の中間的なダミー形態が実際に 一番多い形態です。

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