日付、時間:Sat Dec 18 23:36:33 Japan 1999
氏名: j.k
所在都道府県:東京
職 業:会社員
年 齢:52歳
性別: male
質問:
始めまして、私は青梅市に住む52歳男性です。最近奥歯がぐらぐらするので歯医者
に行きました。歯医者では歯周病(歯槽膿漏?)のため、このままでは歯が抜けますよと言われ
ました。実は反対側の奥歯が一昨年に抜けています。
先生の説明だと、歯の土台の骨を増やすため、他の骨を移植する事をすすめてくらます。その骨
というのが2種類あり、「牛の骨」を原料としたものと、「冷凍何とか」が有るがどちらを使うか決め
ろとのことです。それぞれの違いは何かと聞いたらば「あまり変わらないよ。どっちも同じだよ」との
ことでした。次に行く時までに決めることになりました。
この事を会社の同僚に話したらば、「冷凍何とか」は死体から採った骨だとのことでした。これは
本当ですか?
更に牛の骨は狂牛が心配だ、死体の骨はエイズが心配だぞとアドバイスをしてくれました。これは
本当に危なくないものなのでしょうか。教えて下さい。
今回行った歯医者は十分な説明が聞けず、不満がいっぱいだ。そこで、別な歯医者に変えるつも
りです。先生の所でも、このような骨を使うのでしょうか。このやり方はどこの歯医者でも普通に行
っている治療なのでしょうか?
先生はどの骨を使う治療をやってますか。骨はどれくらい入れるのですか。少しなら良いですが、
たくさん入れるのは怖いですね。先生は1ヶ月に何人位の患者に使っていますか。他の人にも使
っているのであれば良いが、私だけだと心配です。人体実験はお断りです。
先生が毎月大勢の患者に使って、実績があるならば安心できます。1ヶ月に何人位の患者が私と
同じような骨を埋める手術を行うのですか。先生、とても心配です。今の質問のことを教えて下さい。
メールアドレス: fwbc1156@mb.infoweb.ne.jp
ホームページURL: http://
失われた歯槽骨の再生療法は色々な角度から検討されていますが、私の経験と理論からは
現状の方法ではほとんど不可能だと認識しています。
骨の移植もその中の一つですが、私が再生の夢を描いて移植したのは10年以上前のことです。
当時移植に使用した骨は、全くの無機成分から作った人工骨(
ハイドロキシアパタイト・HAP)でした。そののち、ご質問にあるような牛骨や人骨から作った
移植骨が販売されるようになりましたが使用経験はありません。
人工骨の移植では、おそらく日本一の臨床症例を経験したと自負しておりますが、10数年を経て
「骨の再生」という件に関しては「???」です。移植直後は、骨組織のような役割もありましたし、
10数年を経過して良好な予後を保っている症例も多くあります。また反面、移植した人工骨が
長年の経過後異物と認識される状態となり、炎症の原因となって再掻爬(人工骨の除去)を行う
症例も少なからず存在します。
臨床的な意義としては、「当時保存不可能として抜歯されていた歯を、手術することにより
予想以上に長期間保存できる」ことが実証されたことです。
高温で処理していますので“狂牛”とか“エイズ”の問題はないと思いますが、骨移植を併用
することにより手術そのものが保険適応外となり高額な負担がかかることと、有用性を考えると
あまりお勧めの方法ではありません。
ただ、歯周疾患治療に熱心な先生が少ない中、骨移植をしてまでも歯牙保存に取り組む姿勢
は高く評価できます。骨移植材を使用しない、現状維持を目的とした
FOp(歯肉剥離掻爬術)と徹底したメインテナンスをお願いされてはいかがでしょうか。
返信:
ありがとうございます。お忙しい中を判りやすい説明に深謝します。
再度、主治医の先生に詳しくお聞きしてみます。