難治性の歯肉炎症やしつこい口臭には何らかの形でカンジダ菌が関与。
カンジダ菌の検出

日付、時間:Sat Jan 15 19:17:56 Japan 2000    氏名: Hide.W   
所在都道府県:福島   職 業:歯科医   年 齢:41歳      性別: male  

質問:
河田先生のホームぺ−ジ楽しく拝見させて頂きました。特にアムホテリシンBに関し ましては、新聞等を見た患者さんからかなり反響がありまして、薬剤師さんといろいろ話をして いる次第です。
大変不勉強な者で、こんな初歩的な質問をするのはどのようなものかと思ったのではありますが、 1点お聞かせ下さい。根管治療や歯周疾患の治療におきまして、カンジダ菌の存在やそれが原因 であると診断するときに、(たとえば根管治療時には根管培養などを使用しますが)何か臨床的に 有効な検査方法や機具等がありましたら是非御教え願いたいと思います

メールアドレス: YIZ11471@nifty.ne.jp   ホームページURL: http://

回答  根管治療の基本は根管内の汚物(歯髄を含めて)の徹底(機械的)除去と、死腔(根管口)の 完全封鎖だと認識しています。従って、根尖部からの血液や排膿が著しい場合を除いて、全て 即日充填を原則としています。この方法で90%以上の治癒率が見込めます。
 失敗の原因は解剖学的な問題を除けば、ほとんど全てが血液等の混入によると認識していま すのでカンジダ菌の関与する余地がないと思っています。根管培養の器械はありますが使った ことがありません。

 一方、歯周疾患に対するカンジダ菌の関与に関しては、カンジダ菌が歯周疾患の原因であるとは 思ってはいませんが、難治性の歯肉炎症やしつこい口臭には何らかの形でカンジダ菌が関与して いるように思います。
 “歯周疾患のコントロールにはプロフェッショナル・トゥースクリーニングが一番(歯石の徹底排除)” というのが持論ですが、どうもそれだけでは解決しない症例が何例かありました。感覚的には1% 未満です。そのような症例にアムホテリシンBを含嗽剤として試して みたら「なるほど効果があるワ」というのが現状です。

 それまでは、典型的な粘膜症状のあるものについては大学病院に送っていましたが、かなりの 症例を見過ごしていたかも知れません。今後はもう少し早い段階で、カンジダの培養検査(あるは ずですが具体的な薬品名は知りません)を行って有効に活用したいとは思っているのですが…。 この方法を積極的に行うには保険療養規則との絡みで躊躇して いるのが実際のところです。
 臨床的には、“徹底的な歯石除去と定期的なメインテナンスを行っても歯肉状態が改善しないもの” 程度の曖昧な返答しかできません。

返信:
河田先生、さっそく大変御丁寧なResありがとうございました。
私も今後、このご意見をもとに臨床に役立てたいと思います。 以後、頻繁に先生のページを拝見させていただくと思います。 今後ともよろしくお願い致します。また、タイムリーなもの新しい物、判らないこと がありましたら、また教えていただきたいと思います。 まずは御礼まで。

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