大臼歯は通常3根管ですが、4根管もそれ程珍しいものではありません。
4根管の大臼歯

日付、時間:Sun Jan 23 12:50:13 Japan 2000    氏名: booker   
所在都道府県:埼玉   職 業:会社員   年 齢:34歳      性別: male  

質問:
上の右側第2大臼歯です。10年以上前に神経を取ってしまった歯なのですが、数年 前に歯と歯肉に違和感(うづくような)を覚え、右側の軽い頭痛、右側の目の下、頬のあたりにじ んじんとした感じが続いたため、当時かかり付けの歯医者へ質問したところ(なんでもない、気に しすぎだ)とのことで別の歯医者へ行きまして、なるほど歯肉に脹れた後があるとのことで根管 治療を再度行ってもらいました。
ところが数週間ほどするとまたしても違和感を覚えるのでまた別の大学病院へ行ったところ、再 度根管治療を開始していただいたのはよいのですが、数回治療を行ってもなおらず、いれる薬を 何度か変えてみようとのことでしばらく続けましたが、一向に改善はなく、しかもその先生と助手 の学生さんと2人でなにやら原因不明のような話しをするばかりで私には詳しく説明してくれませ んでしたが、どうやら何度か治療をしても根管からの出血がおさまらないようです。
そこで別の方の知り合いの紹介で別の大学病院で再度受診。根管治療を開始していただきまし て、詳しく話しを聞くことができました。これが約1年前ですが、その時の状況は、根管に清掃の 器具を入れると、一定のところで強い痛みがあり、やはり出血する。その出血が止まらないので (何回か清掃しても)おかしいとのことでした。
”なんで出血が止まらないんだろう?まあ、悪い血は出たほうがよいのだけど”と、その先生はか なり悩んでいる様子。そして、あなたの歯の神経の管は4本ある。ともいわれました。通常の人の 神経と比べ、その位置、長さがかなり違うともいわれました。また、歯が割れている可能性もある。 といわれました。
しかしながら原因不明で、出血も止まらない状態のまま、一旦、管を密閉されてしまい、仮歯をつ けられ、”これで一度かぶせて様子を見てみましょう。割れていたとしてもかぶせることによって 強度を保てますし、根管も念入りにやったので、おそらく直ると思いますよ。しかし最悪の場合は 抜歯を覚悟しておいてください。それでもその歯を特定することは困難なので、特定できないまま 抜歯してしまうのも危険だ!(もしかしたら原因は隣の歯かもしれない)といわれ、不安なまま、 通院を中止し、現在にいたっています。
現在はやはり違和感があり、ものを噛むと強い痛みが出る場合もあります。ブラッシング時など 歯のまわりから出血もあります。いったい、神経が4本などということはありえるのでしょうか?
また、根管治療が不完全で、歯のまわりから出血することなどあるのでしょうか?
また根管治療は、管内清掃中、出血や痛みが残っている時点で完了してしまうものなのでしょうか? (私の経験では昔はそうでなかったような気がしますが?痛みが収まるまで数回も通院した記憶が ある)
根の病気が原因で、上顎洞炎、敗血症などということは本当にあるのでしょうか?
正直、もう、どうしてよいのか判らない気持ちです。思いきって抜いてもらったほうがよほど気が楽 な気持ちです。なにとぞよろしくお願い致します。

ご意見・ご感想:
インターネットが普及したおかげで情報が多く得られるようになりましたが、 一人でその情報をつかんだだけではその分悩みも多くなったような気もします。しかし、先生の ように直接お話をしていただける方がおられるのはありがたいことです。

メールアドレス: booker@mbf.sphere.ne.jp   ホームページURL:

回答  上顎第一大臼歯と第二大臼歯は通常3根管ですが、4根管もそれ程珍しいものではありません。 存在する場所が非常に紛らわしいところですので、見逃す確率が非常に多いのも一つの特徴です。 “レントゲンでみても根管治療が完璧なのに…”という時には4根管目の見落としを疑って 治療しなおすのが鉄則です。

 根管の特徴として、非常に細く、弯曲しているので治療の成功率も低いようです。根管からの出血 は、弯曲部分で異なった方向に突き抜けてしまったのではないでしょうか。解剖学的な形態上やむを 得ないことかも知れません。また、担当医のおっしゃる通り、根が割れている可能性もあります。
 複数の大学病院でも改善の見込みがないようですので、その根はあきらめないといけないようにも 思います。ただ、そのあとの対応として、歯を全て抜歯するのではなく悪い根だけ部分的に抜歯 ( ヘミセクション)すれば少しいびつな形にはなりますが、歯としては まだまだ機能しますので是非そちらの方向で検討された方が宜しいかと存じます。

 根管治療に問題があれば、治療中の出血もありますし、場所的に上顎洞に近接していますので 上顎洞炎もあります。敗血症についても臨床検査レベルでは頻繁にあるみたいです。ただ症状 を発現するに至るのは非常に稀なことのように認識しています。

返信:
日曜日にもかかわらず、さっそくのご回答ありがとうございます。大変感謝いたしております。
やはりそうなのでしょうか?
今までの先生達の話しかたなどで、根管が特殊な形状をしているだろうことは察したつもりでしたが、、、 いよいよあとは思いきって、いずれ歯医者さんへ再度かかる他ないわけですが、ここで、前回か かった(抜いたほうがよいとおっしゃった)先生や、または別の歯医者さんへ、いきなり素人の私 がへミセクションをやってください!とお願いしたところでまともに受けとっていただけるか少々疑 問があります。
根管治療時出血の継続が認められる状態で仮にそれが好ましくない状態なのかを判っていたうえ で充填をされた先生ならなおさらです。今現在症状に変化ないわけです。 大学病院では治療開始前にCTスキャンで頭部全体を見るなどしてもらいましたが、どうも悪いよう には見えないとのことでした。しかし根管から血が出てきました。

また現在、別の歯の治療で別の歯科医さんへかかっていますが、最近のレントゲン結果では、どの 歯の根も特別悪いようには見えないということを言われておりますので、やはりいきなりヘミセクショ ンやってくれといって納得していただけるか疑問です。
現状、食事困難なほど痛むわけではありませんし、目に見えてどこかが腫れているのがすぐわかる というほどではなく、症状が軽微に見えるため言い出すほうも難しいのですが。
私が一番心配なのはこのまま数ヶ月、数年経過して、症状が悪化したときに歯医者さんへ行くと、 大変なことになっていた!ということなのです。 覚悟としては今後、半年毎、または3ヶ月毎と定期的に検診をしていただく等の気持ちはありますが、 そういった段階でレントゲンなどで、根の先の病気が発生、成長しているようなことはわかるようなも のなのでしょうか?

よろしくアドバイスお願い致します。できることなら、このように親身になって話していただける先生に 直接お世話になりたいものですが、、、、

回答:
 有効な対処方法としては、ヘミセクションしかないように思いますが、問題はヘミセクションが可能な 歯かどうかというところです。第二階臼歯ですから場所的に、やり難いことと、歯根の形がヘミセクシ ョンできる形態かどうかです。CTを撮って、実際に根管治療をなさった大学病院が一番適切な判断 をしてくれると思います。
 根管充填に関しては、ヘミセクションや抜歯を決断する前に「うまく行けば治る」可能性に賭けて、 一度は試してみる価値がありますので別段誤った判断だったとは思えません。

 ヘミセクションとて完璧に治癒するかどうかは分かりません。特に根の形態によっては不完全な 処置しかできない場合もあります。現在それ程痛みもないようですので(これは不完全ながらも できる限りの根管治療と充填をしたからだと思います)、しばらくそのまま様子をみるのも一つの 選択です。おそらく、3根管の充填は問題ないでしょうから、悪い根管は歯の内側にあるものと 思われます。従ってレントゲンでも確認し難い状況のように思います。
 それでも数か月毎にレントゲンを撮っていれば、もっと悪くなった時点で確認できるようになる はずです。手前の歯に影響を及ぼさない限りそのまま使っていても問題はない可能性が高いと 思います。それからでもヘミセクションは可能ですし、最悪でもその歯を全て抜歯すれば済むこと です。

 専門用語を使う患者さんというのは確かに嫌われる傾向があるように認識しています。 「ヘミセクションをしてくれ」よりは「悪い根っこだけを取る(抜く)ことはできませんか?」程度の 方が言いやすいのではないでしょうか。

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