日付、時間:Thu Feb 3 21:22:57 Japan 2000
氏名: H.S
所在都道府県:東京
職 業:会社員
年 齢:23歳
性別: female
質問:
前に「黒い石」で投稿させて頂いた者です。
先日歯医者に行きましたところ虫歯ではなく歯茎の中にある歯石が取れたモノだと分かりました。
歯間ブラシで引っ掻いた為取れたらしいです。
さて今回は、親知らずについて質問させて下さい。黒い石の件で歯医者を訪れたときついでに気
になっていた歯茎に埋まっている親知らずの生え方を見ていただいたところ見事に横向きに倒れ
ていました。が、もう成長が止まりかけているらしく、押して隣の歯を痛めるということは少ないらし
いのですが、炎症を起こすと骨が削られ7番の歯に少なからず影響があるだろうから、ど
ちらかといえば抜いた方がいいでしょうと言われました。が、右側の方が神経と動脈の筋に重なる
様に写っており、たぶん大丈夫だろうけど最悪神経が傷つくこともあるかもしれないと言われまし
た。
抜いた方がいいのでしょうか。また、炎症が原因だとして、炎症を起こさないようにすれば何とか
なる(炎症を起こさずにできる方法)のでしょうか。ご助言宜しくお願いします。
神経を傷つける可能性を持ち出されると抜歯を勧めるトーンが
急激に下がってしまいますが…。完全に埋まっていて全く臨床症状がないのであれば抜く必要
はありませんが、一部でも萠出している、もしくは萠出したも同然の状態で、少しでも臨床症状
がある場合はできるだけ早く抜歯すべきだと思います。
私自身、何千本もの下顎智歯を抜いて幸いにも知覚麻痺を起こした経験はありませんが、
知覚麻痺の可能性が全くなく安心して抜歯したのは10%程度です。常に知覚麻痺の危険性
を背中で感じながら抜歯しています。「できることなら関わりたくない」といつも心の中では思っ
ています。
それでも抜歯を推奨するのは、抜歯をしなかったために大切な手前の歯を失った症例を数多
く見ていることと、ある種の開き直りで自分自身と患者さんを納得させている部分があります。
歯を抜いたくらいの刺激で知覚麻痺が起こる症例というのは、本当に智歯と神経が近接して
いるというよりは密接している症例です。もしその歯を放置しておいたら、必ずや、炎症が神経
に波及して場合によっては神経を腐らせてしまう状況です。もし、神経が腐ってしまったら、それ
こそ生涯痺れっ放しで回復の見込みは全くありません。その点、抜歯による痺れはあくまでも
外傷ですから回復期間は長いにしろいずれ回復するものです。一生痺れっ放しよりになるより
は、一時的な麻痺を起こしてでも抜いた方が良いという決断です。
究極の話をすると非常に重苦しくなってしまいますが、常に危険を感じながらも99.9%は何事も
ないのが現状ですのであまり深く考えないで、「少しでも症状のある親知らずは、今後ますます
症状がヒドクなるので早めに排除しておく」程度に考えて決断された方が良いのではないでしょう
か。