発赤・腫脹・疼痛や違和感・排膿が消失するまでSRPやP-Curを行うべきです。
SRPの適応

日付、時間:Sun Feb 6 17:07:56 Japan 2000    氏名: k.k   
所在都道府県:東京   職 業:歯科衛生士   年 齢:22歳      性別: female  

複根歯におけるSC/RPの効果
除石
1歯につき10分以上除石
Fleischer & Mellong : J.Pero,1989
質問:
 先生からの早速のお返事ありがとうございました。合わせて歯 石の除去率、歯周組織検査などのページも拝見しました。
そこでまた疑問が生まれたのですが、4mm以上のポケットにはあまり歯石除去が期待できない という事ですが、実際、臨床の場では4mm以上のポケットの方は数多くいらっしゃいます。 他の文献を読むと歯周ポケット掻爬は3mm以下のポケットで初期歯周炎と歯周外科処置の 全処置とあります。という事は、3〜4mmの浅いポケットがSRP、P-Curの適応症なのでしょうか。
ポケットの数値も含め、どのような症例(歯肉状態など)に対してSRP,P-Curを行えばよいか、と 同時に歯周外科手術の目安としてはどのような状態(歯肉)、ポケット数値で行えばよいのですか?
やっぱり5mm以上が目安でしょうか。実際には5mm以上を目安にSRPを行っているのですが、 これでもよいのでしょうか。

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回答  教科書的には、曖昧な表現より具体的な数値で示す方が誤解がなくて良いのでしょう。 実際の臨床では、4mmも5mmも変わりませんし、手術の行うかどうかの判断基準として、1箇所でも 5mmを超えたら手術するかというとそうでもないでしょう。
 対称となるブロックがほとんど全てが5mmを超えたら手術になるでしょうし、その中に2mmの個所 があっても手術すると思います。患者さんの理解度や体調も考慮しなければなりません。

 歯石が残っている場所というのは、歯肉が発赤していたり、押すと排膿があったりして臨床的 には歯石の存在がわかります。表に示した統計は、あくまでも“複根歯”を対称としていますし、 或る研究機関でのデータです。実際の臨床もこのデータと大差はないように認識しています。
 いくら丁寧に歯石の除去を行っても、歯肉を剥離してみると必ずといって良いくらい歯石の 残留が確認されます。また反対に、盲嚢が1〜3mm程度の部位は手術する程でもなかったと実感 しています。

 臨床的には、発赤・腫脹・疼痛や違和感・排膿が消失するまでSRPやP-Curを行うべきです。 その際、6mmを超えるような個所が多い時には早めに手術をした方が双方にとって楽な選択 である場合が多いように思います。勿論、手術をする場所についてもできるだけ術前に歯石を 取って歯肉状態を少しでも安定させておくことが、手術をより完璧に行うためのテクニックである ことは言うまでもありません。

 それと、これは個人的な経験に基づく処置方針ですが、あまり早期の歯周外科処置は行わない 方が良いように思います。結構、SRPやP-Curと後々のメインテナンスで現状維持は保てるもの です。周囲の状況との絡みで、5mmを超えた部位でもしつこくSRPやP-Curを行うことは賛成です。  そこで、一つ要注意なのは、“象牙質知覚過敏症”です。基本的には薬剤塗布を主流とした 知覚過敏処置を行いますが、あまりしつこいとかヒドイ知覚過敏に対しては抜髄が重要な選択肢 です。抜髄の意義は、急激に歯槽骨破壊を招くいわゆる“上行性 歯髄炎”から保護する役目と無髄歯の優位性を引き出す 役目があります。

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