歯根吸収は止まらない。
歯根吸収

日付、時間:Wed Feb 9 22:55:25 Japan 2000    氏名: m.i   
所在都道府県:東京   職 業:会社員   年 齢:29歳      性別: female  

質問:
上顎前突のため、矯正のための検査を受けたのですが、そこで大変ショックな診断を 受けました。
レントゲンによると、前歯2本の歯根がかなり短く、抜けるのは時間の問題であるため、通常は 小臼歯を抜歯して、スペースを作るところ、前歯2本(1)を抜歯し、(2)を前歯として、中央に寄せ るとのことでした。もちろん、歯根が短い場合、矯正での歯の移動は無理です。確かにレントゲン では(1)の歯根は露出部分の半分ほどしかなく、実際に少しぐらぐらしています。今のうちに治療 しておいたほうがよいのではとのこと。
もともと、前歯が大きくトレードマークのようになっていたため、これを抜歯するべきか悩んでいます。 前歯を抜歯して矯正を始めるのが最良の方法なのでしょうか。それとも矯正はあきらめて前歯が抜 けるまで現状で通し、抜けてしまったら、差し歯にするほうが賢い選択なのでしょうか。
また、歯根吸収を食い止め、治療することは可能なのでしょうか。歯根吸収の原因は不明ですが、 11〜13歳ぐらいのとき、犬歯が裏を向いて生えてきているとのことで矯正治療を行っていたせいか、 もしくは前歯がこれ以上出てこないように、ときどき指で押していたことが原因でしょうか。
ちなみに、下顎の歯列もでこぼこしており、矯正する場合は(5)を左右抜歯するとのことです。 (5)の歯根が(4)より、短いためです。以上、よろしくお願いいたします。

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回答  一般に歯根吸収は、“打撲”や“過度な矯正力”が原因とも言われていますが、詳細は分かって いません。何れ、吸収した歯根部分が生体にとって好ましくない状態と認識されたために、破壊 されたものと考えられます。この“好ましくない状態”を解消することが歯根吸収を食い止める 根本的な治療ですが、残念ながらその方法は全く確立されていません。
 歯牙長期保存を考えるならば、歯周疾患抑制、必要に応じて根管治療や連結固定を積極的に 行うべきでしょう。

 1|1を抜歯して矯正をするとなると、治療期間中の審美性の確保が難しく、最終的にも 大きさの違和感が残る2|2が一番目立つ場所にくるわけですから補綴の力を借りなけれ ば満足できる審美性は確保できないのではないでしょうか。歯の寿命を犠牲にしてまで行う割に は得られるメリットが少ないように思います。  今の外観に余程嫌悪感があるのならば矯正も選択肢かも知れませんが、長期保存を重視して 最終的にインプラント(さし歯ではなく)、もしくは周囲の歯を使ってBridgeにする方が現実的だと 思います。
 下顎の矯正も、“でこぼこ”が決して好ましい形態とは思いませんが、何の目的で矯正する 必要があるのか理解できません。

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