日付、時間:Thu Feb 24 0:04:04 Japan 2000
氏名: М・М
所在都道府県:東京
職 業:会社員
年 齢:30歳
性別: female
質問:
ちょっと変な質問で申し訳ないのですが、ちょっと聞かせていただきます。
私はいわゆる出っ歯なのですが、(下の歯と前歯は完全に噛み合いません)ほっとくとどんどん
出っ張ってくるなんて病は存在するのでしょうか?
ちなみに私はと言えば、たまに会う両親には別に何にも歯については言われてはいないし、(昔
からそいう出っ歯だったよ、と、いわれはしましたが。(笑)。)親知らずも全部ぬいてあります。
ただ、ふと気になったもので。こんな質問わざわざ歯科医院まで行って聞けないものですから、
くだらないとは思いつつ、質問させていただきました。
お忙しいところ申し訳ありませんが、回答のほどお願いします。
人間の歯は、元来“近心移動(傾斜)傾向”があります。
後ろの歯が前歯方向に向かって、経年的に移動や傾斜してくる傾向です。
例えば第一大臼歯を抜歯したまま放置しておくと、後ろの第二大臼歯は前方に向かって傾斜し
たり移動してきます。一方手前の第二小臼歯は、噛み合せの状態によっては後方へ傾斜するこ
ともありますが原則として後方へは移動しません。
綺麗な歯並びですと、いくら後ろから押されても均衡を保って大きな変化はありませんが、ちょっと
でも歯列よりはみ出した歯ですとますますはみ出してしまいます。更に歯槽骨がしっかりしている
うちは少々押されても現状を保っていますが、歯周疾患により歯を支える歯槽骨が少なくなっていく
とこの傾向はますます顕著に現れてきます。
また、極端な場合は奥歯を仮に全部抜いてしまったようなケースでは、奥歯の支えがなくなって
前歯に極端な咬合圧がかかりますので、上顎前歯部は容易に前方へ飛び出してしまいます。
そこまで極端な例ではなくっても、臼歯部に被せを被せる場合に少しずつ低くなる傾向があります
ので奥歯の治療本数が多くなれば同じような傾向が見られます。
年をとると(通常50歳以上)出っ歯の人が多いのはこのためです。
“年と伴に出っ張てくる”のは、それ自体病気ではありませんが、歯周疾患の進行に伴いより顕著に
なってきますので歯周疾患の抑制に努めてください。
質問:
早速のご回答有難うございました。あと一件だけ質問させて下さい。
今後、もし、やはり前歯が出てきたなあ、という事態になった場合は、やはり治療をした方がよい
のでしょうか。そして、もし、治療した方がよい場合はどのような治療があるのでしょうか。
やはり、矯正とかになるのでしょうか。それとも思い切って抜いて、差し歯、とかになるのでしょうか。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
“やはり前歯が出てきたなあ”といっても周囲の状況やその時の年齢によって対処方法が異なる
と思います。
まず第一にそうならないように、進行を最小限に留める努力が必要です。その結果、多少目立つ
様になった時点での選択ですが、“歯の健康と長持ち”を最優先させるのであれば、そのまま歯周
疾患と歯冠崩壊を最小限に留める努力を続けることをお勧めいたします。
審美性を優先させるのであれば、矯正も選択肢にはいりますが、歯周疾患の進行状況と経済的な
問題が絡んできます。また、前歯部に大きなカリエスが発生して歯冠補綴の必要があるような状況
ですとさし歯という選択肢も大きくクローズアップされてきます。