日付、時間:Thu Mar 9 1:07:11 Japan 2000
氏名: 不安です
所在都道府県:兵庫
職 業:その他
年 齢:44歳
性別: female
質問:
こんばんわどうしても不安なのでお聞きしたいにですが、先週の3/1(水)に右上顎5.6.7
の位置にたんかんでインプラントを3本入れる手術を受けたのですが・・・
(先生がおっしゃるには、「3i」と言うインプラントで一回めのオペでネジのようなものを埋め込み半
年ほどインプラントが骨にキチンとくっつくまで待って半年後にまたオペして土台をつくり仮歯を入れ
最後にメタルボンドを入れる、2回手術式だそうです。)
で、不安な事と言うのは、今日でオペ後1週間経ったので抜糸していただいたのですが先生は気が
つかれなかったようで「綺麗にインプラントも肉の中に埋まっているし傷口の経過もいいですよ」と言
われたのですが、家にもどって食事後うがいをしてよくみたら歯茎に埋まっているはずのインプラント
の金属らしきものが一部分だけ見えているのです。
明日は休診だし、インプラントはオペも滅菌状態で感染には極めて気をつけないと怖いと聞いていま
す。オペ後から今現在まで、傷口からインプラントの金属が見えているというのは今後どのような影響
が出るのでしょうか?
このまま、放置しておいてあいた傷口から細菌に感染してインプラントを撤去しないといけないという
事になどならないでしょうか?
インプラント体が歯肉から露出したことについては心配はありません。
1回法という術式の場合は、最初からインプラント体が口腔内に露出した状態です。歯肉内に
埋まった状態の方が“何か安心感”があるみたいですが、歯肉の厚みや緊張状態によっては
埋入式の場合でも露出してしまうことがあります。
露出部分を清潔に保つことは勿論ですが、そのために失敗に終わることは考えられません。
インプラントの失敗は、生体親和性の良い・万人にアレルギー反応が起こらないはずのチタン
を素材としています。皮膚アレルギー程度ならチタンに変えてやればほぼ100%アレルギー反応
を起こさないチタンも、生体組織内(骨内)に埋め込んだ場合にはわずかながらもアレルギー反応
を起こしてしまいます。わずかなことですので、ほとんど(95%以上?)の人にとっては問題には
ならないのですが、抵抗力の弱い人にとっては炎症を起こしてしまって失敗に終わってしまいます。
現状では最善であるはずのチタンですが、成功率が必ずしも100%でないのはこのためです。
従って仮に失敗したとしても、それは生体抵抗力の問題であって露出の影響は考えられない
ということになります。
ちなみに私の経験でも、3例ほど露出しましたが全て問題はありませんでした。
質問:
こんばんわ早速の明瞭なお答えに、どれだけ気持ちが楽になった事でしょう。本当に
ありがとうございました。
引き続き、お聞きしたいのですが、主人も左上顎67の歯がなく、私がインプラントオペを受けて
以前に私がうけたFlapオペに比べると術後が痛みもそれほどなくラクそうにしているのを見て、
自分もインプラントを入れようかと考えはじめているようなのですが、インプラントは喫煙する
人は適応外だと主治医の先生から聞きました。主人はタバコを1日一箱ほどすっているよ
うなのですが・・。喫煙する人がインプラントのオペを受けて、まんがいち私のように露出した場合、
先生のおっしゃるように、アレルギーの原因になるんでしょうか?
主人には、「予後のケアーに悪い影響がでるらしいし、タバコをやめないとだめよ」とは言ったもの
の本数を減らすぐらいしかできないようなのです。それと、インプラントの撤去の原因のひとつは喫
煙だとも聞いたのですが。
返信:
タバコは“百害あって一利なし”という見解は間違っていないと思います。煤煙や有害物質の含ま
れる飲料水などを摂取していると生体の抵抗力が疲れ果てて低下するのと同様に抵抗力を少なか
らず低下させていることは間違いないと思います。
全く同じ抵抗力の持ち主が、喫煙するとしないとではおそらく、いくらかの差が出るだろうことは
想像できます。だから「インプラントは喫煙する人は適応外」というドクターもいるとは思いますが、
これはちょっと間違いというか言い過ぎだと思います。喫煙による抵抗力の変動よりも、元来の抵
抗力の差の方が圧倒的に差が大きいからです。
エイズ患者は無論のこと、糖尿病・風邪をひき易い人・化膿症の人・アレルギー体質の人・歯周
疾患罹患傾向の強い人などは抵抗力の弱い人だと思います。インプラントの成功率は95%?だと
すると、このような人を除けば数%上昇するでしょう。同じく、喫煙する人を除けば1%程度成功率
が上昇するかもしれません。
別にタバコを推奨するわけではありませんが、タバコの迷惑は別にして、1%程度能力が劣るから
と差別するのは公平な医療供給をするサイドからは望ましくない発想だと思います。治療の成功率
を高める観点からすれば、上記に該当する方々は全て排除すればあらゆる治療効率は上昇するは
ずです。それは社会的に問題があると思いますが、禁煙権を盾に、喫煙者を差別するのはいかがな
ものかと思います。
そんなことよりも、後々のメインテナンスや歯周疾患のコントロールをしっかりすることを心がける
べきではないでしょうか。