日付、時間:Mon Mar 13 4:13:49 Japan 2000
氏名: M.I
所在都道府県:茨城
職 業:会社員
年 齢:32歳
性別: female
質問:
こんばんは。 以前、上顎中切歯(差し歯)の感染根管治療
・歯根端切除術について質問した者です。
実は、最近になって、いくらか病巣が痛み出しました。歯を叩くと響く、鼻の下を強く押すと鈍い
痛みがあるといった程度で、膿は歯茎から出たりはしていませんが、診察して頂いているT大学
病院で再度診てもらったところ、歯根端切除の手術をする運びとなりました。
以前、河田先生から「ポストが深く、除去する事が本当に不可能な状況こそ歯根端切除術の適
応症であること。その際、予知性の高い顕微鏡下でのmicrosurgeryを選択するように心がけるこ
と。」をアドバイスされていたので、その旨を担当医師に伝えたのですが、どうもその方法はやって
いないらしく、目視での手術になりそうなのです。
大学病院レベルなら、目視でも大丈夫なのですか?
それとも、それこそ安易な歯根端切除なのでしょうか?
河田先生の薦める予知性の高い顕微鏡下でのmicrosurgeryを選択したい場合、関東近県では、
何処で行われているかご存じですか?
実は次回の予約が17日(金)となっていて、そのとき手術予定です。情報がございましたら、教え
てください。よろしくお願いします。
また、これは確認なのですが、根管治療ができない場合、根の先が汚染されていようがいまいが
歯根端切除は必須なのですよね?
剥離し病巣を取り除き、逆からゴムのような詰め物をしただけでは治らないのですよね?
ご意見・ご感想:
何度もお世話になります。先日、k先生のところに、なんとか根管治療がで
きないものかと足を運びました。やはり、破折する可能性大で差し歯を抜くのは難しいとのことで
したが、とても丁寧に対応して頂き 、治療に対する不安がかなり解消されました
。これも河田先生のお陰です。ありがとうございます。
メールアドレス: mayurin@postpet6.so-net.ne.jp
ホームページURL: http://
歯根端切除術のポイントは、汚物の貯留した根管を根尖方向から如何に封鎖して閉じ込めて
しまうかです。
根尖部の病巣除去は可及的に行いますが、それは掻爬が目的ではなく出血し易い不良肉芽を
排除して完璧な封鎖を行うために手術野確保が目的です。上顎前歯部ですから手術としては
一番ヤリ易い部位ですが、それでも出血を抑えて確実な封鎖を行うことは至難の業だと思います。
まして、根尖部付近まで挿入された金属ポストが障害となって封鎖方法が難しそうです。
個々の大学の治療方法とレベルを全く知りませんので、“目視”だからといっても判断はできませ
ん。“顕微鏡下でのmicrosurgery”については、井澤常泰先生が自信
をお持ちのようですので、メールでお聞きされてはいかがでしょうか。
診察の結果は、意外で、レントゲンで診ると問題の差し歯が虫歯かもしれないので抜歯覚悟で差
し歯を抜いて治療した方がいいのではとのことでした。
しかし、今まで3人の先生に診ていただいて、虫歯だと診察されなかったことと歯を残すことを優先
して、虫歯ではない可能性にかけ、顕微鏡下で病巣をとることにしました。
手術についての説明の際、病巣を取り除いた後が、ぽっかり空洞になるので、壁に膜のようなもの
を貼り、体に吸収される素材でその穴を埋めること。膜の方は日本でも手に入るが、埋めるものは、
個人的に輸入して使っていること。海外では臨床があるが、日本ではここでしかやっていないこと。
入れた後は、多少違和感が感じられることを言われました。
通常、骨が再生されるのを待つところ、なぜそんな性急に埋めなくてはいけないのか?
そのような異物を入れて大丈夫なのか?
素人なりに、心配してしまいます。手術はまだ先なのですが、このような方法、素材について聞いた
ことがありますか?
最先端の方法なのでしょうか?
返信:
“膜”は“ GTR”に使用するメンブレン、“吸収される素材”は
人工骨のようなものではないでしょうか。学会レベルでは“有効”と
認められている手術方法ですが、個人的には使用することに反対です。
生体の基本的な創傷治癒は、“原因の除去”です。この場合、原因である根管内の汚物を
封鎖することが完璧であれば、欠損した骨は必ず回復します。骨の回復を早めるとか
回復形態を整えることを目的とした処置だと思いますが、何か本筋からズレた発想のように認識
しています。ただ、悲しいことに、私の考え方の方が歯科界の中では異端です。
手術の目的は、病巣を除去することではありません。あくまでも汚染された根管の封鎖ですので
その1点を押さえれば、骨の回復は付いてくるものです。“膜や人工骨?”は手術の成否には関係
ありませんので、できることなら使わない方が良いのですが、反対に使用しても悪くもないというの
が私の認識です。