メインテナンス(定期健診)と早期発見・早期治療の方がより効率的な抑制手段と思っています。
細菌バイオフィルム

日付、時間:Tue Feb 9 1:07:34 Japan 1999    アクセスポイント:34.gate8.chiba.att.ne.jp
氏名: Sango    所在都道府県: 千葉   職 業: 歯科関連   年 齢: 歳     
   性別: female  

質問:
はじめまして。私は、歯科衛生士をしておりますが、是非、お尋ねしたいことがあります。 お答え頂けたら、幸いです。
最近、歯周病のメインテナンス(細菌バイオフィルムの除去)に、超音波スケーラーが使用される ようになりましたが、どういう、原理なのでしょうか?また、いろいろ超音波スケーラーでも、 種類がでていますが、どういうのがいいのでしょうか?
さらに、スウェーデンなどでは、薬液(ヨード)を使用(超音波スケーラー使用時に、一緒に。) していますが、それが、最も、効果的なのでしょうか?また、詳しく載っている書籍などがありましたら、 教えて頂けないでしょうか?
それから、もうひとつ・・・。ある、講習会で、キシリトールで、「ミュータンス菌を減らす効果があるのは、 チューインガムという形式のものだけである。キシリトールの入った、キャンディーや、タブレット状の もの、含そう剤なども発売されているが、これらには、ミュータンス菌を減らす効果は、今のところ、 発見されていない・・・。」という話しを聞いたのですが、その、真意を知っていましたら、 教えていただけないでしょうか・・・。その時は、聞けなかったものですから・・・。 質問ばかりで、申し訳ありません。では、失礼します。

回答  私の医院では開業以来、超音波スケーラーを使っていますが、細菌バイオフィルムの除去 という感覚よりも新たに付着した汚物(歯石やプラーク)の除去と根面の処理(覚醒)を目的 として使用しています。同じ超音波スケーラーを使うわけですから効果も同じようなものです。  スケーリングが細菌叢の破壊が目的であるならば、薬液の併用も有効な手段であると思わ れますが、使って悪い事はないでしょうがそれほど大きな実績を挙げているとは思いません。 超音波スケーラーは使うことに意義があるものの、多少の違いはあってもどれも大差はない と思います.私の医院では、より効率を高めるために air frow (松風)を使っています。

 キシリトールガムですか。初めて聞きました。作用時間の関係からガムだけがミュータンス菌 に対して有効なのでしょうかね。キシリトールの虫歯抑制作用は、

  1. 虫歯菌(ミュータンス菌)に対する作用
    ミュータンス菌の発育を阻害して細菌数を減少させます。
    ミュータンス菌をはじめ、口腔内細菌によって代謝されないので歯を溶かす“酸”を産生しません。
  2. プラークに対する作用
    多糖体の合成が起こらないのでプラークの沈着量と付着性を低下させます。
  3. ムシ歯に対する作用
    実質欠損を伴わない白斑程度の初期カリエスでは、再石灰化が生じます。
  4. 唾液に対する作用
    ガムなどに応用した場合、唾液の分泌を促進して口腔内の自浄作用を高めます。
ですから、ガムがより効率が良いにしてもそれ以外のものはダメということにはならないの ではないでしょうか。寝る前にはガムを噛むよりはうがいをする方が自然ですし、ガムを噛むには ふさわしくない状況やタブレットも食べたい時もあります。キシリトール製品の中から、何か一つを 選ぶとすればガムが最良かも知れませんが趣味と状況によって好きなものを選べば良いと思いますよ。 キシリトールだけが虫歯抑制の最良の手段とは思えません。メインテナンス(定期健診)と早期 発見・早期治療の方がより効率的な抑制手段と思っています。

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