歯根吸収に対しては、残念ですが有効な対応策はありません。
歯根吸収

日付、時間:Sun Apr 2 1:24:22 Japan 2000    氏名: H.T   
所在都道府県:東京   職 業:会社員   年 齢:27歳      性別: female  

質問:
先生のホームページに 歯根吸収のことが出ていたので メールをださせていただきました。
先日、歯のかみ合わせが悪いため、歯医者さんを訪れました。レントゲンをとったのですが、ショ ックなことに、上前歯(1)2本が「歯根吸収をおこしている」と言われました。まだぐらぐらしていま せんが、抜けるのは時間の問題と・・。本当にショックです。
18歳ころ、矯正をはじめたのですが、後戻りにはかなり気を使っていたのみかかわらず、すぐに 元に戻りはじめました。また、前歯がすこし内側に入っているため、かみ合わせも悪いです。前歯 が内側に入っているため、根が歯茎に収まりきらず、歯根吸収が起こっているのではないかといわ れました。このままどんどん進んでいくのでしょうか。どのくらいのスピードで進行するものなのでしょ うか。
かみ合わせ改善と、少しでも歯根を歯茎に収めるよう、無理を承知で矯正するか、このまま寿命を 待つか、どちらがいいのでしょうか。 また、抜けてしまった後は、ブリッジということになると思いま すが、これも不安です。見た目に目立ちますか・・・。

ご意見・ご感想:
たくさんのQ&Aが充実していました。またのぞかせていただきます。

メールアドレス: eos201@d4.mnx.ne.jp   ホームページURL: http://

回答  歯根吸収に対しては、残念ですが有効な対応策はありません。
歯の神経が腐って、根尖病巣を作ってしまったとしても満足な根管治療ができません。このような 状態で更に矯正することは状況の悪化を招くようなものだと思います。早期接触によるかみ合わせ があるのであれば、目立たない程度に歯を削って解消する方が良いのではないでしょうか。

 過度な外力が極力加わらないような状況に持ち込めば、意外と長期間口腔内に存続しつづける 可能性もあります。歯周疾患の進行は歯の存続に大きく影響しますので、歯石の除去とメインテナ ンスを継続して極力進行を抑制する努力が必要です。

 不幸にも歯を失ってしまったのちの選択としては、常識的にはBridgeという選択になると思います が、その場合、犬歯〜犬歯とかなり大掛かりな設計になってしまいます。この場合の選択としては、 欠損部分にインプラントという選択がかなり理想に近いように思います。


返信:
早速のご回答本当にありがとうございます。
先生のご回答を聞いて、すこし心が落ち着きました。落ち着いてなんとか歯の延命を図るベストな 方法を探そうと思います。最初の落ち込みは相当なもので、心配のあまり睡眠不足が続きましたが、 別に命がなくなるわけではないですものね。心配ばかりしても仕方がない!

昨日、ご回答をいただく前に、大学病院と、咬合を専門になさっている歯科を訪れました。どちらの 先生も、歯を少し削ることを考慮に入れておられましたが、さらに噛み合わせが変わってくる可能 性を考えると怖いということ。そして、やはり矯正はすすめられませんでした。
私も最初の矯正を本当に後悔していますし、先生のご回答を読んで、踏みとどまることが出来ました。 (実は、矯正をはじめたきっかけは、歯医者さんに、「歯並びが悪いので矯正しないといつか前歯 が抜けてしまうよ」と脅かされたからなのです。それが、まさか矯正をしたためにこんなことにな るなんて、想像もしなかった・・)

大学病院では、スプリント(歯軋り防止装置)を入れれば、寝てる間の圧力は緩和できるのでは、と 言われたので、昨晩、寝てるときの歯の状態に注意してみました。そして、かなりきつく噛み締めて いることに気づきました。それも、私はうつぶせに寝るくせがあるので、上下の圧力よりも、下顎を 前に押し出そうとする力がかなりかかっていました(受け口に戻りたがっているのでしょうか?)。
そのとき、下の前歯が上の弱っている前歯を強く押しています。これをなんとか防止したいのです が、スプリントでも、上下だけでなく、前後の圧力を緩和できるのでしょうか?
あお向けに寝れば済むことでしょうか。もちろん、今晩からは絶対あお向けで寝るつもりです。

また、咬合を専門になさっている個人歯科の先生は、何か練ったものを奥歯に乗せ、奥歯をすこし 高くして、前歯がぶつかる前に奥歯がぶつかるようにしてはどうかと提案してくださいました。 調整後、治療済の銀歯(何本かあるのです)を大きめに変える必要がでてくるかもしれないというこ とです。この方法には、かなり興味を覚えました。スプリントでは、寝ている間しか効果がありませ んが、こちらの方法ならば、食事の時の不具合も解消されるような気がするからです。今、この治 療法に気持ちが傾いています。
唯一気になるのは、一度かぶせた銀歯、しかも深い虫歯だった銀歯をはずしても大丈夫なのかと いうことです。はずして新しいものをかぶせるには、少し歯を削るということになると思いますが、少 しなら問題ないのでしょうか?

ところで、他の歯科を訪問するにあたり、今かかっている歯医者さんにレントゲンをゆずっていただ きたいと申し上げたのですが、患者にレントゲンを渡さないことにしているとのこと。 新しい歯科が決まれば紹介状を書くことはできるとのことですが、そういうものなのでしょうか?
今の先生は、吸収を発見してくださり、とても感謝しているので心苦しかったのですが、できれば、 レントゲン写真を持って、納得の行くまでできるだけ多くの歯医者さんに相談に行きたいのです。 過去にかかった矯正の先生を訪れてみたいとも思っています。もし資料が残っていれば、どのくら い吸収が進行しているかがわかるからです。

かなり長々と書いてしまいました。質問については、もし、お手すきの時間があれば、教えていただ ければ幸いに思います。 このように正直に自分の悩みを告げる場所があるというのは幸せですね。 こうして書いているだけで、少し気持ちが整理されてくるようです。
これからは、後悔がないよう、ベストを尽くして徹底的に歯について理解し、納得した上で治療を受 けようと思います。先生のホームページは本当に勉強になり、また大きな励ましとなりました。心より 感謝申し上げます。ありがとうございました。

返信:
 かみ合わせのきつい前歯を少々削るくらいはどこの歯医者でも日常行っていることで、それ程かみ 合わせを狂わす程の危険性はないと認識しています(奥歯を削るのとは大きな違いです)。それより も、奥歯を挙上することの方がはるかに咬合への影響は大きいと思います。
 かなりの経験をお持ちの先生のご意見のようですが、削って咬合を低くするのと挙上するのとでは 正反対の行為で挙上する方が問題が少ないのも事実です。しかし咬合の変化量は多大なもののよう に思います。全身への取り返しのつかない悪影響も懸念されます。

 顎関節症治療においては、全身症状を緩和するために咬合調整(削合)や挙上を行いますが、これ は不快症状を変化させてより快適な咬合位置に導くためです。前歯の延命のために、問題のない咬 合位置をいじると、「何も全身症状が出なくて当たり前、出たらどうするの?」と非常な危機感を覚えま す。
 全身障害の危険を冒してまでも前歯の延命を望みますか?かつての二の舞の心配は? もし前歯が抜けても、インプラントやBridgeでの回復が可能です。そちらの選択の方がより自然では ないでしょうか?

 レントゲンに関しては、各医院に3年間の保存義務がありますので、それをお譲りすることは法に 触れてしまいます。規則って元々は患者さんのためを思っての定めのはずですが、ゆうずが効かな いというか時としては多くの不利益をもたらすことが多いように思います。
 規則なんてなくっても、倫理観にまかせておけば万事うまくいく世の中なら良いのですが…。

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