日付、時間:Tue Apr 11 8:34:34 Japan 2000
氏名: HM
所在都道府県:東京
職 業:歯科医
年 齢:36歳
性別: male
質問:
はじめまして。先日アメリカのインプラント学会に参加してきましたが、そこにLIndheが
きて講演してました。彼は、ではインプラント治療のほうがぺリオの治療より予後がよいのでい
までは、ぺリオの治療計画の前にインプラントの治療を考えるといってました。
欧米ではインプラントがよいとか悪いとかという問題はもう論議されてません。インプラントはスタ
ンダードなものなのです。あまりインプラントにたいする間違った考えを公も場で発表しないように
お願いいたします。
メールアドレス: jewelry@ps.ksky.ne.jp
ホームページURL: http://
近年のインプラントの予知性が高くなったことは事実です。学会でのインプラント発表では、予後
の良さをかなり強調しています。事実、補綴物装着に至った症例の予後が満足のいく程度に良好
であることは私も実感しています。ただ、ここで落とし穴は、補綴物装着以前の失敗が、学会発表
の統計に含まれていないことです(そのように伺っています)。
植立の失敗、素材の限界による炎症等により約5%?程度の撤去症例があることも事実では
ないでしょうか。実際に裁判沙汰になっている症例もあります。
“インプラント治療のほうがぺリオの治療より予後がよい”からインプラントを勧めることに関しては
大きな疑問を感じます。特に上顎大臼歯部では、インプラントが植えられないケースもありますし、
ぺリオ治療をおろそかにすると、その負担がインプラントにかかってインプラントの予後すらも左右
する結果となります。
インプラントはあくまでも、不足部分を補う人工臓器であって、天然歯にとって変わるものでは
有りません。まずは、天然歯保存を最大限試みたうえで、足らずを補うアイテムと認識しています。
それと、各国の保険事情は詳しく知りませんが、国民皆保険で強制的に保険料を徴収されている
日本では、保険で治療可能なぺリオ治療と保険外の法外に高いインプラントとは同じ価値観では
語れないと思います。国民のほとんどが保険の効く治療を望んでいると思います。したがって、保険
医である我々は、保険の効く治療を優先すべきだと認識しています。
話はちょっとそれますが、LIndhe先生がぺリオの敗北宣言とも受け取れるような発言をなさいまし
たか。私自身、今の歯周病の原因論や骨再生理論は間違っており、おのずと限界があると思って
いました。“歯周病の原因論や骨再生理論”が変われば、ぺリオ治療も飛躍的に改善されると確信
しています。
ところで、私の認識の何処が誤っているのかをご指摘いただければ幸いかと存じます。
返信:
先生の深い御考えを拝見致しまして、このような答えが帰ってくるとは思ってませんでした。
植立の失敗、素材の限界による炎症等により約5%?程度の撤去症例があることについて:
この調査結果は、各インプラントにより調査のしかた基準に違いがあるので一概にいえません。
しかしスェーデンでは、保険でインプラントが適応になってるので、ここのデータが一番信用できる
ようなきがいたします。ここでのデータでは、インテグレーションの確率が95%以上であり、機能さ
せることの関しては、98%の確率で成功していると聞いております。
LIndhe先生がぺリオの敗北宣言とも受け取れるような発言について:
私も同意見ですが、lindhe先生は、敗北宣言したわけではなく、予後の悪いPを無理に歯周治療する
よりは、インプラントをしたほうがよいと言っていたようです。
でももしインプラントが保険で認められ、歯周治療が今のような状態であれば、患者さんのほうから
インプラントを望む日もくるかもしれませんよ。
インプラントにも、歯周治療にもよい所、悪い所それぞれあるわけで、それを比較してとくにインプラ
ントのほうの欠点ばかりを取り上げて批判するのはよくないと思います。個人的にメールでやりとり
くらいであれば問題ないですが、あのようなホームページでは、問題があるのではと思ってます。
でも先生のいってることはただしいことばかりですよ。失礼致しました。
それからpdiとリンクしてますが、宮田先生もインプラントがいい悪いという議論は世界的には終わっ
てる、インプラントはいいものですとおっしゃってましたが