日付、時間：Sat Apr 15 17:29:41 Japan 2000 　　 氏名： Ｋ・Ｔ　　　
所在都道府県：岐阜　　 職　業：会社員 　 年　齢：35歳　　　 　 性別：　male　　

質問：
お忙しいところ申し訳ありませんが、アドバイスお願いいたします。
２年前に歯周病と診断され、ブラッシング指導を受け、自分なりに努力してまいりました。 しかし、上の歯の一番奥の歯（７）が歯槽骨が溶け、ぐらついてきております。幸い、手前の歯（６） 周辺は歯槽骨もいまの所、大丈夫なようです（親不知は抜歯済みです）。この１本以外は、手を抜 かなければ人並みにもつという状態のようです。今のところこの歯１本だけが異常に悪いのです。
かかっている先生は抜歯の対象ではあるが、抜きたくなければいいです、とおっしゃっています （それ以上の説明を聞けません）。この１本の歯をそのままもつだけ放っておいた方がいいのか、 （自然に抜け落ちるまで）それともきちんと抜歯という形を取った方がいいのか、長い目で見た場 合どちらが他の歯のためには良いのでしょうか？
また、歯槽骨が溶けるというのは、徐々に他の歯にも移ってくるのでしょうか？
それとも、手入れさえ怠らなければ、隣の歯の歯槽骨は影響受けないのでしょうか？
お忙しい中、質問ばかりで申し訳ありませんが、どうかアドバイスよろしくお願い申しあげます。

ご意見・ご感想：
治療のかたわらで、こんなにも充実したＨＰを作られるのは本当に大変なこ とだと思います。でも、患者側としてはこんなにも心強く、そして勉強になるＨＰは他にはありません。 かかっている先生にはなかなか聞きづらかったり、また聞くタイミングが難しいのが現状なんです。 河田先生のご負担を考えつつも、このＨＰはありがたくて、また力づけられます。今後ともどうかよ ろしくお願いいたします。

メールアドレス： tamurin@mvi.biglobe.ne.jp　　 ホームページURL： http://

　或る一定以上歯槽膿漏の進行した歯（この場合上顎７番）は、如何なる努力をしても何時か必ず ダメ（但し努力次第で数年は違います）になりますが、一定以内の歯であれば生涯保つことが可能 です。問題はその“努力”の方法です。

　歯槽骨破壊の原因は歯周組織の炎症です。炎症の原因は、プラークや歯石を始めとした汚れです。 その意味では、汚れを最小限に抑えるハブラシは有効な手段です。が、しかしハブラシだけで守 れると思ったら大間違い！！
　ハブラシだけで全ての汚れが効率よく除去されて、以後全く汚れを寄せ付けないのであれば、理論 的には達成可能ですが現実はそれだけでは全く不十分であることを十分認識していただきたいと思 います。

　ハブラシの不足を何で補うか。この方法論が問題なのです。
更なる、徹底したハブラシで問題を解決しようとしているのが世界中の主流です。ところがその方法 には明らかな限界を感じています。ブラッシングでコントロールできた“たぐい稀なる症例”が学会で 発表されていること事態奇妙な話だと思います。つまり、ブラッシングでコントロールできれば、学会 発表モノなのです。
　「一生懸命ブラッシング指導しても、嫌がられたり、通院中だけ綺麗だけど、治療が終わったら元の モクアミ」という嘆きをあちらこちらで耳にします。若い頃からブラッシングを人並み以上に頑張って、 歯肉からの出血は抑制されたけど、気が付いたら歯がグラグラ」という症例にも多く出会います。
　学会の主流的方法とは別に関係者の間でも、「結局は、毎月患者さんに来てもらってスケーリング を繰り返すのが一番！」という声が少なからず聞かれます。現状では、このことを公の場で発言 することが、タブー視されているように感じます。

　まず、歯石や汚れを徹底的に取って環境を整えた上で、一度歯石が着いて破壊されたところには 簡単に歯石が着きやすいので、それを毎月取り続けることこそが唯一歯周疾患をコントロールする 効率的な方法だと確信しています。
　“隣の歯に移る”という概念は正しくないように思います。隣の歯でも新たに発生していると考える 方が正しいのではないでしょうか。問題の７番については、 抜髄して でも歯周疾患の進行を抑制すると同時に、将来、隣の歯に歯槽骨破壊が明らかに及ぶ場合に は抜歯することも重要な選択肢になると思います。

返信：
まさかこんなに早く、お返事いただけるとは。。。本当にお忙しい中、ありがとうございました！
歯石をしっかり取ってもらいつつ、自分でもブラッシングし、自分の歯を大切にしていきたいと思い ます。これからもこのＨＰで、たくさん勉強させて下さい！