血液循環の限られた歯髄腔内では一度起こった炎症を抑えることは至難の業。
“知覚過敏”の定義

日付、時間:Fri Apr 28 14:46:30 Japan 2000    氏名: AT   
所在都道府県:福岡   職 業:会社員   年 齢:44歳      性別: male  

質問:
1週間前から左側上奥歯付近で冷たい水と熱い水?がしみるようになりました。 いったんしみると15分くらいは、とてもつらい状態が続きます。歯科医にいきレントゲンを撮ると 例の知覚過敏ということで処置をうけ2週間ほど後に来院するようにいわれました。歯軋りによる 可能性もあるということでナイトガードも提案されましたが、これは様子をみてということにしました。
それから2,3日は、調子がよかったのですが、今度は、何もしていないのに上奥歯付近がジワジ ワと痛むようになりました。前ほどには、しみることはないのですが今から先心配です。半年ほど前 に虫歯の治療をしています。
ほかの質問の答えでは、半年ほど前の虫歯の治療で熱いものがしみるときは、知覚過敏ではない とあったのでどうすればよいか教えてもらいたくメールをさせてもらいました。

メールアドレス: atx@jeans.ocn.ne.jp   ホームページURL: http://

回答  歯科領域で使われる“知覚過敏”の定義が曖昧ですので多少混乱しているように思います。

学会での定義(私は間違っていると思っています)とは別に、臨床的に“知覚過敏”とは、原因は ともかく歯髄の炎症に他なりません。炎症が軽いうちは、違和感や冷たいものに反応する程度 ですが、炎症が進行するに連れて痛みがひどくなり熱いモノにまで反応するようになります。
 生体の他の部分では炎症が自然治癒することが多いのに比べて、血液循環の限られた歯髄 腔内では一度起こった炎症を抑えることは至難の業ともいえます。

 ご質問のケースもおそらく回復不可能な歯髄炎である可能性が高いように思います。処置とし ては、まず歯髄保護を目的とした消炎処置を試みる価値はありますが、結果によっては抜髄を 選択せざるを得ない状況だと思います。

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