抜歯については、“歯を残す意欲”によって大きく判断が異なります。
|C56FBridge(タイ)

日付、時間:Fri May 19 13:22:01 Japan 2000    氏名: 今井純子   
所在都道府県:東京   職 業:その他   年 齢:38歳      性別: female  

質問:
はじめまして。先生のアドバイスを伺いたくメールさせていただきます。
まず現在の状況としては、左下4〜7にかけてブリッジをしていましたが、7が1ケ月ほど前から膿を もちはじめ、ブリッジをその部分だけカットして、根管治療を始めました。といいますのは、現在タイ在 住で、はずして作りなおすということについては、その当時、あと2か月で日本へ帰国することになっ ていたので、日本で作ろうと思っていたからです。ところが、排膿は多分終わって、これから充填とい うところで、今度は6が同じ状況になってしまい、レントゲンで見てもらったところ、抜歯しかないという ことで、2日前(17日)に、その部分をカットして、抜歯をしました。(同じ職場の日本で元歯科医だっ た方の意見も抜歯しかないという意見でしたので)ですので、現在は、7は充填せずにふたをしてい るだけ、6は抜歯後2日目、4,5はブリッジが残ったままです。
その先生は、「あと1週間して痛みがなければ、新しいブリッジを作ることもできますよ」とおっしゃい ました。治療している間、いろいろと考えてやっぱりタイで作ろうと決めたこともあって、そうすすめて くださったのですが、今となってはあと3週間で帰国ということもあり、どうしたらよいか迷っています。 それで、先生にアドバイス頂ければと質問した次第です。
問題としては、・タイで作る場合

  1. 保険がきかないので、日本よりかなり高い(1本約1万5千円です。)
  2. 材質がポーセレンなので、奥歯4本のブリッジとしての強度が弱いのでは。 (それでも日本の 保険外の歯よりずいぶん安いのですけど) ただ、日本での保険適用のものよりは見た目はいい です。
  3. 抜歯後、1週間でブリッジを作ってもよいのか。 日本で作ったときは、肉が盛り上がってからだ ったような記憶があるのですが。 また、あと3週間足らずの間に、ちゃんとした調整ができるのか。
です。また全体の質問としては、残っている4,5のうち、5は実はもうありません。4もヘミセクション をしてあるので、強度的には十分とはいえないと思います。あと3週間とはいえ、何らかの形で、残っ ている4さえもつかえなくなったら、3と7でブリッジを作れるのか、やはり入れ歯しかないのかという ことも考えています。さらに、実は右下5から7(6なし)もブリッジをしていて、これは先生によっては 7は抜歯しかないと言われている歯で、半年前からよく取れるようになりました。そのときは、とりあ えず、つけてしのぎ、とれたらまたつけるといった繰り返しで今にいたっています。同僚の元歯科医 の方は、「このような状況だと、ブリッジではなく、両側とも入れ歯にした方がいい。仮にどちらか がブリッジが可能な状態でも、片方だけ入れ歯では安定しないので、両側にかかる入れ歯を作るほ うがよい」との意見です。
このような状況なので、3週間の間不便だからといって、急いでタイでブリッジを作ってしまってよい ものか迷っています。やはりあと3週間気をつけながらすごして日本できちんと時間をかけて治療す るべきでしょうか。以上です。とても長い内容になってしまい、本当に申し訳ありませんが、ご回答頂 ければ幸いです。よろしくお願いいたします。

ご意見・ご感想:
みなさん、お書きになっていますが、私もこちらのHPを拝見して、本当にありが たかったです。特に私のような海外在住者ですと、ことばの壁で、残念な結果になってしまうこともし ばしばです。しかし体についてだけは大変なことなので、このような形でご相談でき、また丁寧な回答 をしていただけるということは本当に助かります。これからもよろしくお願いいたします。

メールアドレス: imaij@nu.ac.th   ホームページURL: http://

回答  まず、両側を入れ歯にした方が良いというご意見から申し上げます。 そのような考え方の歯科医が多いことは事実です。ただその前提が、入れ歯は患者さんにとって 満足できるものということです。もしそうであれば、確かに片側よりも両側の入れ歯の方が安定 していますが、“舌感が悪い”“違和感が強くてしゃべり難い”“所詮入れ歯”などの欠点も多く 天然の歯は無論のことBridgeの装着感とは雲泥の差があることを覚悟してください。  例え片側が小さな部分入れ歯になったとしても、反対側だけでもBridgeである方が救いは 大きいと思います。

 また抜歯については、“歯を残す意欲”によって大きく判断が異なりますので抜歯に際しては より慎重な決断をしていただきたいと思います。

 問題の左側Bridgeについては、3週間あれば調整も含めて製作可能ですし、抜歯窩の治癒も “何とかなるだろう”という期待も含めておそらく問題が生じない確率は高いように思います。 タイの医療事情は全く知りませんが、1万5000円(*4=60000)でメタルボンドのBridgeが入るので あれば日本の保険(3割負担で総額1万円ちょっと)でギンギラギンの歯をいれるよりも値打ちが ありそうにも思います。但しその場合は、7番を無理してメタルボンドにするよりは金属そのまま の方が強度的に優れているでしょうね。確かにちょっと魅力です。

しかし、抜歯後の創傷治癒を待って(1〜2か月)製作した方が無難です。その場合は7番に 仮歯をいれておく必要もあります。4番に過剰な負担がかかることと、咬合が低くなって後々に 問題を残す恐れがあるからです。
 どちらを選ばれるかは、今までの経緯もありますのでどちらとも申し上げられませんが、日本 とタイ、どちらを選ばれたとしても結果に大きな差が生じないような気がします。

返信:
アドバイス頂いたとおり、こちらでブリッジを作っていこうという気になっています。ただ、押すとまだ 痛いので、それが回復するのを待つと3週間きってしまい、それこそ、タイで作りたくても時間的に 作れない状況になってしまうかもしれませんが・・・。
入れ歯にした時の違和感など、先生に説明して頂いて、改めて実感(?)しました。やはり、使える までとことん使おうと思います。丁寧なアドバイス、本当に感謝しております。
これからも、HP拝見させていただき、知識を授けていただくつもりです。 貴医院の益々のご発展、心よりお祈り申し上げます。

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